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株価指数先物 【週間展望】 ―FOMC通過後のアク抜けを想定したリバウンドの動きが優勢に

配信日時:2022/09/11 17:00 配信元:MINKABU
「FOMC通過後のアク抜けを想定したリバウンドの動きが優勢に」  今週の日経225先物(12月物)は、翌週に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75%利上げを織り込むなか、リバウンドを試す相場展開が意識されそうだ。9日の米国市場では主要な株価指数が続伸し、NYダウ、 S&P500、ナスダックのいずれも心理的な上値抵抗である75日移動平均線を突破してきた。8月半ば以降の調整によってボリンジャーバンドの-2σまで下落し、売られ過ぎシグナルが発生。その後のリバウンドによって、達成感が台頭しやすい75日線を上回ってきたことにより、もう一段のリバウンドを試す動きが期待されてきた。東京市場でもセンチメントの改善に伴いリバウンドの動きが優勢になりそうだ。  先週の日経225先物は週半ば以降、リバウンドに転じた。8月26日のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言以降、FRB高官によるタカ派姿勢を支持する発言が相次いだほか、8月の米ISM非製造業景況指数が2カ月連続で改善するなど予想を上回る経済指標の発表があった。これを受けて米長期金利が6月以来の高水準となるなか、今月のFOMCでの積極的な金融引き締めが警戒されて、日経225先物は7日に一時2万7030円(ナイトセッションを含む)まで売られた。テクニカルでは75日線を割り込み、ボリンジャーバンドの-2σまでの調整となったが、その後の強いリバウンドによって週末には2万8000円を回復した。  2万8000円水準に位置する25日線を回復し、短期的には達成感が意識されやすい水準まで戻したことにより、週末の米国市場の動向が注目されていた。米国市場が続伸となった流れからナイトセッションで同線を明確に上回ってきたため、2万8000円を支持線としてもう一段のリバウンドを試す展開が意識されやすい。まずはボリンジャーバンドの+1σが位置する2万8500円が目先のターゲットとなろう。  先週末は9月限の先物オプション特別清算指数算出日(メジャーSQ)だったが、週末の日経平均株価は朝方に2万8286円まで上昇し、SQ値(2万8253円40銭)をクリアしたものの、その後は週末要因もあってSQ値を下回って推移していた。ただし、ナイトセッションを2万8190円で終えており、配当分(220円程度と推定)を考慮すると2万8410円となる。日経平均はSQ値を明確に上放れる格好となるため、ショートカバーも強まりやすいだろう。  今週は米国で13日に8月消費者物価指数(CPI)、14日に8月卸売物価指数(PPI)、15日には8月小売売上高、9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数といった経済指標の発表が予定されている。それらの内容によってはFOMCでの積極的な金融引き締めを後押しする可能性がある。ただ、相場の不安要因となる展開は警戒されつつも、0.75%の利上げ自体は既に織り込まれているため、株式市場はアク抜けを想定した動きに向かいそうだ。  今月のFOMCで3会合連続の0.75%利上げを決定した後は、11月に0.50%、12月に0.25%の利上げが見込まれており、来年前半には利上げの打ち止めも意識されてくるとみられる。来週のFOMC通過後は年末に向けたリバウンド機運が高まりやすく、押し目待ちのロングも、エントリータイミングを切り上げてくる可能性が期待される。  VIX指数は22.79に低下し、支持線として意識される25日線水準を下回ってきた。同線を明確に下回ってくると、8月半ば以来の20.00割れも見えてくる。このため、センチメントとしては8月半ば以降の株価下落を埋める見方にも向かわせやすい。FOMC通過後になりそうだが、日経225先物も8月17日高値2万8990円を意識したトレンド形成を強めてくる可能性はありそうだ。  先週末のNT倍率は14.37倍で終えた。一時14.42倍まで上昇し、同水準に位置する25日線に上値を抑えられる格好だったが、今週は同線を突破してくる動きが意識されそうであり、8月16日の高値14.58倍をターゲットとした、NTロングを組成する動きが強まりやすいだろう。特に来週のFOMC通過までは積極的にはポジションを傾けづらいと考えられるため、ヘッジを考慮してのスプレッド狙いのトレードとして、NTロングに向かわせそうである。  8月第5週(8月29日-9月2日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続で売り越しており、売り越し額は1兆1854億円(前週は3757億円の売り越し)だった。なお、現物は4273億円の売り越し(同1212億円の売り越し)と3週連続の売り越しであり、先物は7581億円の売り越し(同2544億円の売り越し)と2週連続で売り越している。個人は現物と先物の合算で8674億円の買い越しで、2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で206億円の買い越しとなり、3週連続の買い越しだった。  