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世銀、最上位格付け手放す考えなし 途上国支援の増額要請で=総裁

配信日時:2023/01/11 12:45 配信元:REUTERS

[ワシントン 10日 ロイター] - 世界銀行のマルパス総裁は10日、同行として最上位の信用格付けを手放すことは考えていないと表明した。気候変動問題などに対応するための世銀の経営モデル変革を進める中で、最上級格付けが融資を増やす重要な手段になると訴えた。世銀の最新経済見通しについての記者会見で語った。

一部の非営利グループは世銀に対し、発展途上国支援のため大規模な資金を提供し、結果的に格下げになっても受け入れるよう要請している。発展途上国が再生エネルギー移行など気候変動問題に投資するのを世銀が手助けすべきだとの主張だ。世界的な感染症大流行への備えや食料安全保障といった火急の世界的な問題解決のための資金提供拡大も求めている。

これに対し、マルパス氏は「トリプルA格付けは世銀の財政安定に極めて重要であり、世銀の貸出先にとっても大きなメリットになる。われわれの低い貸し出しコストを通じてメリットが貸出先に及ぶ」と主張した。

米国などの出資者国からは気候変動対処への資金提供で世銀の役割を大きく拡大する要請がある。マルパス氏は世銀が今週に理事会とこの行程表を巡って協議していることについて、順調に進んでいると語った。

マルパス氏によると、世銀はバランスシートを広げる他の方法を探っており、未請求資本の活用や新しい形の貸し付け、増資や最貧国への拠出増額などを検討している。

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