午前の日経平均は続伸、米利上げ長期化懸念和らぐ 半導体が堅調
[東京 10日 ロイター] - 10日午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比225円40銭高の2万6199円25銭と続伸した。雇用統計の発表を経て、米国の利上げ長期化への過度な警戒感が和らいだ。ただ、買い一巡後は伸び悩んだ。
日経平均は続伸でスタートした後、一時340円高の2万6316円66銭に上値を伸ばした。半導体関連や電子部品を中心に幅広く買われ、指数を押し上げた。前週末に発表された12月の米雇用統計では賃金の伸びが緩やかで、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め長期化懸念が和らいだ。
買い一巡後は上げ幅を縮めた。市場の関心は今週発表される12月米消費者物価指数(CPI)や米企業決算に向けられており、戻り待ちや利益確定の売りが上値を抑えた。
市場では「米利上げ長期化への過度な懸念の後退や金利低下への期待があるものの、景気懸念は根強い」(三木証券の北沢淳商品部投資情報グループ次長)との声が聞かれた。米供給管理協会(ISM)が6日発表した2022年12月の非製造業総合指数(NMI)は49.6と20年5月以来、2年7カ月ぶりに50を割り込んだ。
総務省が朝方公表した12月の東京都区部消費者物価指数(除く生鮮食品)は前年比4.0%上昇となり、11月と比べプラス幅が0.4ポイント拡大、1982年4月以来の高水準となった。「日銀による追加の政策修正への思惑から、輸出関連株の上値を重くした可能性がある」(北沢氏)という。
TOPIXは0.48%高の1884.80ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は1兆4598億4000万円。東証33業種では値上がりは鉄鋼や機械、非鉄金属など22業種、値下がりは電気・ガス業やパルプ・紙、銀行業など11業種だった。
個別では、傘下の英アームのロンドンでの新規株式公開(IPO)について思惑が浮上したソフトバンクグループがしっかり。米当局によるアルツハイマー薬の承認が伝わったエーザイは大幅高。きょう決算発表を予定する安川電機も堅調だった。一方、三菱UFJ FGが軟調。リクルートHLDGは大幅安となった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1163銘柄(63%)、値下がりは583銘柄(31%)、変わらずは91銘柄(4%)だった。