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NY市場サマリー(17日)ドル下落、長期債利回り上昇 ダウ反落

配信日時:2023/01/18 07:22 配信元:REUTERS

[17日 ロイター] -

<為替> 不安定な取引の中、ドルが主要通貨に対して下落した。18日まで開催される日銀の政策決定会合で、金融引き締めの前段階となり得る政策転換が行われるとの観測が重しとなった。

この期待により、6日以降、円はドルに対して5%近く急騰している。

市場の関心は依然として日銀政策決定会合にあり、日銀がイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)政策を変更または終了するのではないかという観測が広がっている。

FXコンサルティング会社クラリティーFX(サンフランシスコ)のエグゼクティブディレクター、アモ・サホタ氏は「市場は、日銀がこうした見方に乗るかどうか、息を飲んで見守っている。もしそうなればドル/円は126円に向かう」と語った。

午後の取引でドル/円は0.2%下落し128.24円となった。

対スイスフランでは、ドルは0.5%下落し0.9220フランとなった。

豪ドル、ニュージーランド(NZ)ドルは上昇。それぞれ0.5%、0.8%上昇し、1豪ドル=0.6991米ドル、1NZドル=0.6433米ドルとなった。

ユーロ/ドルは0.3%下落の1.0793ドル。欧州中央銀行(ECB)当局者が利上げペースの減速を検討し始めていると、ブルームバーグが17日、複数のECB高官の情報として報じた。

ポンドは0.7%上昇し1.2278ドルとなった。英国の昨年9─11月の賃金が大きく上昇したことが材料となり、一時、1.2299ドルと5週間ぶり高値に急伸する場面があった。

ドル指数は0.1%高の102.35だった。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 不安定な地合いの中、長期債利回りが上昇した。日銀の金融政策決定会合待ちのほか、企業の社債発行が重しとなった。

日本の10年債利回りは17日、3日連続で日銀の長期金利の許容変動幅の上限を突破。日銀がイールドカーブ・コントロールを撤廃すれば、日本国債利回りが一段と上昇し、為替ヘッジを考慮すると米債よりも魅力的な投資先となる可能性があり、その結果、日本の投資家が米債を売却、または購入を手控える可能性が高まるという。

ジェフリーズ(ニューヨーク)のマネーマーケット・エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は「日銀は不確実要素だ。会合で重要な発表があるかもしれないとの憶測があるためだ」と述べた。

モルガン・スタンレーやバンク・オブ・アメリカなどが決算発表後に社債を発行したことも米債の重しとなった。

指標10年債利回りは2ベーシスポイント(bp)上昇の3.53%、2年債利回りは5bp低下の4.19%だった。

2・10年債の利回り格差はマイナス66bp。

ただ長期債利回りは序盤の上昇から上げ幅を縮小。ニューヨーク連銀が17日に発表した1月のニューヨーク州製造業業況指数がマイナス32.9に急低下したことを受けた。

さらにブルームバーグが、欧州中央銀行(ECB)当局者が利上げペースの減速を検討し始めていると報じたことで利回りはこの日の低水準を付けた。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> ダウ工業株30種平均が5営業日ぶりに反落した。市場予想を下回る決算を発表した金融大手ゴールドマン・サックスが大幅安となり、圧迫材料となった。一方、テスラの上げはナスダック指数を下支えした。

ゴールドマンは6.44%安となり、1日の下落率としては昨年1月以来の大きさとなった。

同社が発表した2022年第4・四半期決算は利益が69%減と、予想以上の落ち込みとなった。ディールメーキング低迷やウェルスマネジメント事業の低調が響いた。

保険大手トラベラーズも市場予想を下回る四半期利益予想を受けて4.60%安となった。

一方、テスラは7.43%上昇し、S&P総合500種とナスダック総合で上昇率が最も大きかった。

同社の中国の1月販売台数は増加した。テスラ株の上げを受けて、成長株も買われた。ただ、小型株やバリュー株は景気後退(リセッション)懸念で下落した。

米国上場の中国企業株は、中国の2022年国内総生産(GDP)統計を嫌気して売りが優勢となった。JDドットコム(京東商城)は5.72%、百度(バイドゥ)は6.02%、それぞれ下落した。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 4営業日ぶりに反落した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前営業日比11.80ドル(0.61%)安の1オンス=1909.09ドルとなった。前日はキング牧師生誕日のため休場だった。

金相場は前週末、清算値が8カ月ぶりに1900ドルの節目に乗せた。連休明けは短期的な視点から利益確定の売りが先行した。ただ、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペース減速観測が強まる中、金利を生まない資産である金を買う動きは根強く、相場の 下値は限定的だった。

キトコのアナリストは「強気筋の次の上値目標は1950ドルにある強力な上値抵抗線を超えて取引を終えることだ」と指摘。ゴールドマン・サックスは金相場は23年中に1950ドル前後で推移すると予想した。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 8営業日続伸。リスク回避ムードの広がりを受けて利食い売りが台頭したものの、終盤にまとまった買いが入った。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値(終値に相当)は、前営業日の13日比0.32ドル(0.40%)高の1バレル=80.18ドル。3月物は0.34ドル高の80.45ドルだった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 128.13/128.14

始値 128.70

高値 128.79

安値 128.00

ユーロ/ドル NY終値 1.0788/1.0789

始値 1.0831

高値 1.0869

安値 1.0776

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 106*03.50 3.6614%

前営業日終値 106*27.00 3.6230%

10年債(指標銘柄) 17時05分 104*23.50 3.5494%

前営業日終値 105*02.00 3.5110%

5年債(指標銘柄) 17時05分 101*04.75 3.6192%

前営業日終値 101*05.50 3.6140%

2年債(指標銘柄) 17時05分 100*02.63 4.2047%

前営業日終値 100*00.50 4.2410%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 33910.85 -391.76 -1.14

前営業日終値 34302.61

ナスダック総合 11095.11 +15.96 +0.14

前営業日終値 11079.16

S&P総合500種 3990.97 -8.12 -0.20

前営業日終値 3999.09

COMEX金 2月限 1909.9 ‐11.8

前営業日終値 1921.7

COMEX銀 3月限 2406.8 ‐30.4

前営業日終値 2437.2

北海ブレント 3月限 85.92 +1.46

前営業日終値 84.46

米WTI先物 2月限 80.18 +0.32

前営業日終値 79.86

CRB商品指数 277.2200 +1.3079

前営業日終値 275.9121

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