全米国内便、運航停止解除もなお6000便以上が遅延
[ワシントン 11日 ロイター] - 米連邦航空局(FAA)は11日、夜間に生じたシステムの不具合により、米国内の全ての出発便に運航停止を命じたと発表した。その後、停止令は解除され、運航は徐々に再開しているという。
航空機の運航状況を追跡するウェブサイト「フライトアウェア」によると、6000便以上の米国内便に遅延が発生しており、約1000便が欠航となった。当局者は、運航停止からの回復に数時間要するとし、遅延便数などはなお増加している。
FAAはツイッターで、航空機の乗組員に安全情報を提供するシステムに不具合が発生したが、運航停止は解除され、「通常の航空交通オペレーションが米国内で徐々に再開されている」と指摘。「当初の問題の原因を引き続き調査している」とした。
米東部時間午前8時半前にニューアークとアトランタの空港で運航が再開されたという。
バイデン米大統領は運輸省に不具合を調査するよう命令。現時点では原因不明で、サイバー攻撃によるものかどうかも「分からない」とした。
これに先立ち、米ホワイトハウスのジャンピエール報道官はツイッターで、現時点ではサイバー攻撃の証拠はないと述べた。
ブティジェッジ運輸長官はCNNで、不具合について「より大きなシステムの問題を反映している」とし、午前7時の時点では「メッセージが発信されているかどうかの確認にまだ問題があった」と指摘。バックアップ機能で不具合を防げなかった理由を引き続き解明する必要があるとしたほか、運航停止はシステムが適切に稼働していることを間違いなく確認するための「正しい判断」だったとした。また、サイバー攻撃に関する証拠や兆候はないとした。
FAAは不具合が生じたシステムの復旧に取り組んでいるとした。
米航空各社の株価は11日の寄り付き前取引で下落したが、運航再開を受け大半が寄り後にプラス圏で推移。サウスウエスト航空は横ばいとなったが、デルタ航空、ユナイテッド航空、アメリカン航空は上昇。ジェットブルー航空とスピリット航空はそれぞれ約2%高となった。
S&P500航空株は昨年19%超安と3年連続で下落していたが、航空需要の回復に伴い今年に入り15.5%上昇している。