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欧州産業界、EUのエネルギー危機対策計画は不十分と警告

配信日時:2022/09/20 01:45 配信元:REUTERS

[ブリュッセル 16日 ロイター] - 欧州連合(EU)のエネルギー価格引き下げのための緊急対策について欧州産業界は十分ではないと警告し、ガス価格を抑えるために一段の取り組みをEUに要請した。

EUの行政執行機関である欧州委員会は14日、電気使用量の削減やエネルギー企業の超過利益税の導入を提案した。1400億ユーロ(1400億ドル)の歳入が見込まれ、EU加盟国が企業や家計への支援に振り向けられるとした。

アルミ産業の業界団体の欧州アルミニウムは声明で「これらの措置は十分ではなく、エネルギー集約型のアルミ産業にさらなる減産や雇用喪失、場合によっては完全な破綻から救うことはできない」と訴え、今月30日に開かれるEUエネルギー相会合で「追加措置」、特に電力コストの急上昇を招いている主因のガス価格の高騰に対応するよう要請した。

肥料メーカーで作る団体「ファーティライザーズ・ヨーロッパ」のハンセン事務局長は「欧州の肥料メーカーが生産を再開するには、競争力がある価格のガスの物理的な供給が必要だ」と指摘し、ガス市場に対する「一段の措置」を求めた。

同団体によると、欧州のアンモニア生産の約70%はガス価格の高騰で8月以来停止している。現在のアンモニア生産方法でガスは重要な成分となっている。

欧州鉄鋼連盟(EUROFER)はEUの計画は「手頃な価格のエネルギー供給を確保するには不十分」で、鉄鋼業界の減産や一時解雇を防げないとの見方を示した。

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