NY市場サマリー(9日)S&P終値で初の5000超え、ドル下落 利回り上昇
<為替> ドルが下落した。ただ週間では4週連続で上昇。米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測の後退が寄与した。9日には2023年12月の消費者物価指数(CPI)の前月比上昇率(季節調整済み)が0.2%に下方改定されたが、為替への影響は限定的だった。
ドル指数は0.07%安の104.04、ユーロ/ドルは0.08%上昇の1.0785ドルだった。
円は対ドルでほぼ変わらずの149.32円。序盤には一時149.575円と11月27日以来の安値を付けた。週間では約0.64%安で、過去6週間中5週間で値下がりしている。
日銀の植田和男総裁は9日、大規模金融緩和の出口戦略について、現時点で見えている将来の経済・物価の動きを前提にすると「先行き、マイナス金利解除を実施したとしても、緩和的な金融環境が当面続く可能性は高い」と語った。
鈴木俊一財務相は9日、賃金上昇を伴う物価安定目標の実現に向け、日銀には適切な金融政策運営が行われることを期待している、との考えを述べた。
ポンド/ドルは0.15%高の1.2635ドル。
スイスフランは1ドル=0.8747フランまで下落。今週は対ドルで約0.93%値下がりした。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは4.9%高の4万7549ドル。一時4万8183ドルと1カ月ぶりの高値を付けた。週間では10%上昇と昨年10月以降で最大の上げとなった。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが上昇した。2年債利回りは約2カ月ぶりの高水準を記録した。
市場は米連邦準備理事会(FRB)による利下げ時期の手がかりとして、13日に発表される1月米消費者物価指数(CPI)に注目している。
指標となる10年債利回りは4.195%に達し、1月25日以来の高水準となった。2年債利回りは4.499%と、昨年12月13日以来の高水準となった。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス30bpと、ほぼ変わらずだった。
この日序盤の市場では、2023年12月の消費者物価指数(CPI)の前月比上昇率(季節調整済み)が0.2%に下方改定されたことを受け、利回りが一時低下する場面もあった。
CMEグループのフェドウォッチによると、市場が織り込む3月の利下げ確率は18%と、1カ月前の64%から低下した。5月までの利下げ確率は58%とみられている。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> S&P総合500種が終値で初めて5000を上回った。ナスダック総合も一時1万6000を突破。人工知能(AI)ブームや好決算を背景に米半導体大手エヌビディアを含む半導体株や大型株が買われた。
エヌビディアは3.6%上昇し過去最高値を更新。クラウドコンピューティング事業を手掛ける企業向けに、高度なAI用プロセッサーを含む特注半導体の設計に特化した新事業部門を設立するとのロイター報道を受けた。
前日には米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が、米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は、世界の半導体製造能力引き上げやAI向上に向けた能力拡充など、ハイテク関連プロジェクトに必要な資金を調達するため、アラブ首長国連邦(UAE)を含めた投資家と協議していると報じた。
フィラデルフィア半導体指数(SOX)がアウトパフォームし1.99%高。マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アルファベットなど大手ハイテク株も指数上昇に大きく寄与した。
S&P500構成企業の約3分の2の決算が出揃った。LSEGのデータによると、第4・四半期決算の増益率は9.0%増と、1月1日時点の予想4.7%増を上回った。予想を上回った企業は81%と、過去4四半期の平均76%を上回った。
S&P500が日中の最高値を更新するのは今年に入り10回目。
ナスダックの終値は、2021年11月に記録した終値の最高値1万6057.44をわずか0.4%下回った。
週間では主要3株価指数とも5週連続で上昇。今週はS&Pが1.4%、ナスダックが2.3%、ダウ工業株30種が0.04%値上がりした。
米労働省の労働統計局(BLS)が2023年12月の消費者物価指数(CPI)の前月比上昇率(季節調整済み)を0.2%に下方改定したことが9日、分かった。今年1月に発表された速報値は0.3%だった。
個別銘柄では、インターネットセキュリティーサービスのクラウドフレアが19.5%上昇。 第1・四半期の売上高・利益予想を上方修正した。
一方、食品・飲料大手ペプシコが3.6%下落。9日に発表した第4・四半期決算は、売上高が市場予想に反して減少した。複数回にわたる値上げが飲料やポテトチップスに対する需要を圧迫しているとし、2024年のオーガニック売上高の伸びが急減速すると見込んだ。
画像検索・共有サービスのピンタレストも9.5%安。市場予想を大幅に下回る第1・四半期の売上高見通しを受けた。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 米長期金利の高止まりを背景に、続落した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比9.20ドル(0.45%)安の1オンス=2038.70ドル。週間では0.73%安だった。
この日は米長期金利の指標である10年債利回りが上昇。金利を生まない資産である金に売り圧力がかかった。市場参加者の間では、金の消費大国である中国のデフレ懸念も相場の重しとなったと指摘する向きもあった。中国国家統計局が8日発表した1月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比0.8%低下した。マイナスは4カ月連続。低下率は14年超ぶりの大きさとなった。一方、対ユーロでドルが一時下落したことを受け、ドル建て商品の割安感が意識され、下げ幅を縮小する場面もあった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 中東情勢の緊迫化に伴う供給不安が根強く、5日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.62ドル(0.81%)高の1バレル=76.84ドル。週間では6.31%上昇した。4月物は0.58ドル高の76.77ドルだった。
朝方発表された2023年の米消費者物価指数(CPI)の年次改定を眺め、外国為替市場でドルが大幅下落。ドル建て商品の原油先物は割安感から買われ、一時77ドル台に上昇した。しかし、その後は週末を前に持ち高調整の売りが広がり、昼までにいったん上げ幅を一掃するなど荒い値動きだった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 149.30/149.33
始値 149.39
高値 149.53
安値 149.02
ユーロ/ドル NY終値 1.0782/1.0786
始値 1.077
高値 1.0794
安値 1.0764
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*30.00 4.3741%
前営業日終値 97*27.00 4.3800%
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*18.00 4.1773%
前営業日終値 98*20.00 4.1700%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*11.75 4.1420%
前営業日終値 99*14.25 4.1240%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*17.88 4.4862%
前営業日終値 99*19.63 4.4560%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 38671.69 -54.64 -0.14
前営業日終値 38726.33
ナスダック総合 15990.66 +196.95 +1.25
前営業日終値 15793.72
S&P総合500種 5026.61 +28.70 +0.57
前営業日終値 4997.91
COMEX金 4月限 2038.7 ‐9.2
前営業日終値 2047.9
COMEX銀 3月限 2259.4 ‐4.2
前営業日終値 2263.6
北海ブレント 4月限 82.19 +0.56
前営業日終値 81.63
米WTI先物 3月限 76.84 +0.62
前営業日終値 76.22
CRB商品指数 274.3419 +0.7706
前営業日終値 273.5713