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NY市場サマリー(12日)株式小幅続伸、ドル下落、利回り低下

配信日時:2023/01/13 07:23 配信元:REUTERS

[12日 ロイター] -

<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで約9カ月ぶりの安値に沈んだ。米インフレ鈍化を示す経済指標を受け、米連邦準備理事会(FRB)が今後、利上げに対する積極姿勢を緩めるとの見方が広がった。

ドル安とともに日本円が急伸し6カ月超ぶりの高値を付けた。日銀が17─18日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策に伴う副作用を点検するとの報道を受けた。

米労働省が12日発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年同月比6.5%上昇した。伸びは11月の7.1%から鈍化し、2021年10月以降で最小となった。前月比では0.1%下落と、予想の横ばいに反し下げに転じた。下落は20年5月以来2年半超ぶりで、3カ月連続で市場予想を下回った。

BMOキャピタル・マーケッツ(トロント)のシニアエコノミスト、サル・グアティエリ氏は「3カ月にわたり比較的軽度なコアインフレが続き、トレンドを形成し始めている。これが2月1日に引き締めペースを一段と鈍化させるようFRBに拍車をかける可能性がある」と述べた。

FRB当局者は12日、物価上昇圧力が緩和され、利上げペースが鈍化する可能性が高まったことに安心感を示した一方、ターミナルレート(政策金利の最終到達点)はなお5%を上回り、当面は同水準にとどまるとの見解を維持した。

<債券> 米金融・債券市場では、荒い値動きの中、10年債と30年債の利回りが約4週間ぶり低水準まで低下した。昨年12月の消費者物価指数が前月比で2年半超ぶりに下落したことを受け、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの観測が高まった。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス68.5ベーシスポイント(bp)に反転幅が縮小した。投資家が利上げ回数の減少を織り込んでいることを示唆している。

米労働省が12日発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年同月比6.5%上昇と、伸びは2021年10月以降で最小となった。前月比では0.1%下落。下落は20年5月以来2年半超ぶりだった。

午後の取引では、米10年債利回りは12bp低下し3.436%となった。2年債利回りは9.2bp低下し4.136%。30年債利回りは12bp低下し3.562%だった。

この日財務省が実施した30年債入札は好調だった。最高落札利回り3.585%と、締め切り時の予想利回りを下回った。

<株式> 米国株式市場は主要株価指数が小幅続伸して取引を終えた。この日発表の昨年12月米消費者物価指数(CPI)は前月比で小幅に下落し、連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの期待が強まった。

労働省発表のCPIは前月比で0.1%下落と、2年半超ぶりにマイナスに転じた。インフレが持続的な低下軌道にあると市場の一部で受け止められた。

ホッジス・キャピタル・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ゲーリー・ブラッドショー氏は「大半の投資家はインフレが落ち着いたと理解している。これは前向きな動きで、企業決算もまずまずな内容になると私は期待している」と語った。

13日は第4・四半期決算発表シーズンの皮切りとなる米大手銀行の決算発表が複数控える。

個別銘柄ではマイクロソフトが1.2%値を上げS&P総合500種とナスダック総合の上昇寄与度トップとなった。S&P500の業種別ではエネルギーが原油高を受けて1.9%高と上昇率トップとなった。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米利上げ減速への観測が強まる中、続伸した。

米労働省が朝方発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.5%上昇と、伸び率は市場予想と一致。上昇率は6カ月連続で鈍化した。注目度の高かった変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数の伸びも予想と同水準。インフレ緩和の傾向が示されたことで、米連邦準備理事会(FRB)が2月初めに開く連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げ幅を前回の0.50%から0.25%に縮小するとの観測が拡大。金利を生まない資産である金の保有に伴う機会費用の損失への懸念が後退し、金の買いが活発化。対主要通貨でのドル下落もドル建てで取引される金の追い風となり、相場は一時1900ドル台に上昇した。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、エネルギー需要の改善見通しを支えに買いが優勢となり、6営業日続伸した。

市場の注目を集めた昨年12月の米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比伸び率が6カ月連続で鈍化。インフレがピークを越えたとの見方から、利上げ長期化への警戒感が緩み、相場は一時79ドル台に乗せた。中国が厳格な新型コロナウイルス感染対策を転換したことや、欧州連合(EU)がロシア産石油製品輸入について、海上輸送分に限り2月5日から禁止することも買い材料視された。

ドル/円 NY終値 129.22/129.25

始値 130.88

高値 130.88

安値 128.88

ユーロ/ドル NY終値 1.0846/1.0850

始値 1.0759

高値 1.0866

安値 1.0732

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 107*25.00 3.5736%

前営業日終値 105*24.00 3.6810%

17時05分 105*20.50 3.4437%

10年債(指標銘柄)

前営業日終値 104*22.00 3.5560%

5年債(指標銘柄) 17時05分 101*16.75 3.5374%

前営業日終値 100*29.50 3.6700%

2年債(指標銘柄) 17時05分 100*06.25 4.1447%

前営業日終値 100*01.25 4.2280%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 34189.97 +216.96 +0.64

前営業日終値 33973.01

ナスダック総合 11001.11 +69.43 +0.64

前営業日終値 10931.67

S&P総合500種 3983.17 +13.56 +0.34

前営業日終値 3969.61

COMEX金 2月限 1898.8 +19.9

前営業日終値 1878.9

COMEX銀 3月限 2400.4 +52.3

前営業日終値 2348.1

北海ブレント 3月限 84.03 +1.36

前営業日終値 82.67

米WTI先物 2月限 78.39 +0.98

前営業日終値 77.41

CRB商品指数 273.7682 +2.4962

前営業日終値 271.2720

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