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台湾輸出、8月+2%に大幅鈍化 インフレなどで先行き不透明

配信日時:2022/09/07 21:38 配信元:REUTERS

[台北 7日 ロイター] - 台湾財政部が7日発表した8月の貿易統計によると、輸出は予想以上に減速した。景気が減速している中国向けの輸出が減少した。財政部は、インフレ、ウクライナ戦争、米中間の緊張で先行きが不透明になっていると指摘した。

8月の輸出は前年比2%増の403億4000万ドル。8月としては歴史的高水準で、26カ月連続の増加となったが、伸びは7月(14.2%)から大きく減速し、ロイターがまとめたエコノミスト予想(9.5%)を下回った。

輸入は3.5%増の373億5000万ドルで8月としては過去最高。しかしエコノミストの予想(7.1%増)を下回った。

財政部は、テクノロジー関連需要が輸出を支援していると述べる一方で、製造業の購買意欲が保守的になっていると指摘し、世界的なインフレ圧力と金融引き締めで個人消費は徐々に減速していると述べた。

マスターリンク証券投資顧問のアナリストは、台湾経済の悪化の兆しが鮮明になってきているとし「年末にかけて一段と状況が悪化するのではないかと懸念している」と述べた。

8月の輸出は品目別で電子部品が12%増の170億5000万ドル。半導体は14.3%増加した。

輸出先別では最大の市場である中国が9.9%減の151億2000万ドル。前月は3%増だったが減少に転じた。

中国税関総署の8月の貿易統計では輸出、輸入とも伸びが予想以上に減速し、各国の物価高騰を背景とする外需の減退を示した。

対米輸出も2.3%増と前月(24.8%増)から大幅に減速した。

財政部は9月の輸出を前年比3%減から1%増と予想。半導体需要は堅調を維持するものの世界的な物価高、ロシアのウクライナ侵攻、「米中テクノロジー戦争」で先行きは不透明と指摘した。

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