午前の日経平均は反落、米金融引き締め長期化を警戒
[東京 31日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比155円67銭安の2万8039円91銭と、反落した。米連邦準備理事会(FRB)高官からはタカ派的な発言が確認され、米金融引き締め長期化への警戒感が相場の重しになっている。ただ、日経平均は2万8000円を下回ると押し目買いも入り、底堅さも確認された。
前日の米株市場で主要3指数がそろって下落したことを受け、日本株は朝方から幅広い業種で売りが出た。下げ幅は一時280円を超え、2万7906円17銭の安値を付けた。その後は米株先物が堅調に推移したことが支援材料となり、徐々に下げ幅を縮小。心理的節目の2万8000円台を維持して午前の取引を終えた。
業種別では鉱業、石油・石炭製品などが軟調に推移した。
FRBメンバーのタカ派姿勢が相次いで確認されていることから、市場では「米国で良好な経済統計が確認されても、FRBのタカ派化警戒につながり、景気後退が意識されている」(国内証券)との声が聞かれ、相場の重しになっているという。
T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー・浪岡宏氏は、「ジャクソンホール会合以降、良い指標が出ても株価下落するなど、逆金融相場的な色彩が強くなっている」と指摘。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは神経質な展開が続きそうだとの見方を示した。
一方で、日経平均は2万8000円が下値支持線となっているとの意見も聞かれ、「2万8000円を下回る局面では押し目買いも流入しそうだ」(別の国内証券)との声が聞かれた。
TOPIXは0.51%安の1958.41ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆2273億1000万円だった。東証33業種では、空運業、陸運業、保険業など7業種が値上がり。反面、鉱業、石油・石炭製品、海運業など26業種は値下がりした。
個別では、京セラが2%高と堅調で、日経平均を10円ほど押し上げた。ソフトバンクグループ、安川電機は小幅高。一方、ファーストリテイリング、ソニーグループ、信越化学工業は軟調に推移した。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが470銘柄(25%)、値下がりが1314銘柄(71%)、変わらずが50銘柄(2%)だった。