後場の投資戦略
踏み上げの様相強める日本株
配信日時:2023/03/09 12:12
配信元:FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;28604.56;+160.37TOPIX;2070.43;+19.22
[後場の投資戦略]
前日の米株式市場はまちまちで全体的には動意薄の展開。一方、前日の東京時間との比較で為替の円安は進行していないが、東京市場は本日も上昇、日経平均は心理的な節目の28500円を軽々と超え、一時28700円を超える場面もあった。
先週末からのこうした想定以上に強い東京市場の動きについて、前日までは明日に控える3月限先物・オプション取引に係る特別清算指数算出(メジャーSQ)に絡んだ海外短期筋の買い戻しが主因と考えていた。しかし、メジャーSQの前日時点でも強い基調が続いているあたり、どうも背景はそれだけではないようだ。
考えられる要因としては、個人投資家の踏み上げなどが挙げられる。一昨日に発表された3月3日時点の信用取引状況をみると、日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(ETF)<1570>の売り残が前週から大きく増加している。また、日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>では買い残が急増しており、信用倍率は前週の9.5倍から13.7倍までに拡大した。逆張りで臨んでいた個人投資家を中心とした売り方が、足元の想定以上に強い日経平均の動きを受けて、損失覚悟の買い戻しを迫られていると考えられる。
一方、米国株は上値の重い展開が続いている。前日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の下院での2日目の証言は、一昨日の上院での証言とほとんど変化はなかったが、3月21-22日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)については「何も決定していない」とした。明日の米2月雇用統計、来週の米2月消費者物価指数(CPI)次第で利上げ幅は0.25ポイント、0.50ポイントのどちらもあり得る状況といえる。
ただ、前日に発表された米労働省による1月求人件数(JOLTS)とADPによる民間雇用者数はともに市場予想を上回り、労働市場の需給逼迫が依然として続いていることを示唆。明日の米雇用統計に対する警戒感を高めている。
また、来週の米CPIについても、やや気掛かりなデータが出てきている。世界最大の中古車再販業者であるマンハイム・オークションズによると、2月の米中古車価格指数は前月比で4.3%上昇したという。さらに、米国のガソリン価格についても昨年12月半ば以降は上昇傾向が続いている。これまでCPIの鈍化に寄与してきた中古車価格とガソリン価格がともに上昇傾向にあることは今後の物価指標に対する警戒感を高めよう。
足元の日本株は需給主導で堅調な動きを見せている。今後も3月期末に向けた配当・優待権利取りの動きに加え、金融機関の決算対策目的の売り一巡、期末に向けた年金基金のリバランス売りの一巡、そしてパッシブファンドの配当金再投資などを背景に底堅さが続きそうだ。ただ、米国株が崩れた場合にはさすがに無風とまではいかないと考えられ、外部環境の動向については注視しておきたい。
(仲村幸浩)
<AK>
日経平均;28604.56;+160.37TOPIX;2070.43;+19.22
[後場の投資戦略]
前日の米株式市場はまちまちで全体的には動意薄の展開。一方、前日の東京時間との比較で為替の円安は進行していないが、東京市場は本日も上昇、日経平均は心理的な節目の28500円を軽々と超え、一時28700円を超える場面もあった。
先週末からのこうした想定以上に強い東京市場の動きについて、前日までは明日に控える3月限先物・オプション取引に係る特別清算指数算出(メジャーSQ)に絡んだ海外短期筋の買い戻しが主因と考えていた。しかし、メジャーSQの前日時点でも強い基調が続いているあたり、どうも背景はそれだけではないようだ。
考えられる要因としては、個人投資家の踏み上げなどが挙げられる。一昨日に発表された3月3日時点の信用取引状況をみると、日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(ETF)<1570>の売り残が前週から大きく増加している。また、日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>では買い残が急増しており、信用倍率は前週の9.5倍から13.7倍までに拡大した。逆張りで臨んでいた個人投資家を中心とした売り方が、足元の想定以上に強い日経平均の動きを受けて、損失覚悟の買い戻しを迫られていると考えられる。
一方、米国株は上値の重い展開が続いている。前日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の下院での2日目の証言は、一昨日の上院での証言とほとんど変化はなかったが、3月21-22日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)については「何も決定していない」とした。明日の米2月雇用統計、来週の米2月消費者物価指数(CPI)次第で利上げ幅は0.25ポイント、0.50ポイントのどちらもあり得る状況といえる。
ただ、前日に発表された米労働省による1月求人件数(JOLTS)とADPによる民間雇用者数はともに市場予想を上回り、労働市場の需給逼迫が依然として続いていることを示唆。明日の米雇用統計に対する警戒感を高めている。
また、来週の米CPIについても、やや気掛かりなデータが出てきている。世界最大の中古車再販業者であるマンハイム・オークションズによると、2月の米中古車価格指数は前月比で4.3%上昇したという。さらに、米国のガソリン価格についても昨年12月半ば以降は上昇傾向が続いている。これまでCPIの鈍化に寄与してきた中古車価格とガソリン価格がともに上昇傾向にあることは今後の物価指標に対する警戒感を高めよう。
足元の日本株は需給主導で堅調な動きを見せている。今後も3月期末に向けた配当・優待権利取りの動きに加え、金融機関の決算対策目的の売り一巡、期末に向けた年金基金のリバランス売りの一巡、そしてパッシブファンドの配当金再投資などを背景に底堅さが続きそうだ。ただ、米国株が崩れた場合にはさすがに無風とまではいかないと考えられ、外部環境の動向については注視しておきたい。
(仲村幸浩)
<AK>
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