午後3時のドルは上昇134円付近、買い一巡後は伸び悩み
[東京 28日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(133.48/49円)から上昇し134.06/08円付近で推移している。実需の買いや日米金利差の拡大を背景に堅調に推移した。ただ、買い一巡後は伸び悩んだ。
ドルは仲値にかけては国内輸入企業の買いフローが入ったとみられ、じりじりと上昇。ユーロや豪ドルなどクロス円で円売り圧力が強まったこともドル/円を押し上げ、一時134.40円と20日以来1週間ぶりの高値を付けた。その後は利益確定や戻り売りに押され、上げ幅を縮小した。
みずほ銀行のチーフマーケットストラテジスト、鈴木健吾氏は「自律反発の域は出ていない。米金利が上昇基調となっていることと合わせて、ドルは緩やかに調整が進んでいる」と指摘。20日の高値(137.46円)と安値(130.58円)の半値戻しの134円台では徐々に上値が重くなりやすいとみる。
日中には、日銀が中長期債を対象とした臨時の国債買い入れオペのほか、長期債に加え中期債対象の指し値オペを通告。これを受けて、ドルは小幅な上下の動きにとどまった。
日銀が金融緩和姿勢を継続するとの見方から円売り圧力がかかりやすい一方、「足元のイールドカーブはゆがんでおり、日銀による是正の動きが強まれば、金融政策修正期待が高まる可能性がある」(国内銀)ことから、円買いにも振れやすいという。
今後のドル/円について三菱UFJ信託銀行の資金為替部マーケット営業課課長、沖本恭章氏は、短期的には上方向に向きやすいと指摘。「年末年始は国内勢が不在で流動性が薄くなる中、自律反発の動きからドルの上昇に勢いがかかりやすい。ただ、買いの材料も乏しいため、135円や137円付近が上値めどとして意識されそうだ」との見方を示した。
朝方公表された19―20日に開催分の日銀金融政策決定会合の議事要旨では、長期金利の変動幅拡大について、債券市場の機能度改善を通じて2%物価目標の実現に向けた現行の金融緩和をより持続可能にするための対応であり「金融緩和の方向性を変更するものではない」といった意見が委員から出ていた。
市場では特にサプライズないと受け止められ、影響は限定的だった。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 134.06/08 1.0644/48 142.71/75
午前9時現在 133.48/50 1.0635/39 141.97/01
NY午後5時 133.48/49 1.0638/42 142.00/04