米小売売上高、8月は0.3%増 ガソリン安が消費下支え
[ワシントン 15日 ロイター] - 米商務省が15日発表した8月の小売売上高(季節調整済み)は前月から0.3%増えた。横ばいと予想されていたが、ガソリン価格の低下が消費を下支えした。ただ、米連邦準備理事会(FRB)が積極的に利上げする中、需要は軟化している。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は横ばいだったが、0.5%減から0.5%増まで幅があった。
7月は0.4%減と、前回発表の横ばいから下方改定された。
ハイ・フリークエンシー・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ルベラ・ファローキ氏は「力強い雇用の伸びと名目所得の増加に支えられ、家計は消費を続けている」と指摘。「しかし、家計は高インフレという逆風に直面している。高インフレが大幅に緩和する兆しはまだない」と述べた。
米国自動車協会(AAA)によると、全米平均のガソリン小売価格は8月下旬に1ガロン=約3.82ドルに下がった。6月半ばには1ガロン=5ドル強となり、史上最高値を記録していた。15日の平均は1ガロン=3.698ドルとなった。
8月のガソリンの売上高は4.2%減。一方、自動車は2.8%増加した。ガソリンと自動車を除く小売売上高は0.3%増だった。
衣料品や一般消費財も堅調に増加。一方、オンライン・通信販売は0.7%減少した。
家具は1.3%減。建材・園芸用品は1.1%増だった。家電は0.1%減となった。趣味・楽器・書籍は好調に推移した。小売統計に含まれる唯一のサービス業であるバー・レストランも1.1%増加した。
自動車、ガソリン、建築資材、外食を除くコア小売売上高は、8月は横ばいだった。7月は前回発表の0.8%増から0.4%増へ下方改定された。
コア小売売上高は、国内総生産(GDP)の個人消費部門と密接に関連している。2022年第2・四半期は堅調な個人消費と輸出の力強い伸びが、在庫積み増しペースの鈍化によるマイナス影響を抑えた。
第2・四半期のGDPは年率換算で前期より0.6%減った。第1・四半期は1.6%減っていた。
所得面から経済活動を把握する国内総所得(GDI)は第2・四半期に1.4%伸び、労働市場の回復を背景に景気後退には陥っていない。