NY市場サマリー(27日)S&Pとナスダック下落、ドル横ばい、利回り上昇
[27日 ロイター] - <為替> 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが横ばいとなった。中国国家衛生健康委員会は26日、入国時の隔離義務を来年1月8日に解除すると発表した。
同委はまた、新型コロナウイルス感染症の管理対策の分類について、現在の最も厳格な部類から1段階引き下げると発表。コロナの病原性が弱まり、徐々に一般的な呼吸器感染症に変化する見通しであるためとした。
オフショア人民元は対ドルで0.13%安の6.9653元。
バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「非常に狭いレンジでの取引が続いている。ドルがユーロや日本円に対して堅調に推移しているため、人民元に対しても一段高の可能性がある」と述べた。
OCBCの通貨ストラテジスト、クリストファー・ウォン氏は、中国当局が全面的な経済再開に踏み切ったとの見方が市場の追い風になると指摘。「中国本土で感染者数が急増しているにもかかわらず、コロナ規制の緩和ペースは衰えていないようだ」とした。
<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが上昇した。中国が新型コロナウイルス抑制に向けた厳しい規制を解除する中、市場では米連邦準備理事会(FRB)の金利の道筋を見極めようとする動きが続いている。
米10年債利回りはFRBが利上げサイクルの終了を示唆するとの観測の高まりを反映し、今月7日に約3カ月ぶりの低水準を付けたが、その後は着実に上昇。先週の週間ベースの上昇は、FRB、イングランド銀行(英中央銀行)、欧州中央銀行(ECB)政策発表を受け、8カ月半ぶりの大きさとなった。
市場では、FRBが景気後退(リセッション)入りを回避しながら、インフレに対応するためにどこまで利上げを行うのか見極めようとする動きが継続。アプタス・キャピタル・アドバイザーズ(アラバマ州フェアホープ)の債券アナリスト、ジョン・ルーク・タイナー氏は「短期的には、長期債はリセッション、短期債は基本的にFRBの動きをにらみ取引される。新たなデータが発表されるまでレンジから抜け出すのは難しい」と述べた。
終盤の取引で10年債利回りは10.4bp上昇の3.851%。一時は3.862%と、5週間ぶりの高水準を付けた。
2年債利回りは7.7bp上昇の4.400%。
<株式> 米国株式市場はS&P総合500種とナスダック総合が下落して取引を終えた。米国債利回りが上昇し、金利に敏感な大型株を圧迫した。
グロース(成長)株が売られてハイテク銘柄中心のナスダックが下落し、S&P500も連れ安。ダウ工業株30種はバリュー(割安)株への買いに支えられて小幅に上昇した。
カーソン・グループのチーフ市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「(米国債)利回り上昇が成長株の重しとなる一方、工業株や公益事業株、エネルギー株はアウトパフォームした」と述べた。
電気自動車(EV)大手テスラは11.4%急落し、S&Pとナスダックを押し下げた。1月に上海工場で減産を実施することが、ロイターが確認した社内スケジュールで分かった。同社株は年初来69%下落している。
米国債利回りの上昇が成長株を圧迫する状況は今年を通じて見られ、年初来の下落率は割安株が約7.5%なのに対し、成長株は30%を超えている。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、主要消費国である中国の防疫対策緩和の報を好感し、続伸した。
中国政府は26日、新型コロナウイルス対策として行っている入国時の隔離措置を来年1月8日から撤廃すると発表。防疫措置の一段の緩和によって経済活動が活発化し、インドと並ぶ金消費大国である同国の景気が上向くとの期待が高まった。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中国の需要拡大への期待感から一時約3週間ぶりの高値まで上昇。ただ、その後は米国での供給不安が後退して値を消し、ほぼ横ばいとなった。
中国当局は26日、入国時に義務付けてきたPCR検査や原則8日間の隔離措置を来年1月8日から撤廃すると発表。新型コロナウイルスの水際対策を大幅に緩和する動きを受け、エネルギー消費大国である中国の石油需要が上向くとの期待から買いが先行した。
ただ、非常に強い寒気を伴う冬の嵐「エリオット」の影響で操業を停止していたメキシコ湾岸の一部製油所が生産を再開したとの報を手掛かりに、供給が混乱するとの懸念が後退。相場はマイナスに転じた。
ドル/円 NY終値 133.48/133.49
始値 133.26
高値 133.59
安値 133.14
ユーロ/ドル NY終値 1.0638/1.0642
始値 1.0652
高値 1.0660
安値 1.0612
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 101*05.00 3.9337%
前営業日終値 103*05.00 3.8220%
17時05分 102*08.00 3.8487%
10年債(指標銘柄)
前営業日終値 103*03.00 3.7470%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*22.00 3.9449%
前営業日終値 100*02.00 3.8600%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*06.75 4.3827%
前営業日終値 100*10.25 4.3230%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 33241.56 +37.63 +0.11
前営業日終値 33203.93
ナスダック総合 10353.23 -144.64 -1.38
前営業日終値 10497.86
S&P総合500種 3829.25 -15.57 -0.40
前営業日終値 3844.82
COMEX金 2月限 1823.1 +18.9
前営業日終値 1804.2
COMEX銀 3月限 2421.7 +29.7
前営業日終値 2392.0
北海ブレント 2月限 84.33 +0.41
前営業日終値 83.92
米WTI先物 2月限 79.53 ‐0.03
前営業日終値 79.56
CRB商品指数 278.4680 +0.3612
前営業日終値 278.1068