注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:TOPIXが配当落ち分を埋めるかが焦点に
配信日時:2023/09/23 13:55
配信元:FISCO
*13:55JST 国内株式市場見通し:TOPIXが配当落ち分を埋めるかが焦点に
■FOMC受けて日経平均4日続落
今週の日経平均は週間で1130.68円安(-3.4%)の32402.41円と反落。3連休明けの週初は、台湾積体電路製造(TSMC)が取引先に対して納入延期を要請したとの先週末の報道の影響で半導体関連株を中心に下げ幅を広げ、日経平均は反落して始まった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前にした持ち高調整や想定以上にタカ派となったFOMCの結果を受け、その後も日経平均は下落が続き、週末にかけて4日続落した。一方、22日の昼頃に政策の現状維持を決定した日銀金融政策決定会合の内容が伝わると、為替の円安に伴って買い戻され、日経平均は一時前日終値近くまで下げ幅を縮めた。ただ、引け後の植田総裁の会見を見極めたいとの思惑から買い戻しが一服すると再び軟化した。
■短期リバウンドと権利落ち、海外投資家動向に注目
注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場の大方の予想通りに政策金利が2会合ぶりに据え置かれた。しかし、年内の追加利上げの可能性が除外されなかったことに加え、政策金利見通し(ドットチャート)が示す2024年末の政策金利中央値が5.1%と前回6月時点の4.6%から切り上がった。今週末には上昇が一服したとはいえ、米10年債利回りが2007年以来の高値圏で推移するなか、当面は金利動向に神経質な展開が続きそうだ。
一方、22日大引け後の植田和男日銀総裁の記者会見では、「粘り強く金融緩和を続ける必要がある。実現が見通せる状況になれば政策の修正を検討することになるが、現時点では経済物価をめぐる不確実性はきわめて高く、政策修正の時期や具体的な対応について到底決め打ちはできない」との見方が示され、従来の姿勢が踏襲された。マイナス金利政策の解除などに関して踏み込んだ発言がなかったことで目先はあく抜け感による買い戻しが期待できそうだ。
また、25日には物価高対策や賃上げ、半導体分野への投資促進などを軸とした経済対策の柱を岸田文雄首相が表明する方向であることが、22日の大引け後に報じられている。その内容も注目され、下落が続いている半導体製造装置関連などの材料として働くかが期待される。
日経平均は22日までの4日続落で合計1100円超も下落しており、来週は短期的なリバウンドも見込まれる。また、岸田文雄首相が訪問先の米国で22日、ニューヨーク連銀の「ニューヨーク経済クラブ」主催のセミナーに日本の首相として初めての講演者として招かれ、「資産運用特区」の創設など海外投資家の参入促進に向けた講演を行ったことが伝えられている。25日からは海外投資家を日本に招待する金融庁主催の「ジャパンウィークス」も開催される予定で、海外投資家の買いが膨らむことに期待したい。
28日には9月末配当・株主優待の権利落ち日を迎える。配当落ち額は日経平均で225円、東証株価指数(TOPIX)で20ポイント程度との試算がある。他方、指数連動型のパッシブファンドによる配当再投資に伴う先物買い需要は日経平均先物で1500億円強、TOPIX 先物では約9000億強と見込まれている。東京証券取引所が3月末に、株価純資産倍率(PBR)が低迷する上場企業に対して、改善策を開示・実行するよう要請したことを受けて、上場企業は積極的な株主還元姿勢を示し始めている。まずは、28日にTOPIXが配当落ち分を埋めることができるかどうかが、相場の強弱感を図る上での試金石となりそうだ。一方、日経平均は構成銘柄の入れ替えに伴い、全体では超過の売り需要が発生する見込みで、日経平均はTOPIX対比で上値の重さが意識されやすいと考えられる。
■株式分割権利落ち、バリューの持続性やグロースの反転に注目
28日は株式分割の権利落ちもラッシュとなる。株式分割1対5ではJR東海<9022>、1対4ではアドバンテスト<6857>、デンソー<6902>、ローム<6963>、1対3では村田製作所<6981>、ホンダ<7267>など、日経平均寄与度の大きい値がさ半導体や主力株に株式分割の権利落ちが多いことが特徴だ。6月29日には1対25の株式分割の権利落ちとなったNTT<9432>の影響などから、当日の東証プライムの出来高と売買代金は大きく膨らんだ経緯がある。28日も市場エネルギーの強さを占う日になると考えられ、権利落ち銘柄の株価動向に関心が向かうだろう。
物色面では配当落ち後も景気敏感・バリュー(割安)株の底堅さが見られるかに注目したい。ほか、米長期金利の上昇が一服していれば、週末には四半期末を迎えることもあり、リバーサル(物色の反転)の観点からグロース(成長)株の買い戻しが強まる可能性に期待したい。
■「ジャパンウィークス」、9月都区部消費者物価指数など
来週は25日に金融庁が海外投資家を招待する「ジャパンウィークス」がスタート(-10月6日)、27日に日銀金融政策決定会合議事要旨(7月27-28日開催)、28日は9月末配当・株主優待権利落ち日、29日は9月都区部消費者物価指数、8月失業率・有効求人倍率、8月鉱工業生産などが予定されている。海外では、27日に米8月耐久財受注、28日に米4-6月期GDP確定値、29日に米8月個人消費支出(PCE)コアデフレーター、中秋節・国慶節で上海取引所が10月6日までの休場が予定されている。
