米FRBが0.75%利上げ、年内に一段の大幅利上げ示唆
[ワシントン 21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は20─21日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.75%ポイント引き上げ、3.00─3.25%とした。同時に発表された新たな金利見通しでは一段の大幅利上げを示唆。高インフレの抑制に向けて政策金利を年末までに4.40%に引き上げ、23年には4.60%でピークに達するとの見方が示された。
一方、経済見通しでは22年末で0.2%成長と鈍化を想定。23年には1.2%成長に回復するが、潜在成長率を大きく下回るとした。失業率は今年3.8%、23年4.4%に上昇すると予想。インフレ率は25年に目標の2%に緩やかに回帰すると見込んだ。
利下げは24年まで想定されていない。
今年末に予想されているFF金利の水準は、22年の残り2回のFOMCで合計1.25%ポイントの追加利上げが決定されることを示唆しており、これは0.75%ポイントの追加利上げが控えていることを意味する。
0.75%ポイントの利上げは今回で3回連続。FRBは声明で「インフレ率を目標の2%に回帰させることに強くコミットしている」とし、7月の前回声明と同じ「目標誘導レンジの継続的な引き上げが適切になると予想する」との文言を繰り返した。
また「最近の指標は、消費と生産が緩やかに増加していることを示している」とした。
FOMCの結果発表後、米国株は上昇幅を縮小し、ドル指数は20年ぶりの高値を更新。米債市場では2年債利回りが07年以来、10年債利回りが11年以来の高水準を付けた。
バンクレートのチーフ・ファイナンシャル・アナリスト、グレッグ・マクブライド氏は「FRBはインフレ認識、利上げ開始、国債買い入れの巻き戻し開始のいずれにも遅れを取った。それ以来、遅れを取り戻そうとし続けてきたが、まだ取り戻せていない」と述べた。