日銀の現状維持で円安・株高・債券高、5年物共通担保オペも発表
[東京 18日 ロイター] - 日銀は17―18日に開いた金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定し、金融市場は円安・株高・債券高(金利低下)方向に動いている。昨年12月に続く追加政策修正の予想もあっただけに、大きな反応となった。日銀が決定した共通担保オペの拡充は金利低下要因との指摘も出ている。
決定会合の結果を受け、ドル/円は128円付近から131円台に円安が進行。株式市場では輸出株などが買われ、日経平均株価は一時600円を超える上昇となった。国債先物中心限月3月限も1円を超える大幅高となり、新発10年国債利回り(長期金利)は0.360%と昨年12月26日以来の低水準を付けた。
三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト、市川雅浩氏は「想定内の結果ではあったものの、一部に変動幅再拡大の見方がくすぶっていたことから、株・金利・為替の中では、為替が一番大きく円安で反応している」と指摘。その上で「今後は基本的に金融緩和修正方向との見方が多く、ここからどんどん円安が進む展開ではない」との見方を示した。
日銀は今回の会合で、共通担保オペの拡充を決定。貸付期間は金利入札方式、固定金利方式ともに、金融市場の情勢などを勘案して貸し付けのつど決定する10年以内の期間に一本化する。固定金利入札方式の貸付利率は、年限ごとの国債市場の実勢を踏まえ「金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促す観点から、貸し付けのつど決定する利率」とした。
日銀は18日午後、貸付期間5年の共通担保オペを1月23日にオファーすると発表した。
JPモルガン証券の債券調査部長、山脇貴史氏は「金利上昇が目立っていた5年物のスワップ金利の低下を促すとともに、日本国債にも間接的な金利低下効果が期待できるだろう。社債発行環境も改善するのではないか」との見方を示している。