反発持続するか、CPIに「スーパーボウル並み」の注目=今週の米株市場
[ニューヨーク 5日 ロイター] - 8日からの米株式市場は最近の反発局面の持続性が試されそうで、10日発表の7月CPI(消費者物価指数)の結果次第では、連邦準備理事会(FRB)の利上げ減速観測が大きく薄れる可能性がある。
S&P総合500種はFRBが従来の想定よりも早期に利上げを終了するとの期待を背景に、6月半ばの安値から13%戻した。5日発表の7月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想を大きく上回るペースで増え、FRBが積極的な利上げを継続する可能性が高まったが、S&Pの下落率は0.2%未満にとどまった。
相場の一段の上昇余地は、FRBがインフレ抑制で効果を上げていると投資家が判断するかどうかに左右されそうだ。最近の資源価格の下落や金融引き締めにもかかわらずインフレがなお高止まりしていることがデータで示されれば、来年序盤の利上げ停止が望みづらくなり、投資家のリスク選好度が低下して株価は再び下げ基調となりそうだ。
ベアードの市場ストラテジスト、マイケル・アントネッリ氏は「現在の局面では、CPIがスーパーボウルぐらい重要」と指摘した。
2022年は弱気相場での反発局面がどれも短命に終わり、過去3回のケースでS&P500は反発から再び下げに転じた後、安値を更新している。このため、直近の反発の持続性についても懐疑的な見方がある。
一方、FRB当局者らは過去1週間に市場の利上げ後退観測をけん制してきた。サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は債券市場が来年上半期の利下げ開始を織り込んでいることに「困惑」していると述べた。
第2・四半期の企業決算は市場予想を上回る結果となっており、市場は弱気一色なわけではない。金融情報会社リフィニティブのデータによると、S&P500構成企業の約77.5%は業績が市場予想を上回り、株価上昇の一因となった。
ベアードのアントネッリ氏はCPI上昇率が予想を下回れば、さらに多くの投資家が株買いを再開するだろうと予想した。