NY市場サマリー(30日)ドル今年7.9%高、米株反落 米債利回り上昇
[30日 ロイター] -
<為替> ドル指数が薄商いの中、約0.433%安の103.530となった。ただ、年初来の上昇率は7.9%と2015年以来7年ぶりの大きさとなった。米連邦準備理事会(FRB)による利上げと世界経済の急減速を巡る懸念が背景。
フォレックスライブのチーフ外為アナリスト、アダム・バトン氏は「2023年は弱い成長か頑強なインフレかという問題に誰もが頭を悩ませるだろう」と指摘。「弱い成長であればドルは下落するが、高インフレならドルは上昇する」とした。
ユーロ/ドルは0.34%高の1.0697ドル。年間では5.9%安となった。昨年は7%安だった。ユーロ圏の軟調な成長やウクライナ戦争、FRBのタカ派姿勢などが重しとなった。
コーペイのチーフマーケットストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「金利上昇と力強い経済成長がユーロ圏への資金流入を支えている。エネルギー価格が再び上昇したり、欧州中央銀行(ECB)のタカ派姿勢が弱まったりすれば、これらがリスクにさらされるだろう」と述べた。
ポンド/ドルは0.09%高の1.2063ドル。年間では10.8%安となった。
豪ドル/米ドルは0.41%高の0.681米ドル。年間では6.4%安だった。
中国のオフショア人民元は対ドルで0.73%安の6.9215ドル。年間では8.7%下落した。ドル高と国内経済の減速が重しとなった。
ドル/円は約1.63%安の130.860円。年間では13.7%上昇。円は2013年以降で最悪のパフォーマンスとなった。
スイスフランは対ドルで0.923フランと安定的に推移。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.26%安の1万6550ドル。2022年の下落率は64%超となった。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 指標10年債利回りが上昇した。年間では過去数十年間で最大の上げを記録。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ対策として利上げを実施したことを受けた。
10年債利回りは今年約238ベーシスポイント(bp)上昇。リフィニティブのデータによると、少なくとも1953年以降で最大の上げとなった。
グロバルト・インベストメンツ(ジョージア州)のシニア・ポートフォリオ・マネジャー、トーマス・マーティン氏は「労働力人口は依然として逼迫し、インフレ圧力もなお存在しているため、中銀はこれまでよりも高い金利水準を維持する必要がある」と述べた。
10年債利回りは4.4bp上昇の3.879%。一時3.905%と7週間ぶりの高水準を付けた。
30年債利回りは5.2bp上昇の3.975%。
2・10年債の利回り格差はマイナス55.3bp。
2年債利回りは6.1bp上昇の4.428%。年間では約370bp上昇し、1972年以降で最大の上昇となった。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.382%と前日の2.375%から上昇。10年物は2.302%だった。
30日の米債市場は午後2時までの短縮取引。1月2日は元旦の振替休日で休場となる。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 反落して2022年最終営業日の取引を終えた。インフレ抑制に向けた積極利上げや景気後退懸念、ロシアによるウクライナ侵攻、中国での新型コロナウイルス感染拡大に対する懸念の高まりなどを背景に、年間では08年の金融危機以来最大の下げ幅を記録した。年間で下落となるのは18年以来。
S&P総合500種は今年19.4%下落。時価総額で約8兆ドルが吹き飛んだ。ハイテク株比率の高いナスダック総合は33.1%、ダウ工業株30種は8.9%、それぞれ下落した。
CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストヴァール氏は「下落のマクロ的な主因は、20年から続くサプライチェーンの混乱、インフレ率の急上昇、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ開始の遅れなど、様々な出来事が重なったことだ」と述べた。
このほか、景気後退を示唆する経済指標やウクライナ戦争などの地政学的緊張、中国のコロナ感染者急増や台湾との関係悪化なども挙げた。
今年は金利上昇を嫌気してグロース(成長)株が下落し、バリュー株をアンダーパフォームした。
アップル、アルファベット、マイクロソフト、エヌビディア、アマゾン・ドット・コム、テスラは年間で28─66%下落した。
S&P500成長株指数は年間で約30.1%下落。バリュー指数は7.4%下落だった。
投資家はエネルギーなど安定した収益を上げる高配当利回りのセクターを選好した。S&Pエネルギーは原油価格の高騰により、年間59%という大幅上昇を記録した。
この日はS&P総合500種の主要11セクターのうち10セクターが下落した。不動産や公益事業が主導した。
市場の焦点は23年の企業業績見通しに移っており、景気後退の可能性を懸念する声が高まっている。一方、米国経済が底堅く推移すれば、インフレ圧力の緩和が利上げを抑制するとの期待は高まるものの、金利高止まり懸念に拍車をかけることになる。
米取引所の合算出来高は85億株。直近20営業日の平均は107億9000万株。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.50対1の比率で上回った。ナスダックでも1.03対1で値下がり銘柄数が多かった。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> クリスマスと年末のはざまで動意に乏しく、中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比0.20ドル(0.01%)高の1オンス=1826.20ドルと、ほぼ横ばいだった。年間では0.13%下落した。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 年末で市場参加者が少なくなる中、持ち高調整の売り買いが交錯した後、4営業日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物は前日清算値(終値に相当)比1.86ドル(2.37%)高の1バレル=80.26ドルだった。年間では6.71%上昇した。3月物は1.95ドル高の80.45ドル。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 131.11/131.14
始値 131.74
高値 132.33
安値 130.78
ユーロ/ドル NY終値 1.0702/1.0706
始値 1.0676
高値 1.0713
安値 1.0646
米東部時間
30年債(指標銘柄) 14時30分 100*14.00 3.9746%
前営業日終値 101*11.00 3.9230%
10年債(指標銘柄) 14時30分 102*00.00 3.8786%
前営業日終値 102*11.50 3.8350%
5年債(指標銘柄) 14時30分 99*14.00 4.0004%
前営業日終値 99*20.50 3.9550%
2年債(指標銘柄) 14時30分 99*21.25 4.4279%
前営業日終値 99*24.88 4.3670%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 33147.25 -73.55 -0.22
前営業日終値 33220.80
ナスダック総合 10466.48 -11.61 -0.11
前営業日終値 10478.09
S&P総合500種 3839.50 -9.78 -0.25
前営業日終値 3849.28
COMEX金 2月限 1826.2 +0.2
前営業日終値 1826.0
COMEX銀 3月限 2404.0 ‐21.0
前営業日終値 2425.0
北海ブレント 3月限 85.91 +2.45
前営業日終値 83.46
米WTI先物 2月限 80.26 +1.86
前営業日終値 78.40
CRB商品指数 277.7467 +1.7367
前営業日終値 276.0100