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ネットフリックス新規会員、第4四半期として過去最高 株価急伸

配信日時:2024/01/24 07:33 配信元:REUTERS

Dawn Chmielewski

[23日 ロイター] - 米動画配信サービス大手ネットフリックスが23日発表した2023年第4・四半期決算は、加入者数が市場予想を上回った。

加入者数の伸びは1310万人と、予想の897万人を大きく上回り、第4・四半期として過去最高を記録。加入者総数は2億6000万人となった。

株価は引け後の時間外取引で8.5%上昇した。

1株利益は2.11ドルで、市場予想の2.22ドルを下回った。為替相場に関連した2億3900万ドルの非現金損失が影響したという。

売上高は88億ドルに増加し、市場予想と自社見通しの87億ドルを上回った。

新規加入者の獲得や広告事業への投資を継続する中、24年通期については2桁の増収を見込んだ。広告事業はまだ売上高の主要なけん引役にはなっていないが、25年までに転換を目指すとした。

バンク・オブ・アメリカのメディアアナリスト、ジェシカ・ライフ・エーリッヒ氏は「ネットフリックスが『ストリーミング戦争』に勝利したことが一層明確になりつつある」と指摘した。

第4・四半期は英王室を描いた「ザ・クラウン」の最終シーズンやデヴィッド・フィンチャー監督のオリジナル映画「ザ・キラー」などのコンテンツが追い風となった。

ネットフリックスは今後の見通しについて「昨年のストライキで一部タイトルの配信が遅れたが、24年は大型作品を予定している」と述べた。

また、大規模なテレビネットワークを抱える企業などの間で業界再編がさらに進む可能性があるとの見方を示した。ただ、自社は伝統的なテレビ資産の取得に関心はないとした。

メディア再編で競争環境が変化する可能性は低いが、ゲームやSNS(交流サイト)も含め視聴時間を巡る競争は続くと予想した。

その上で、番組構成の改善やファン層の開拓を続け、広告やゲームなど新しい分野で地位を確立すれば成長機会があると述べた。ゲーム事業はまだ初期段階だが、エンゲージメントは3倍になったとした。

ハーグリーブス・ランズダウンのリード株式アナリスト、ソフィー・ランドイェーツ氏は「市場は2桁増収を織り込み済みだったが、予想以上の好決算を歓迎している」とし、「加入者数の顕著な増加はアカウント共有対策の影響もあるが、視聴者をひきつける能力の証でもある」と述べた。

ネットフリックスはライブ番組にも引き続き投資する方針で、決算発表に先立ち、ワールド・レスリング・エンターテインメント(WWE)の番組「Raw(ロウ)」などを25年1月から独占配信する50億ドル超の契約を発表した。

メディアアナリストのジョン・ホジュリク氏は、アカウント共有対策が引き続き恩恵をもたらす見込みで、今四半期の5%増収をけん引すると予想した。

前出のエーリッヒ氏は同対策によって広告付きプランの加入者が増加すると見通した。ネットフリックスは最近の発表で、広告付きプランのアクティブユーザー数が世界全体で2300万人と、昨年11月の1500万人から増加したと明らかにしている。

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