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株価指数先物 【週間展望】 ―いったんはFOMC通過後のアク抜けを想定した押し目狙いも入りやすいところ
配信日時:2022/09/19 17:00
配信元:MINKABU
「いったんはFOMC通過後のアク抜けを想定した押し目狙いも入りやすいところ」
今週の日経225先物は、祝日の影響で3営業日の立ち合いとなるほか、20~21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えているため、実質、FOMC通過後の22日に取引が集中することになりそうだ。16日の米国市場では、6-8月期決算が予想を下回ったことが嫌気されて、物流で高いシェアを持つフェデックスが21%を超える急落となるなか、世界経済の先行きや米企業業績の下振れへの懸念が強まった。この影響によりS&P500業種別指数では運輸が5%近く下落した。
先週の米国市場は、8月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回る伸びとなったほか、FOMC会合で政策金利が1.00%引き上げられるとの観測が浮上し、13日のNYダウは率・幅ともに今年最大の下げを記録した。また、利上げの長期化観測により金利の先高観が強まり、米長期金利は3カ月ぶりの高水準を付けた。この影響から日経225先物は調整を強め、直近のリバウンド分を帳消しにし、支持線として意識される75日移動平均線水準まで下げてきた。
まずは、75日線が支持線として機能するかを見極めたいところであり、同水準を明確にブレイクしてくるようだと、9月7日につけた2万7030円(ナイトセッションを含む)、およびボリンジャーバンドの-2σが位置する2万6970円辺りまでの調整を想定しておく必要があるだろう。特に、これまでテクニカル面ではボリンジャーバンドが機能しており、8月半ばのリバウンド局面では2万8990円まで上昇したものの+2σに頭を抑えられ、その後の2万7030円までの調整では-2σまで下げていた。先週は+1σまで上昇した後に大幅な下落となっていた。
FOMCを前に持ち高調整は大きく進捗したと見られるため、19日の米国市場が底堅い値動きを見せてくるようだと、FOMC通過後のアク抜けが意識されやすい。グローベックスの米株先物は現在、小動きで推移しているほか、シカゴ先物は小幅ながらプラス圏で推移しているなど、落ち着いた動きを見せている。FOMCでは1.00%の利上げ観測が浮上しているものの、コンセンサスは3会合連続での0.75%利上げである。楽観視は禁物だが、祝日前の16日のプライム市場の売買高は14億株に膨れており、ポジション調整は進んでいよう。そのため、基本スタンスとしては0.75%の利上げによって、いったんはアク抜けを想定した押し目狙いのロングも入りやすいところである。
なお、日本取引所グループは23日に株価指数先物など、デリバティブの祝日取引を始める。海外市場の大きな変動に伴う損失リスクを軽減する機会を増やすためであり、TOPIX先物、JPX日経インデックス400オプション、金標準先物、パラジウム先物などが対象。基本的に商いは膨らまないと考えられるものの、TOPIX先物へのヘッジ対応によって、NTスプレッドはイレギュラー的な動きとなる可能性は想定しておきたい。こうした動きも先行きに対する慎重姿勢を高める一因になると考えられ、ポジションは傾けづらいだろう。
16日のVIX指数は26.30と小幅ながら上昇した。8月下旬以降、27.50辺りに上値を抑えられているものの、直近の保ち合いレンジの上限水準に位置しているため、慎重さが窺える。足元では下値を切り上げていることもあり、VIX指数の抵抗線突破に伴うセンチメントの悪化には警戒を要する。煮詰まり感が意識されてきているなか、FOMCの結果を背景に大きくトレンドが出やすく、上下いずれかにバイアスを強めてきそうだ。
こうした状況のなか、積極的にはポジションを傾けづらく、スキャルピング中心の取引も入りづらくさせよう。一方で、こう着感の強い相場展開となるようだと、FOMC通過後を想定したNTスプレッドのポジションが膨らみやすい。先週末のNT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下し、8月以降、支持線として機能していた75日線を割り込んできた。一段の低下が見込まれるものの、ボリンジャーバンドの-2σまで低下してきたことで、いったんは反発を想定したNTロング(日経225先物買い・TOPIX先物売り)の動きが意識されよう。
なお、台湾東部で18日午後にマグニチュード6.8の強い地震があった。この影響から半導体企業には警戒感が高まる可能性があるものの、台湾積体電路製造(TSMC)については、今のところ重大な影響は確認されていないと報じられている。指数インパクトの大きい値がさハイテク株などが売られる局面では、NTロングのタイミングとなる可能性がありそうだ。
9月第1週(9月5日-9日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週ぶりに買い越しており、買い越し額は1248億円(前週は1兆8654億円の売り越し)だった。なお、現物は213億円の売り越し(同4273億円の売り越し)と4週連続の売り越しであり、先物は1462億円の買い越し(同7581億円の売り越し)と3週ぶりに買い越している。個人は現物と先物の合算で2337億円の売り越しで、3週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で1634億円の売り越しとなり、4週ぶりの売り越しだった。
