トルコ中銀新総裁、インフレ低下まで金融引き締め姿勢を維持
Tuvan Gumrukcu Huseyin Hayatsever Nevzat Devranoglu
[アンカラ 8日 ロイター] - トルコ中央銀行のファティ・カラハン新総裁は8日、四半期インフレ報告を発表し、「インフレ率が目標と一致する水準に低下するまで、必要な金融引き締めを維持する決意だ」と表明した。カラハン氏の対外発言としては総裁就任後で初めて。
年末のインフレ率予想を巡り、市場では従来の36%よりも引き上げる必要性があるとの見方があるものの、カラハン総裁は物価予想を据え置くと述べた。また、現時点で追加利上げの必要性はないとも表明した。
ただ、あらゆる選択肢を残し、インフレ予想が大幅に悪化すれば金融政策スタンスを見直すと付け加えた。
同中銀は昨年6月に金融引き締めに政策転換し、主要政策金利はそれまでの8.5%から相次いで引き上げた。今年1月に45%へと追加利上げし、利上げサイクルの終了を示唆していた。
またカラハン総裁は、金融緩和について語るのは時期尚早と指摘した。この発言を受け、利下げサイクルへの早期転換予想が後ずれした。アナリストらの間では、インフレが今年半ばごろに沈静化し始めるまで、総裁はタカ派姿勢を堅持するとの見方が強まった。
トルコの1月のインフレ率は最低賃金の引き上げなどに伴って前年同月比64.9%、前月比で6.7%それぞれ上昇した。
同中銀のインフレ予想は多くのアナリスト予想よりも低い。カラハン総裁は、1月のインフレ率が予想より高かったものの、最低賃金の引き上げだけで同中銀の予想が狂ったとは言えないと強調した。
ロイターのエコノミスト調査によると、インフレ率は24年末までに42%程度に低下すると予想されている。
同中銀は2026年末に9%に落ち着くとの予想を据え置いた。総裁は24年5月にピークに達した後に「急速なインフレ解消」が始まるだろうと述べた。