後場の投資戦略
買い優勢も注目イベント控えて上げ幅限定的
配信日時:2023/06/12 12:22
配信元:FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;32485.56;+220.39TOPIX;2239.85;+15.53
[後場の投資戦略]
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買いが先行して取引を開始。ただ、今週は米国および欧州、日本の各国中央銀行による金融政策決定会合が開催されるほか、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見、米5月消費者物価指数(CPI)など重要な経済指標の発表を控えていることもあり、徐々にこう着感が強まるとの指摘も市場からは聞かれている。
新興市場も堅調な展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇スタート後、上げ幅を大きく広げている。前週末の米国市場が堅調に推移したことは国内の投資家心理にもポジティブに働いており、主要イベントを控えて主力大型株を手掛けづらいことから幕間つなぎ的な物色が出遅れ感の強い新興株に向かっている可能性がある。前引け時点での東証マザーズ指数は3.01%高、東証グロース市場Core指数は3.78%高で日経平均株価よりも上げ幅は大きい。
さて、今週は注目イベントが目白押しとなっている。13-14日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、同日には米5月CPI、14日に米5月卸売物価指数(PPI)、パウエルFRB議長の会見が予定されている。15日-16日には日銀金融政策決定会合が開催され、欧州中央銀行(ECB)定例理事会の開催、米5月小売売上高・鉱工業生産、米6月フィラデルフィア連銀景況指数の発表、16日には植田日銀総裁の会見、米6月ミシガン大学消費者信頼感指数の発表を控えている。これらのイベントを無難に消化できるか注目が集まっている。
総合CPIは前年同月比4.2%上昇(前回4.9%上昇)、前月比0.3%上昇(同0.4%上昇)と伸び減速が見込まれている。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比5.2%上昇と2021年11月以来の小幅な伸びの予想。前月比では0.4%上昇と予想されており、仮に6カ月連続で0.4%かそれ以上の伸びを示すことになると、政策金利が長期にわたり高い水準にとどまる可能性がある。ただ、インフレが徐々に鈍化していることに変わりはなく、FRBに利上げを休止する余地を与えている。
実際に、6月13-14日に開かれるFOMCでは政策金利5-5.25%のレンジに据え置くと予想されている。CMEのFedウォッチツールでは、利上げ停止は27%で利上げ停止確率は73%に及んでいる。ただ、一部当局者らはインフレが十分速いペースで鈍化していないと懸念している。また、当局にとって主要な問題は銀行セクターの緊張で、ウォラー理事は「信用状況に大きな影響はまだもたらしていないが、そうした影響が景気に表れるのには時間がかかる可能性がある。」との見解を示している。今回、同会合については従来より警戒感が広まっていない印象がある。仮に、米CPIなど含めてサプライズ的な発表があると大きなインパクトを与える影響がある点は頭の片隅に置いておきたい。
そのほか、東証の投資部門別売買状況では、引き続き海外投資家の買い越しが継続する一方で、年金基金の売買動向を反映するとされる信託銀行の売り越しが続いている。背景としては、変わらず東証によるPBR改善要請や米著名投資家バフェット氏の追加投資表明、新日銀体制下での追加緩和継続などが挙げられている。ただ、前週と変わって5月4週目から個人の信用による売り越しが縮小して、最新週では買い越しに転じている。今後も海外投資家及び個人投資家の動向は随時確認しておきたい。さて、後場の日経平均は、プラス圏でこう着感の強い展開が続くか。引き続き幕間つなぎの物色が新興株に向かうか注目しておきたい。
(山本泰三)
<AK>
日経平均;32485.56;+220.39TOPIX;2239.85;+15.53
[後場の投資戦略]
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買いが先行して取引を開始。ただ、今週は米国および欧州、日本の各国中央銀行による金融政策決定会合が開催されるほか、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見、米5月消費者物価指数(CPI)など重要な経済指標の発表を控えていることもあり、徐々にこう着感が強まるとの指摘も市場からは聞かれている。
新興市場も堅調な展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇スタート後、上げ幅を大きく広げている。前週末の米国市場が堅調に推移したことは国内の投資家心理にもポジティブに働いており、主要イベントを控えて主力大型株を手掛けづらいことから幕間つなぎ的な物色が出遅れ感の強い新興株に向かっている可能性がある。前引け時点での東証マザーズ指数は3.01%高、東証グロース市場Core指数は3.78%高で日経平均株価よりも上げ幅は大きい。
さて、今週は注目イベントが目白押しとなっている。13-14日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、同日には米5月CPI、14日に米5月卸売物価指数(PPI)、パウエルFRB議長の会見が予定されている。15日-16日には日銀金融政策決定会合が開催され、欧州中央銀行(ECB)定例理事会の開催、米5月小売売上高・鉱工業生産、米6月フィラデルフィア連銀景況指数の発表、16日には植田日銀総裁の会見、米6月ミシガン大学消費者信頼感指数の発表を控えている。これらのイベントを無難に消化できるか注目が集まっている。
総合CPIは前年同月比4.2%上昇(前回4.9%上昇)、前月比0.3%上昇(同0.4%上昇)と伸び減速が見込まれている。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比5.2%上昇と2021年11月以来の小幅な伸びの予想。前月比では0.4%上昇と予想されており、仮に6カ月連続で0.4%かそれ以上の伸びを示すことになると、政策金利が長期にわたり高い水準にとどまる可能性がある。ただ、インフレが徐々に鈍化していることに変わりはなく、FRBに利上げを休止する余地を与えている。
実際に、6月13-14日に開かれるFOMCでは政策金利5-5.25%のレンジに据え置くと予想されている。CMEのFedウォッチツールでは、利上げ停止は27%で利上げ停止確率は73%に及んでいる。ただ、一部当局者らはインフレが十分速いペースで鈍化していないと懸念している。また、当局にとって主要な問題は銀行セクターの緊張で、ウォラー理事は「信用状況に大きな影響はまだもたらしていないが、そうした影響が景気に表れるのには時間がかかる可能性がある。」との見解を示している。今回、同会合については従来より警戒感が広まっていない印象がある。仮に、米CPIなど含めてサプライズ的な発表があると大きなインパクトを与える影響がある点は頭の片隅に置いておきたい。
そのほか、東証の投資部門別売買状況では、引き続き海外投資家の買い越しが継続する一方で、年金基金の売買動向を反映するとされる信託銀行の売り越しが続いている。背景としては、変わらず東証によるPBR改善要請や米著名投資家バフェット氏の追加投資表明、新日銀体制下での追加緩和継続などが挙げられている。ただ、前週と変わって5月4週目から個人の信用による売り越しが縮小して、最新週では買い越しに転じている。今後も海外投資家及び個人投資家の動向は随時確認しておきたい。さて、後場の日経平均は、プラス圏でこう着感の強い展開が続くか。引き続き幕間つなぎの物色が新興株に向かうか注目しておきたい。
(山本泰三)
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