経済スケジュールでは、13日に7-9月期法人企業景気予測調査、米国8月消費者物価指数、14日に7月機械受注、米国8月卸売物価指数、15日に8月貿易統計、米国8月小売売上高、米国9月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米国9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米国8月鉱工業生産、16日に中国8月小売売上高、中国8月鉱工業生産、米国9月ミシガン大学消費者態度指数などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 01月限 日経225 28266.57  TOPIX  1988.69 02月限 日経225 27835.60  TOPIX  1965.67 03月限 日経225 25457.94  TOPIX  1808.03 04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02 05月限 日経225 25951.24  TOPIX  1838.12 06月限 日経225 28122.81  TOPIX  1955.38 07月限 日経225 26659.58  TOPIX  1890.16 08月限 日経225 28525.62  TOPIX  1963.05 09月限 日経225 28253.40  TOPIX  1957.76 ◆日経225先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/12 09月09日  27740  28060  27590  28000  +190 22/09 09月08日  27480  28080  27460  28030  +570 22/09 09月07日  27720  27760  27260  27460  -140 22/09 09月06日  27630  27810  27550  27600  -40 22/09 09月05日  27670  27900  27460  27640  -20 ◇TOPIX先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/12 09月09日  1933.0  1950.5  1922.5  1947.5  +11.0 22/09 09月08日  1919.5  1957.5  1917.5  1956.0  +38.0 22/09 09月07日  1934.5  1936.0  1906.0  1918.0  -6.5 22/09 09月06日  1929.5  1939.5  1921.5  1924.5  -5.5 22/09 09月05日  1927.0  1945.0  1917.0  1930.0  +3.0 ●シカゴ日経平均 円建て           清算値  前日比 09月09日(12月限)  28195  +195 09月08日(12月限)  27865  +55 09月07日(09月限)  27710  +250 09月06日(09月限)  27580  -20 09月05日(09月限)  休場 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)         売り   前週末比   買い    前週末比 09月02日    2569億円  -82億円 1兆2260億円  -1866億円 08月26日    2652億円  -69億円 1兆4126億円  -490億円 08月19日    2722億円  +30億円 1兆4617億円  +1369億円 08月12日    2691億円  -121億円 1兆3248億円  +3743億円 08月05日    2813億円  -71億円  9504億円  +160億円 07月29日    2884億円  -734億円  9344億円  -149億円 07月22日    3619億円  -646億円  9493億円  +1825億円 07月15日    4266億円  -965億円  7668億円  -1430億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数)         売り      前日比  買い       前日比 09月07日    5340万株    -48万株  3億9381万株   -1397万株 09月06日    5389万株   -752万株  4億0779万株   -886万株 09月05日    6141万株   +0.8万株  4億1666万株   +91万株 09月02日    6140万株    -3万株  4億1574万株   -218万株 09月01日    6143万株   +337万株  4億1792万株   +564万株 08月31日    5806万株    +8万株  4億1228万株   -989万株 08月30日    5798万株      0株  4億2217万株   -345万株 08月29日    5798万株   -562万株  4億2562万株   -3513万株 08月26日    6360万株   -0.4万株  4億6075万株   +39万株 08月25日    6360万株   -102万株  4億6036万株   +290万株 08月24日    6463万株    +2万株  4億5745万株   -1275万株 08月23日    6460万株   +0.8万株  4億7020万株   -1653万株 08月22日    6459万株      0株  4億8674万株   +691万株 08月19日    6459万株   -270万株  4億7983万株   -0.1万株 08月18日    6730万株    -1万株  4億7983万株   -816万株 08月17日    6731万株   +121万株  4億8799万株   +2196万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日  701億円 1月25日  701億円 2月14日  701億円 3月07日  701億円 4月07日  701億円 5月19日  701億円 6月13日  701億円 6月17日  701億円 株探ニュース

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