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豪CPI、11月は2年ぶり低い伸び コア急低下

配信日時:2024/01/10 10:15 配信元:REUTERS

[シドニー 10日 ロイター] - オーストラリア統計局が10日発表した11月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比4.3%と、2022年1月以来の水準に鈍化した。コアインフレ率も大きく低下し、追加利上げが必要ないという市場の見方を強める結果となった。

CPI上昇率は市場予想の4.4%を下回った。10月は4.9%だった。前月比では0.3%上昇した。

コアインフレ率の指標として注目されるCPIの中銀トリム平均値は前年比4.6%上昇。10月の5.3%上昇から大きく鈍化した。12月までに4.5%に鈍化すると予想していた政策当局者にとって安心材料となった。

変動の大きい項目と旅行を除いたCPIも4.8%上昇と、前月の5.1%上昇から鈍化した。

IGの市場アナリスト、トニー・シカモア氏は「中銀トリム平均値とコア指標の5%割れはディスインフレ(インフレ鈍化)のシナリオがなお堅固であることを確認し、今年の豪利下げ観測を裏付けるものだ」と述べた。

その上で、今月下旬発表の23年第4・四半期インフレ統計も同様の内容なら、オーストラリア準備銀行(中央銀行)による利下げ開始時期の予想が6月に早まる可能性があるとした。

CPI発表を受けた市場の反応は限定的で、豪ドルは1豪ドル=0.6687米ドルと横ばい。豪3年債先物は3ティック安の96.30。年明けでなお薄商いが続いている。

先物市場は追加引き締めの可能性をほぼ排除する一方、今年を通じて計50ベーシスポイント(bp)と比較的小幅な利下げを織り込んでいる。

インフレ率は22年終盤に見られた約8%のピークから低下しているものの、ブロック中銀総裁は国内要因や需要主導の物価上昇圧力に警鐘を鳴らしている。

11月CPIは家賃上昇率が7.1%と前月の6.6%から加速。電気代と保険料の上昇率もそれぞれ10.7%、16.3%となった。

ナショナル・オーストラリア銀行(NBA)の市場経済部門のタパス・ストリックランド氏はCPI統計について、NABが見込む2月の追加利上げに疑問を投げかける内容だが、サービス部門の根強いインフレは今年上期の利下げを支持するでもないと指摘した。

また、中銀見通しに大きな影響を与える内容ではなかったが、中銀想定よりディスインフレのペースが加速しているという判断はできないとも説明した。

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