午前の日経平均は続伸、一時300円高 米引き締めへの警戒和らぐ
[東京 11日 ロイター] - 11日午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比282円00銭高の2万6457円56銭と続伸した。前日の米国市場で、米引き締めへの過度な警戒感が和らいで株高となったことを受けて幅広い銘柄で買いが先行し、その後も上げ幅を拡大した。
日経平均は、高く寄り付いた後も上値を伸ばし、一時304円43銭高の2万6479円99銭に上昇した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演で金利政策への言及がなかったことへの安心感から米株高となっており、好感する動きが先行した。
主力株は総じて堅調で、指数寄与度の高いファーストリテイリングやソフトバンクグループのほか、東京エレクトロンなど半導体関連がしっかり。輸出関連株も底堅い動きとなった。
心理的節目2万6500円を視野に捉える場面もあったが、利益確定や戻り待ちの売りが上値を抑え、前引けにかけて伸び悩んだ。12日には米消費者物価指数(CPI)の発表が予定されるほか、米国では企業決算も控えており、警戒感もくすぶった。
市場では「CPIが多少強い数字の場合でも、ほかの経済指標は弱いためインフレの鈍化継続が見込まれて市場も過剰に反応しないのではないか。目先のポイントは企業決算になりそうだ」(水戸証券の酒井一チーフファンドマネジャー)との見方が出ている。悪い企業決算の場合、悪材料出尽くしとなるか、相場反応は読みにくいとの声も聞かれる。
TOPIXは1.04%高の1900.36ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は1兆2183億7400万円だった。東証33業種では、値上がりは精密機器や鉄鋼、電気機器など31業種で、値下がりは空運業やパルプ・紙、陸運業など2業種だった。
前日に決算を発表した安川電機が大幅高。日本製鉄は昨年来高値を更新した。ファナックも買われた。一方、第一三共や高島屋はさえない。 東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1546銘柄(84%)、値下がりは229銘柄(12%)、変わらずは60銘柄(3%)だった。