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ユーロ圏の賃金上昇、今後数四半期は「非常に力強い」=ECB

配信日時:2023/01/09 23:39 配信元:REUTERS

[フランクフルト 9日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は9日公表した経済報告(Economic Bulletin)で、今後数四半期にわたりユーロ圏全体で「非常に力強い」賃金上昇が見込まれるが、急速なインフレを考慮すると実質賃金は引き続き低下する可能性が高いとの見解を示した。

「今後数四半期の賃金の伸びは、過去のパターンと比べて非常に力強いと予想される」と指摘。「これまでのところ、経済の減速や全国的な最低賃金の上昇、賃金と高インフレ率との間のキャッチアップなどによる大きな影響を受けていない堅固な労働市場を反映している」とした。

一方で、予想される景気減速と先行き不透明感から、短期的には賃金上昇率に下方圧力がかかる可能性が高いと主張。インフレ率が名目賃金の堅調な上昇を上回るため、実質所得は低下し続けるとし、「消費者の実質賃金は、パンデミック(世界的大流行)前よりも大幅に低下しており、今後数カ月は一段と低下する可能性が高い。そのため、特に賃金の低い部門において、労働組合が今後の交渉で賃上げを要求する可能性がある」とした。

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