後場の投資戦略
前週に続いて売り手優位の状況続く
配信日時:2023/07/10 12:26
配信元:FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;32173.88;-214.54TOPIX;2244.03;-10.87
[後場の投資戦略]
シカゴ日経225先物清算値は、大阪比35円高の32465円。本日の日経平均はわずかに上昇して始まったものの、その後は即座にマイナスに転じ、再びプラス圏に浮上するやや方向感に欠ける展開に。引けにかけてはパッシブ型ETFの決算に伴う分配金捻出のための売り需要が見込まれるなか、積極的な売買は手控えられやすいとの指摘も聞かれている。
新興市場も軟調な展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は下落スタート後、下げ幅を縮小する動きを見せるも軟調推移を継続。米雇用統計の結果を受けて国内の個人投資家心理はややネガティブに反応。また、米長期金利は引き続き4%台で推移しており、バリュエーション面での割高感が意識されやすい新興株を手掛けにくい地合いが続いている。前引け時点での東証マザーズ指数は0.24%安、東証グロース市場Core指数は1.03%安。
さて、前週末7日には6月米雇用統計が発表された。非農業部門雇用者数が20万9000人と市場予想(23万人)を下回った一方で、平均時給については前年同月比4.4%増
(予想4.2%増)となり、3カ月連続で前月比0.4%増(予想0.3%増)となった。失業率は前月比0.1pt減の3.6%となり、ADP雇用リポートや新規失業保険申請件数などと合わせても、米労働市場は依然として逼迫している状況が確認された。前週の一連の雇用指標の結果を受けて金融引き締めが長期化する懸念が高まっている。
今週も注目材料が目白押しとなる。12日に米6月消費者物価指数(CPI)、13日には米6月卸売物価指数(PPI)が発表される。CPIは、ガソリン小売価格の下落が主に影響して前年同月比3.1%上昇と2021年3月以降で最も低い伸びが予想されている。ただ、食品・エネルギーを除いたコア指数では同5.0%上昇する予想で、予想を上振れる結果となった場合は25・26日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げ再開が濃厚となる。また、今週は米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁とFRBのウォラー理事、クリーブランド連銀のメスター総裁、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁が発言を予定している。12日には地区連銀経済報告(ベージュブック)も公表されるため、インフレ指標の結果を含めて注目する必要がある。
そのほか、日本取引所グループが前週6日に発表した投資部門別売買動向によると、海外投資家は6月第4週(26~30日)に現物株を3041億円買い越したことが明らかになった。一方、個人投資家は現物株を2週間ぶりに売り越し、6月第4週の売り越し額は1027億円だった。海外勢の買いの勢いは足元でやや鈍りつつあるが、7月に入ってからの日経平均株価は下落基調にある。7月以降の海外投資家の動向には引き続き注目が集まりそうで、投資部門別売買動向は欠かさずチェックしていきたい。
さて、後場の日経平均はマイナス圏での推移が続くか。今週に重要指標の発表やFRB高官の発言が控えているほか、その先には主要企業の4-6月期決算も控えている。前週に続いて、ハイテク株や景気敏感株といった東証プライム主力株への投資は様子見ムードが台頭しそうで、ディフェンシブセクターや出遅れ感がある中小型株などに注目が集まりそうだ。新興株にも幕間つなぎの物色が向かうか注目しておきたい。
(山本泰三)
<AK>
日経平均;32173.88;-214.54TOPIX;2244.03;-10.87
[後場の投資戦略]
シカゴ日経225先物清算値は、大阪比35円高の32465円。本日の日経平均はわずかに上昇して始まったものの、その後は即座にマイナスに転じ、再びプラス圏に浮上するやや方向感に欠ける展開に。引けにかけてはパッシブ型ETFの決算に伴う分配金捻出のための売り需要が見込まれるなか、積極的な売買は手控えられやすいとの指摘も聞かれている。
新興市場も軟調な展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は下落スタート後、下げ幅を縮小する動きを見せるも軟調推移を継続。米雇用統計の結果を受けて国内の個人投資家心理はややネガティブに反応。また、米長期金利は引き続き4%台で推移しており、バリュエーション面での割高感が意識されやすい新興株を手掛けにくい地合いが続いている。前引け時点での東証マザーズ指数は0.24%安、東証グロース市場Core指数は1.03%安。
さて、前週末7日には6月米雇用統計が発表された。非農業部門雇用者数が20万9000人と市場予想(23万人)を下回った一方で、平均時給については前年同月比4.4%増
(予想4.2%増)となり、3カ月連続で前月比0.4%増(予想0.3%増)となった。失業率は前月比0.1pt減の3.6%となり、ADP雇用リポートや新規失業保険申請件数などと合わせても、米労働市場は依然として逼迫している状況が確認された。前週の一連の雇用指標の結果を受けて金融引き締めが長期化する懸念が高まっている。
今週も注目材料が目白押しとなる。12日に米6月消費者物価指数(CPI)、13日には米6月卸売物価指数(PPI)が発表される。CPIは、ガソリン小売価格の下落が主に影響して前年同月比3.1%上昇と2021年3月以降で最も低い伸びが予想されている。ただ、食品・エネルギーを除いたコア指数では同5.0%上昇する予想で、予想を上振れる結果となった場合は25・26日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げ再開が濃厚となる。また、今週は米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁とFRBのウォラー理事、クリーブランド連銀のメスター総裁、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁が発言を予定している。12日には地区連銀経済報告(ベージュブック)も公表されるため、インフレ指標の結果を含めて注目する必要がある。
そのほか、日本取引所グループが前週6日に発表した投資部門別売買動向によると、海外投資家は6月第4週(26~30日)に現物株を3041億円買い越したことが明らかになった。一方、個人投資家は現物株を2週間ぶりに売り越し、6月第4週の売り越し額は1027億円だった。海外勢の買いの勢いは足元でやや鈍りつつあるが、7月に入ってからの日経平均株価は下落基調にある。7月以降の海外投資家の動向には引き続き注目が集まりそうで、投資部門別売買動向は欠かさずチェックしていきたい。
さて、後場の日経平均はマイナス圏での推移が続くか。今週に重要指標の発表やFRB高官の発言が控えているほか、その先には主要企業の4-6月期決算も控えている。前週に続いて、ハイテク株や景気敏感株といった東証プライム主力株への投資は様子見ムードが台頭しそうで、ディフェンシブセクターや出遅れ感がある中小型株などに注目が集まりそうだ。新興株にも幕間つなぎの物色が向かうか注目しておきたい。
(山本泰三)
<AK>
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