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株価指数先物 【週間展望】 ―米決算に注目も金利動向に振られやすく、ボラティリティの高い状況に

配信日時:2022/10/16 17:00 配信元:MINKABU
「米決算に注目も金利動向に振られやすく、ボラティリティの高い状況に」  今週の日経225先物は、市場の関心が米国企業の決算に向かうものの、依然として各国金融当局の利上げ観測を受けて、長期金利の動向に振られやすい相場展開になりそうだ。14日の米国市場では朝方こそ、トラス英首相が法人減税の撤回を表明し、同国の財政懸念が和らいだことで買い戻しが継続する場面も見られた。しかし、10月のミシガン大消費者信頼感指数が59.8と前月(58.6)から上昇したほか、5年先のインフレ期待も2.9%と前月(2.7%)から上げた。これを受けて米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの観測から、長期金利が上昇。株式市場はほどなく下落に転じた。  また、シティグループ、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーなど金融大手が相次ぎ決算を発表し、JPモルガンは7-9月期の純金利収入が四半期ベースで過去最高となり、通年の見通しも上方修正して買われたものの、モルガン・スタンレーが低調な決算を受けて下落率が5%を超えるなどまちまちのなか、次第に戻り待ちの売りが強まった。前日に820ドルを超える上昇で3万ドルを回復したNYダウは、400ドルを超える下落で3万ドルをキープできなかった。  また、地政学的リスクの高まりも重荷となりそうだ。ウクライナ全土に対し、ロシア軍が大規模なミサイル攻撃を実施したが、今回の攻撃の特徴として、軍事施設よりも民間施設、発電所などのインフラ施設への攻撃が目立つ。ロシア軍がベラルーシ領内に入ったとも伝えられており、ロシア・ウクライナ間で軍事的緊張が一段と高まる恐れがある。リスク資産を圧縮する動きのほか、アルゴリズムの発動によるショートには注意する必要があろう。  14日のシカゴ日経平均先物は、日中大阪比425円安の2万6625円だった。日経225先物のナイトセッションは日中比480円安の2万6570円となり、週初はこれにサヤ寄せする格好で売りが先行することになろう。日経平均株価は10月のSQ値である2万6666円31銭を下回ってくる可能性が高く、センチメントを冷ますほか、ヘッジ対応の売りが入りやすい。また、日経225先物は25日移動平均線に上値を抑えられる形状から5日線水準まで下げているため、既に週末の大幅上昇の反動と目される水準まで下落した。踏ん張りを見せたいところだが、この水準を下回ってくるようだと、ボリンジャーバンドの-1σが位置する2万6290円辺りを試してくる可能性は想定しておきたい。  また、週足ベースではボリンジャーバンドの-2σ割れからのリバウンドを見せる一方で、9月下旬以降、52週線に上値を抑えられている。ナイトセッションでは-1σ(2万6760円)を下回ってきており、-2σが位置する2万6020円辺りへのトレンドに向かいやすい形状であることも意識しておきたい。そのため、2万7000円~2万7200円の水準では強弱感が対立しやすく、リバウンドを強めてきたとしても同水準を明確に上放れるまでは、戻り待ちのショート対応に向かわせよう。オプション権利行使価格の2万6500円を起点として、下は2万6000円~2万6500円、上は2万6500円~2万7000円のゾーン内でボラティリティの高い状況が見込まれる。  VIX指数は32.02に上昇した。切り上がる25日線を支持線としたトレンドを継続。14日は0.25%高と小幅反発であったため、株式市場の下落ほどセンチメントは悪化していないと考えられる。ただ、トレンドからは25日線が位置する30.00水準を下回ってくるまではリスク選好ムードは強まりづらいであろう。  先週のNT倍率は先物中心限月で14.29倍に上昇した。ファーストリテイリング <9983> [東証P]の決算評価によるインパクトが大きかったと見られ、週末の上昇で25日、75日線を突破してきた。週初はファーストリテイリングの反動が見込まれ、NT倍率は低下する可能性はあるものの、25日線が位置する14.24倍辺りでの底堅さが見られるようであれば、NTロングに向かわせやすい。半面、同線をサポートできないようであれば、NTショートによるスプレッド狙いとなりそうだ。  10月第1週(10月3日- 7日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では4週ぶりで買い越しており、買い越し額は5579億円(前週は2兆1587億円の売り越し)だった。なお、現物は4035億円の買い越し(同5644億円の売り越し)と8週ぶりの買い越しであり、先物は1543億円の買い越し(同1兆5943億円の売り越し)と4週ぶりに買い越している。個人は現物と先物の合算で6841億円の売り越しで、4週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で953億円の買い越しとなり、3週連続の買い越しだった。  経済スケジュールでは、17日に8月鉱工業生産確報値、米国10月ニューヨーク連銀製造業景気指数、18日に中国7-9月期 GDP、中国9月小売売上高、19日に米国9月住宅着工件数、米国地区連銀経済報告(ベージュブック)、20日に米国10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米国9月中古住宅販売件数、21日に9月全国消費者物価指数(CPI)などが予定されている。  