午後3時のドルは上昇139円前半、一時24年ぶり高値 日米金利差拡大で
[東京 1日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(138.96/97円)から上昇し、139.32/34円付近で推移している。時間外取引の米金利の上昇を背景に日米金利差が拡大し、ドルは一時139.69円と約24年ぶりの高水準を付けた。
米連邦公開市場委員会(FRB)高官によるタカ派発言を背景としたドル買い/円売りの流れが継続。また、時間外取引の米2年債利回りは一時3.51%と15年ぶり、10年債が3.21%と2カ月ぶり高水準を付けたことから、ドルは年初来高値まで上昇した。その後は利益確定が出たとみられ、ドルは上げ幅を縮小した。
米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は31日、インフレ率を目標まで下げるために米連邦準備理事会(FRB)は来年初頭までに政策金利を4%をやや上回る水準まで引き上げ、その水準を維持する必要があるとの見方を示した。
欧州中央銀行(ECB)理事会による大幅利上げ観測を背景にユーロ/円が一時140円ちょうどと、1カ月ぶりの水準まで上昇したことも、ドル/円を押し上げた。
「中央銀行がインフレ抑制に向けて金融引き締めに強気な姿勢を示したドルとユーロが買われ、一方で弱気な姿勢と受け止められたポンドと金融緩和を維持する円が売られた」と、楽天証券のFXディーリング部、荒地潤氏は指摘する。
心理的な節目である140円が視野に入ってきている。米金利や経済指標の動向次第でドル/円は振れ幅が大きくなりやすいものの、上昇トレンドは続いていくとの見方が市場では広がっている。
ステート・ストリート銀行の東京支店・共同支店長、若林徳広氏は、現行の水準はすでに未知の世界で止まるレベルがない、とした上で、日米の金融政策の方向性の違いから「年内までに150円まで上昇する可能性は十分ある」との見方を示した。
財務省幹部は1日、為替が円安に振れていることに関し、日々の動きについて逐一発言は控えるとした上で、「最近の相場はボラティリティー(変動率)が高まっている」との認識も示し、「急な(為替)変動は望ましくない」とした。ただ、相場の反応は薄かった。
為替介入への警戒感が強まりやすい中、「インフレ抑制を最優先課題にしている米当局が協調介入を受け入れるとは思えず、日本当局が単独介入に踏み切ったとしても、効果は乏しい」(国内証券)との見方が出ている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 139.32/34 1.0016/20 139.56/60
午前9時現在 139.32/34 1.0036/40 139.86/90
NY午後5時 138.96/97 1.0057/61 139.69/73