米FRBが0.75%利上げ、経済指標弱含みを指摘:識者はこうみる
[27日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は26─27日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を75ベーシスポイント(bp)引き上げ、2.25─2.50%とした。
市場関係者の見方は以下の通り。
<クレセット・キャピタルのジャック・アブリン最高投資責任者(CIO)>
広く予想されていたことであり、全会一致の決定だったことは心強い。ボルカー元連邦準備理事会(FRB)議長以降でFRBの最も積極的な一連の動きだ。
今回の結果でなければネガティブサプライズになっただろう。(利上げ幅が)過度に小幅ならFRBに対する信頼が損なわれ、過度に大幅なら経済への信頼が損なわれることになる。うまく周知させ、期待値とのバランスを適切に取った格好だ。
FRBは依然としてインフレリスクに高い関心を寄せている。インフレにひたむきに取り組むことが強調された。
<キャピタル・エコノミクス(ニューヨーク)のシニア米国エコノミスト、 マイケル・ピアース氏>
連邦準備理事会(FRB)が今回も0.75%ポイントの利上げを決定したことで、金利は「中立」水準に近づいた。
インフレ率が今後は低下に向かい、景気低迷の兆候が一段と強まっていることを踏まえると、FRBはこの先は利上げに慎重になるとみられる。9月の利上げ幅は0.50%ポイントに縮小すると予想している。
<ステートストリートのシニアグローバルマクロストラテジスト、マービン・ロー氏>
政策声明をタカ派的と見ることはできるが、ここ数回の会合で言ってきたこととほぼ一致している。つまり、米連邦準備理事会(FRB)は利上げを続けるつもりだ。
株式は乱高下しながらも総じて上昇している。これは、引き締めサイクルが当初考えられていたほど積極的でないとの見方が背景にある。
ただ私は、FRBが現時点で実際にハト派に軸足を移すことができるとは思っていない。直近の消費者物価指数(CPI)、雇用統計の発表後も、まだ過熱が続いているためだ。景気の鎮静化を示すデータも一部にはあるが、FRBはインフレ率を2%に回帰させることにコミットする姿勢を示し続けている。
<フィデリティ・インターナショナルのマクログローバル主任、サルマン・アハメド氏>
インフレ対応への注力と堅調な労働市場が大幅利上げの主因であることが強調した。著しい景気減速はすでに進行中のもようで、今後数週間から数カ月のデータにそれが表れるだろう。
しかし、労働市場の状況は引き続き堅調で、需要や供給への圧力緩和の兆候はごくわずかしか見られないため、遅行する指標を重要視するFRBが9月も75bpの利上げを実施する可能性はある。リスクは、過度に大幅かつ過度に急速な利上げによって経済のハードランディングが不可避となることだ。