なお、米国の決算発表では、17日のバンク・オブ・アメリカ、18日のゴールドマン・サックス・グループ、ネットフリックス、19日のテスラ、IBM、ラムリサーチ、プロクター・アンド・ギャンブルなどが注目されよう。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 01月限 日経225 28266.57  TOPIX  1988.69 02月限 日経225 27835.60  TOPIX  1965.67 03月限 日経225 25457.94  TOPIX  1808.03 04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02 05月限 日経225 25951.24  TOPIX  1838.12 06月限 日経225 28122.81  TOPIX  1955.38 07月限 日経225 26659.58  TOPIX  1890.16 08月限 日経225 28525.62  TOPIX  1963.05 09月限 日経225 28253.40  TOPIX  1957.76 10月限 日経225 26666.31  TOPIX  1885.58 ◆日経225先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/12 10月14日  26260  27180  25860  27050  +830 22/12 10月13日  26350  26480  26210  26220  -170 22/12 10月12日  26450  26620  26280  26390  -40 22/12 10月11日  27100  27180  26360  26430  -670 ◇TOPIX先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/12 10月14日  1850.0  1906.5  1825.5  1892.0  +46.5 22/12 10月13日  1863.0  1874.0  1845.5  1845.5  -20.0 22/12 10月12日  1871.0  1884.0  1862.5  1865.5  -5.5 22/12 10月11日  1906.5  1911.0  1866.0  1871.0  -34.5 ●シカゴ日経平均 円建て           清算値  前日比 10月14日(12月限)  26625  -425 10月13日(12月限)  26790  +570 10月12日(12月限)  26360  -30 10月11日(12月限)  26350  -80 10月10日(12月限)  26665  -435 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)         売り   前週末比   買い    前週末比 10月07日    4805億円 +1138億円  8889億円  -1461億円 09月30日    3666億円 +1211億円 1兆0350億円  -3778億円 09月22日    2454億円  +603億円 1兆4129億円  -41億円 09月16日    1851億円  -42億円 1兆4171億円  +115億円 09月09日    1893億円  -676億円 1億4056億円  +1795億円 09月02日    2569億円  -82億円 1兆2260億円  -1866億円 08月26日    2652億円  -69億円 1兆4126億円  -490億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数)         売り      前日比  買い       前日比 10月12日  1億3937万株   -716万株  3億0433万株   +670万株 10月11日  1億4653万株   +843万株  2億9763万株   -938万株 10月07日  1億3810万株   +1173万株  3億0701万株   -2784万株 10月06日  1億2637万株   +3193万株  3億3485万株   +734万株 10月05日    9443万株   -653万株  3億2751万株   -2324万株 10月04日  1億0096万株   -113万株  3億5075万株   -623万株 10月03日  1億0210万株   +426万株  3億5699万株   -1131万株 09月30日    9784万株   +3426万株  3億6830万株   -6688万株 09月29日    6357万株   -1093万株  4億3518万株   +1615万株 09月28日    7451万株   +432万株  4億1903万株   +4161万株 09月27日    7018万株   +407万株  3億7741万株   -5240万株 09月26日    6610万株   -482万株  4億2982万株   -6553万株 09月22日    7092万株   +2668万株  4億9535万株   -1167万株 09月21日    4424万株    -18万株  5億0703万株   -603万株 09月20日    4443万株    +6万株  5億1307万株   +918万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日  701億円 1月25日  701億円 2月14日  701億円 3月07日  701億円 4月07日  701億円 5月19日  701億円 6月13日  701億円 6月17日  701億円 株探ニュース

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