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金融庁、損保ジャパンとSOMPOHDに業務改善命令

配信日時:2024/01/25 16:22 配信元:REUTERS

Ritsuko Shimizu

[東京 25日 ロイター] - 金融庁は25日、中古車販売大手のビッグモーター(BM)の保険金不正請求を巡る問題で、SOMPOホールディングスと子会社の損保ジャパンに対し、業務改善命令を出したと発表した。経営責任の明確化やコンプライアンス・顧客保護を徹底するための態勢の確立などを求めた。

業務改善計画は3月15日までに提出し、ただちに実行することを求めている。金融庁では、損保ジャパンだけの問題ではなく、損害保険ビジネスの信用を棄損する事案と指摘。企業文化も含めて、態勢や経営のあり方を根本から見直すように求めており、業務改善命令としては厳しいものだと説明している。

行政処分を受けて、SOMPOHDは「この度の事態を厳粛に受け止め、全社をあげて改善・再発防止に取り組み、法令等の順守および顧客保護を再徹底し、信頼回復に取り組んでいく」とのコメントを発表した。

金融庁によると、損保ジャパンは、BMからの要請を受けて出向者を派遣していたほか、BMからの保険金請求に対する損害調査において簡易な調査を行っていたこと、不正請求発覚後に大手3社が入庫紹介を停止する中で1社だけ入庫紹介再開の経営判断をしたことなどが分かっており「損保ジャパンのBM社に対する一連の対応には重大な問題が認められると言わざるを得ない」とした。親会社のSOMPOHDについては、損保ジャパンに対するモニタリング機能や監査機能が適切に発揮されていなかったと指摘した。

両社の自主的な取り組みでは抜本的な解決に至らない可能性があるため、業務改善計画の実施に当局の関与が必要と判断したとしている。

金融庁は2023年9月から損保ジャパン、SOMPOHDに順次立ち入り検査を実施していた。

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