午後3時のドルは小幅高133円前半、台湾情勢にらみ乱高下
[東京 3日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から小幅高の133円前半。序盤はアジア株高を背景に133円後半へ円安が進んだものの、中国軍が演習で台湾領へ侵入したなどとする情報が伝わると、一転してリスク回避の円買いが活発となり、132円前半へ急落する荒い値動きとなった。
午前のドルは堅調。前日に2%超下落した中国株、1.6%安だった台湾株などが上昇に転じたことなどを受けて幅広い向きが押し目買いに動き、朝方の133円前半から一時133.89円まで上昇。7月29日以来の高値をつけた。
ドルは前日安値の130.40円から3.5円近い、急速な切り返しとなった。ハト派とされる米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁が前日、市場で浮上している来年の利下げ観測を否定するなど、連邦準備理事会(FRB)幹部からタカ派的な発言が相次ぎ、米10年債利回りが2.77%台へ大きく切り返したことが背景となった。
ところが、正午前から市場の雰囲気は一変。ペロシ米下院議長が訪問中の台湾株がマイナス圏へ転じ、米10年債利回りが2.70%台へ下落するとともに、円が急速に買い戻され、ドルは132.29円まで急反落。午前の高値から1.6円の円高が進んだ。
手がかりとなったのは、中国軍が演習で台湾領内に侵入したとの台湾国防部の発表など、中台間の緊張の高まりを伝えるいくつかの報道。中国は演習地域に航空機が進入しないよう通告し、台湾外交部は国際秩序に挑戦する行為だと非難した。
しかし、急速な円高が一巡すると、ドルは133円前半へ再び1円超上昇した。市場では、中国が台湾近海でミサイルを発射した1996年の台湾海峡危機に比べて「中国の反応は今のところ、まだ穏健なものにとどまっている」(外銀)と評する声が出ていた。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 133.21/23 1.0173/77 135.55/59
午前9時現在 133.33/35 1.0155/59 135.41/45
NY午後5時 133.16/19 1.0164/68 135.37/41