午前の日経平均は続伸、米株高受け好地合い維持 徐々に模様眺め
[東京 9日 ロイター] - 午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比154円42銭高の2万8219円70銭と続伸した。米株高を受けて好地合いを維持した。ただ、週末とあって時間の経過とともに市場参加者が減り、徐々に模様眺めとなっている。
8日の米国株式市場は続伸。米国の金融引き締めが依然として懸念されていることにより、堅調な地合いにおいては銀行など金利上昇でメリットがある銘柄群やヘルスケアなどのディフェンシブ銘柄が上昇を主導する形となった。日本株も同様の流れとなり、銀行株や薬品株などが買い優勢となっている。
日経平均は前日に2万8000円を回復した後も、底堅い展開となった。ただ「急速な戻しを演じたことに加え、週末でポジション調整の売りが出やすい」(野村証券・ストラテジストの澤田麻希氏)との声が聞かれ、堅調な地合いを維持しながらも前場中盤から動きが乏しくなっている。
テクニカル面では、2万8200円台に位置している、再び上向いてきた25日移動平均線を超えるかどうかに注目が集まる。「ここがテクニカル的には戻りの正念場になる」(国内証券)との指摘もあった。
きょうは9月限日経平均先物・オプションの最終決済に関わる日経平均のSQ(特別清算指数)の算出日で朝方はこれに絡んだ注文が買い優勢となり、市場筋の試算でSQ値は2万8253円40銭となった。正式なSQ値は大引け後に大阪取引所から発表される。
TOPIXは0.36%高で午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆9444億0700万円とSQ算出に絡んだ売買があり膨らんだ。東証33業種では、サービス業、海運業、医薬品などの上昇が目立つ。
個別では、ファーストリテイリングなど指数寄与度が大きい銘柄がしっかりとなっているほか、日本郵船、塩野義製薬なども堅調。一方、主力輸出関連株は高安まちまちとなり、三菱重工業がさえない。
プライム市場の騰落数は、値上がり1223銘柄(66%)に対し、値下がりが520銘柄(28%)、変わらずが94銘柄(5%)だった。