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前場の日経平均は反落、大幅上昇後の反動売りが優勢

配信日時:2023/11/16 12:16 配信元:REUTERS

Noriyuki Hirata

[東京 16日 ロイター] -

前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比227円68銭安の3万3292円02銭と反落した。米株は小幅高だったが、日経平均は前日の大幅高を受けて利益確定売りが優勢となった。

日経平均は120円安で寄り付いた。前日までの3連騰で1000円近く上昇しており、利益確定売りが先行した。その後いったん切り返してプラスに転じ、94円高に上昇する場面もあった。企業決算を経て堅調な企業業績が意識されており、下値では押し目買いが支えになった。 一方、時間外取引の米株先物や、前場の中盤に始まったアジア株は軟調な値動きで、投資家心理の重しになった。指数は再びマイナスに転じ、一時285円安に下げ幅を広げた。

物色の特色は見出しにくいとの声が多く、グロース株とバリュー株の動向に、大きな偏りはみられていない。前日まで買われた半導体関連に弱い銘柄が目立つ一方、売られていた銀行株に買いが入っており「基本的には循環物色」(国内証券のアナリスト)とみられている。

市場では「何か悪材料があるわけではなく、単純に利益確定売りだろう。これが一巡し金利動向の落ち着きが続けば、(日経平均は)いずれ年初来高値を上抜ける可能性がある」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャー)との見方が聞かれた。

TOPIXは0.36%安の2364.70ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は1兆8754億8100万円だった。東証33業種では、値上がりはサービスや銀行、精密機器など7業種で、値下がりは小売や証券、パルプ・紙など26業種だった。

高島屋やANA HLDGなどインバウンド関連株が総じて軟調。前日に発表された10月の訪日外国人客数は初めてコロナ禍前の19年同月の実績を超えたが、中国からの訪日客の戻りが鈍く嫌気された。一方、米投資ファンドの株式取得が伝わったリクルートHLDGが大幅高となったほか、三井住友FGが堅調。信越化学工業は年初来高値を更新した。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが354銘柄(21%)、値下がりは1267銘柄(76%)、変わらずは38銘柄(2%)だった。

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