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中銀窓口貸し出し、銀行破綻連鎖阻止でもっと活用すべき=G30

配信日時:2024/01/10 13:58 配信元:REUTERS

[9日 ロイター] - 中央銀行関係者やエコノミスト、民間金融機関幹部らで作る有識者団体G30は9日公表した報告書で、銀行がストレスに直面した際、取り付け騒ぎや破綻の連鎖を防ぐため、中銀のディスカウントウィンドウ(窓口貸し出し)制度をもっと活用すべきだとの見解を示した。

昨年春に米シリコン・バレー銀行や米シグネチャー銀行が取り付け騒ぎによって経営破綻し、クレディ・スイスが救済合併されるなど銀行危機が連鎖したのを踏まえた提言。

報告書は、危機に伴ってこれまでに示された改革案は、中銀の「最後の貸し手」機能、すなわち窓口貸し出しの重要性を軽視していると指摘。窓口貸し出しの利用を「スティグマ(弱さを示すらく印)」と見なす風潮が残っている上、銀行が手元に準備していない担保を要求されることがあるため、活用されていないと説明している。

中銀の貸し出し制度を是正することが、パニックを封じ込めて取り付け騒ぎを防ぐための「最も重要で実行可能、低コストの改革」だと指摘。銀行は、窓口貸し出しを利用するための十分な担保を準備しておくべきだとした。

G30はまた、会計基準の改善、より包括的なストレステスト(健全性審査)、監督体制の改善も、将来の銀行破綻阻止につながるとしている。

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