経済スケジュールでは、20日に8月全国消費者物価指数、米国8月住宅着工件数、21日にFOMC(政策金利発表)、米国8月中古住宅販売件数、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長会見、22日に日銀金融政策決定会合(政策金利発表)、黒田日銀総裁会見、イングランド銀行(BOE)が政策金利発表、米国8月コンファレンス・ボード景気先行指数、23日に米国9月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米9月サービス部門PMIなどが予定されている。
(本稿は19日午前10時執筆)
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
01月限 日経225 28266.57 TOPIX 1988.69
02月限 日経225 27835.60 TOPIX 1965.67
03月限 日経225 25457.94 TOPIX 1808.03
04月限 日経225 27122.37 TOPIX 1904.02
05月限 日経225 25951.24 TOPIX 1838.12
06月限 日経225 28122.81 TOPIX 1955.38
07月限 日経225 26659.58 TOPIX 1890.16
08月限 日経225 28525.62 TOPIX 1963.05
09月限 日経225 28253.40 TOPIX 1957.76
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
22/12 09月16日 27700 27720 27290 27350 -330
22/12 09月15日 27620 27820 27550 27680 +30
22/12 09月14日 28390 28470 27540 27650 -750
22/12 09月13日 28320 28450 28290 28400 +140
22/12 09月12日 28040 28400 27980 28260 +260
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
22/12 09月16日 1934.5 1935.5 1914.0 1918.0 -15.0
22/12 09月15日 1926.5 1938.0 1924.5 1933.0 +5.5
22/12 09月14日 1965.0 1970.0 1917.0 1927.5 -37.5
22/12 09月13日 1961.5 1969.0 1957.01965.0 +7.0
22/12 09月12日 1949.0 1966.0 1943.0 1958.0 +10.5
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日比
09月16日(12月限) 27305 -45
09月15日(12月限) 27480 -200
09月14日(09月限) 27720 +70
09月13日(09月限) 27630 -770
09月12日(09月限) 28330 +70
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
09月09日 1893億円 -676億円 1億4056億円 +1795億円
09月02日 2569億円 -82億円 1兆2260億円 -1866億円
08月26日 2652億円 -69億円 1兆4126億円 -490億円
08月19日 2722億円 +30億円 1兆4617億円 +1369億円
08月12日 2691億円 -121億円 1兆3248億円 +3743億円
08月05日 2813億円 -71億円 9504億円 +160億円
07月29日 2884億円 -734億円 9344億円 -149億円
07月22日 3619億円 -646億円 9493億円 +1825億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
09月14日 4398万株 -26万株 5億1073万株 -689万株
09月13日 4424万株 -8万株 5億1763万株 +461万株
09月12日 4432万株 -0.8万株 5億1301万株 +2445万株
09月09日 4433万株 -1692万株 4億8856万株 +2299万株
09月08日 6126万株 +786万株 4億6557万株 +7175万株
09月07日 5340万株 -48万株 3億9381万株 -1397万株
09月06日 5389万株 -752万株 4億0779万株 -886万株
09月05日 6141万株 +0.8万株 4億1666万株 +91万株
09月02日 6140万株 -3万株 4億1574万株 -218万株
09月01日 6143万株 +337万株 4億1792万株 +564万株
08月31日 5806万株 +8万株 4億1228万株 -989万株
08月30日 5798万株 0株 4億2217万株 -345万株
08月29日 5798万株 -562万株 4億2562万株 -3513万株
08月26日 6360万株 -0.4万株 4億6075万株 +39万株
08月25日 6360万株 -102万株 4億6036万株 +290万株
08月24日 6463万株 +2万株 4億5745万株 -1275万株
08月23日 6460万株 +0.8万株 4億7020万株 -1653万株
08月22日 6459万株 0株 4億8674万株 +691万株
■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日 701億円
1月25日 701億円
2月14日 701億円
3月07日 701億円
4月07日 701億円
5月19日 701億円
6月13日 701億円
6月17日 701億円
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