<FA>
今週の日経平均は週間で1130.68円安(-3.4%)の32402.41円と反落。3連休明けの週初は、台湾積体電路製造(TSMC)が取引先に対して納入延期を要請したとの先週末の報道の影響で半導体関連株を中心に下げ幅を広げ、日経平均は反落して始まった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前にした持ち高調整や想定以上にタカ派となったFOMCの結果を受け、その後も日経平均は下落が続き、週末にかけて4日続落した。一方、22日の昼頃に政策の現状維持を決定した日銀金融政策決定会合の内容が伝わると、為替の円安に伴って買い戻され、日経平均は一時前日終値近くまで下げ幅を縮めた。ただ、引け後の植田総裁の会見を見極めたいとの思惑から買い戻しが一服すると再び軟化した。
■短期リバウンドと権利落ち、海外投資家動向に注目
注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場の大方の予想通りに政策金利が2会合ぶりに据え置かれた。しかし、年内の追加利上げの可能性が除外されなかったことに加え、政策金利見通し(ドットチャート)が示す2024年末の政策金利中央値が5.1%と前回6月時点の4.6%から切り上がった。今週末には上昇が一服したとはいえ、米10年債利回りが2007年以来の高値圏で推移するなか、当面は金利動向に神経質な展開が続きそうだ。
一方、22日大引け後の植田和男日銀総裁の記者会見では、「粘り強く金融緩和を続ける必要がある。実現が見通せる状況になれば政策の修正を検討することになるが、現時点では経済物価をめぐる不確実性はきわめて高く、政策修正の時期や具体的な対応について到底決め打ちはできない」との見方が示され、従来の姿勢が踏襲された。マイナス金利政策の解除などに関して踏み込んだ発言がなかったことで目先はあく抜け感による買い戻しが期待できそうだ。
また、25日には物価高対策や賃上げ、半導体分野への投資促進などを軸とした経済対策の柱を岸田文雄首相が表明する方向であることが、22日の大引け後に報じられている。その内容も注目され、下落が続いている半導体製造装置関連などの材料として働くかが期待される。
日経平均は22日までの4日続落で合計1100円超も下落しており、来週は短期的なリバウンドも見込まれる。また、岸田文雄首相が訪問先の米国で22日、ニューヨーク連銀の「ニューヨーク経済クラブ」主催のセミナーに日本の首相として初めての講演者として招かれ、「資産運用特区」の創設など海外投資家の参入促進に向けた講演を行ったことが伝えられている。25日からは海外投資家を日本に招待する金融庁主催の「ジャパンウィークス」も開催される予定で、海外投資家の買いが膨らむことに期待したい。
28日には9月末配当・株主優待の権利落ち日を迎える。配当落ち額は日経平均で225円、東証株価指数(TOPIX)で20ポイント程度との試算がある。他方、指数連動型のパッシブファンドによる配当再投資に伴う先物買い需要は日経平均先物で1500億円強、TOPIX 先物では約9000億強と見込まれている。東京証券取引所が3月末に、株価純資産倍率(PBR)が低迷する上場企業に対して、改善策を開示・実行するよう要請したことを受けて、上場企業は積極的な株主還元姿勢を示し始めている。まずは、28日にTOPIXが配当落ち分を埋めることができるかどうかが、相場の強弱感を図る上での試金石となりそうだ。一方、日経平均は構成銘柄の入れ替えに伴い、全体では超過の売り需要が発生する見込みで、日経平均はTOPIX対比で上値の重さが意識されやすいと考えられる。
■株式分割権利落ち、バリューの持続性やグロースの反転に注目
28日は株式分割の権利落ちもラッシュとなる。株式分割1対5ではJR東海<9022>、1対4ではアドバンテスト<6857>、デンソー<6902>、ローム<6963>、1対3では村田製作所<6981>、ホンダ<7267>など、日経平均寄与度の大きい値がさ半導体や主力株に株式分割の権利落ちが多いことが特徴だ。6月29日には1対25の株式分割の権利落ちとなったNTT<9432>の影響などから、当日の東証プライムの出来高と売買代金は大きく膨らんだ経緯がある。28日も市場エネルギーの強さを占う日になると考えられ、権利落ち銘柄の株価動向に関心が向かうだろう。
物色面では配当落ち後も景気敏感・バリュー(割安)株の底堅さが見られるかに注目したい。ほか、米長期金利の上昇が一服していれば、週末には四半期末を迎えることもあり、リバーサル(物色の反転)の観点からグロース(成長)株の買い戻しが強まる可能性に期待したい。
■「ジャパンウィークス」、9月都区部消費者物価指数など
来週は25日に金融庁が海外投資家を招待する「ジャパンウィークス」がスタート(-10月6日)、27日に日銀金融政策決定会合議事要旨(7月27-28日開催)、28日は9月末配当・株主優待権利落ち日、29日は9月都区部消費者物価指数、8月失業率・有効求人倍率、8月鉱工業生産などが予定されている。海外では、27日に米8月耐久財受注、28日に米4-6月期GDP確定値、29日に米8月個人消費支出(PCE)コアデフレーター、中秋節・国慶節で上海取引所が10月6日までの休場が予定されている。
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