NY市場サマリー(29日)株反発、ドル下落 長期債利回り低下
[ 30日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。年末を控える中、中国の経済再開に対する楽観的な見方が後退したほか、米新規失業保険申請件数を消化した。
TIAAバンクのワールドマーケッツ部門社長、クリス・ガフニー氏は、2023年にとって重要なのは中国と世界経済に何が起きるのかだと指摘。「中国がこれまでのような劇的な減速から立ち直ることができれば、世界規模での全体的な成長の追い風となるが、一方で、エネルギー需要を高め、エネルギー価格の上昇につながる」と述べた。
前日に134.40円と1週間ぶりの高値を付けていたドル/円はこの日終盤で1.1%安の133.005円。
ドル/スイスフランも一時0.9208フランと3月31日以来の安値を付けた。終盤は0.71%安の0.922フラン。
スタンダード・チャータードのG10外為調査責任者、スティーブ・エングランダー氏は、ドル安は失業保険申請件数に反応した可能性があると指摘。「歴史的に継続受給件数がこのペースで増加する場合、景気後退の初期のシグナルになる」と述べた。ただ、年末を控え流動性が低下しているため、通常よりも経済指標に過度に反応しているかもしれないとした。
<債券> 米金融・債券市場では、指標10年債利回りが4日ぶりに低下した。新規失業保険申請件数の増加を受けた。
シンプリファイ・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー兼チーフストラテジスト、マイケル・グリーン氏は「継続受給件数の増加は失業保険を申請している人々がますます新しい仕事を見つけにくくなっていることを示唆している。今後、住宅セクターに関連するほぼ不可避の失業率の上昇が見え始めるかもしれない」と指摘。1年間にわたり労働市場の堅調さが伝えられてきたが、経済指標には軟調な兆しが見られるとした。
10年債利回りは4.7ベーシスポイント(bp)低下の3.839%。
30年債利回りは5.2bp低下の3.925%。
2・10年債の利回り格差はマイナス53.7bp。
<株式> 米国株式市場は薄商いの中、グロース(成長)株主導で主要株価指数が反発して取引を終えた。この日発表された米失業保険申請統計で、米連邦準備理事会(FRB)の利上げによって労働市場が軟化し始めている可能性が示された。
S&P総合500種の主要11セクターが軒並み上昇し、通信サービスや情報技術が特に好調だった。
グローバルト・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、キース・ブキャナン氏は「市場はこのところ強い売り圧力に押されていたが、一服した可能性がある」と述べた。
ここ数日下落していたアップル、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムはいずれも上昇した。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対ユーロでのドル安や米長期金利の低下などを手掛かり材料に買われ、反発した。
外国為替市場では、米雇用関連指標の発表を受けてドルが対ユーロで軟化。ドル建てで取引される金に割安感が生じ、買いが促された。米長期金利の指標とされる10年債利回りの低下も金利を生まない資産である金の投資妙味を相対的に高め、買い地合いを後押し。相場は清算値確定にかけジリ高となった。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中国での新型コロナウイルスの感染急拡大を受け各国が中国からの渡航者に対する水際対策を講じる中、エネルギー需要見通しへの懸念が強まり、3日続落した。
中国当局は26日、入国時の隔離措置を来年1月8日から撤廃すると発表。いったんは.一段の緩和により経済活動が活発となり、エネルギー需要が回復するとの楽観的な見方が広がった。しかし、同国国内で感染者数が急増していることから、米国や日本、インド、台湾など各国・地域が中国からの渡航者に対する水際対策を導入すると表明。これを受け、エネルギー消費大国である中国の石油需要減退への警戒感が高まり、原油相場は朝方から売りが先行した。
ドル/円 NY午後4時 133.02/133.03
始値 133.75
高値 133.79
安値 132.89
ユーロ/ドル NY午後4時 1.0666/1.0670
始値 1.0636
高値 1.0690
安値 1.0637
米東部時間
30年債(指標銘柄) 16時17分 101*16.00 3.9142%
前営業日終値 100*12.50 3.9770%
10年債(指標銘柄) 16時16分 102*13.00 3.8296%
前営業日終値 101*30.00 3.8860%
5年債(指標銘柄) 16時16分 99*21.25 3.9497%
前営業日終値 99*16.75 3.9820%
2年債(指標銘柄) 16時14分 99*24.88 4.3678%
前営業日終値 99*25.38 4.3590%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 33220.80 +345.09 +1.05
前営業日終値 32875.71
ナスダック総合 10478.09 +264.80 +2.59
前営業日終値 10213.29
S&P総合500種 3849.28 +66.06 +1.75
前営業日終値 3783.22
COMEX金 2月限 1826.0 +10.2
前営業日終値 1815.8
COMEX銀 3月限 2425.0 +41.0
前営業日終値 2384.0
北海ブレント 2月限 82.26 ‐1.00
前営業日終値 83.26
米WTI先物 2月限 78.40 ‐0.56
前営業日終値 78.96
CRB商品指数 276.0100 ‐1.3446
前営業日終値 277.3546