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賃上げはマスト、昇給ベア合わせ6%超めどに交渉=サントリーHD社長

配信日時:2023/01/05 17:57 配信元:REUTERS

[東京 5日 ロイター] - 経済同友会の次期代表幹事に内定している新浪剛史・サントリーホールディングス社長は5日、経済3団体の新年祝賀会で、「今までと違って賃上げはマスト」であり、企業の生き残りにつながるぐらいの重要な問題と語った。

新浪社長は、「インフレは今後も続く」との前提で経営を考えていく必要があると話し、昇給とベースアップを合わせて6%超をめどに組合と交渉する意向を示した。物価高の中で賃上げできない場合、社員が生活苦に陥ると説明。企業の間でも賃上げできるよう切磋琢磨が必要で、労働の流動性が起こる中、優秀な人材確保のためにも賃上げは必要との認識を示した。

23年の日本経済については、円安が落ち着く傾向もあるが、上期は中国のコロナ禍からの正常化は難しく、長期化するウクライナ情勢により、楽観できない状況が続くとの見方を示した。下期には中国の供給網の混乱が解消する一方で、日本ではインバウンド需要の回復がプラスになるとの考えを示した。

エネルギー価格の上昇や原料高で値上げせざるを得ない状況だが、新浪社長は「消費者からの理解を得るのは難しい」といい、商品の質的な向上と「面白さ」が必要と話す。消費者はプライベートブランドのような安価な商品を購入する向きとで2極分化しており、今まで通りの商品では購入してもらえない環境と説明した。ただし、賃上げが浸透してくれば、価格転嫁も受け入れられるようになるかもしれないとも述べた。

新浪氏は、桜田謙悟氏(SOMPOホールディングス会長兼CEO)の後任として4月の通常総会で経済同友会の代表幹事に就任する。

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