NY外為市場=ユーロ上昇、ECBが予想以上の利上げ
[ニューヨーク 21日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、不安定な取引の中、ユーロ/ドルが上昇した。欧州中央銀行(ECB)はこの日、11年ぶりとなる利上げを決定し、利上げ幅も前回会合で示唆した0.25%ポイントの倍となる0.5%ポイントとした。
決済会社コーペイ(トロント)のチーフマーケットストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「ECBは柔軟性と、自らのフォワードガイダンスを超えて動く意思を示した。タカ派が理事会の大勢を占めたことを示唆している」と述べた。
ただ、ラガルド総裁が会見で、最終的な到着地点を変えるということではないと述べたことを受け、ユーロは失速した。
ユーロは0.17%高の1.0198ドルで推移。一時、約2週間ぶりの高値となる1.0279ドルまで上昇した。
キャクストン(ロンドン)でマーケット・インテリジェンスを担当するマイケル・ブラウン氏は「域内の景気後退リスクが高まっていることから、ユーロ上昇は短期間で終わる可能性が高い」と述べた。
先週、ユーロは2002年以来初めて1ユーロ=1ドルの等価(パリティ)を割り込んだが、その後、ECBのタカ姿勢やロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム1」の再開報道を受け、回復基調にある。
ドル/円は0.4%安の137円77銭。日銀は20―21日に開いた金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を賛成多数で決めた。2022年度の物価上昇率予想を目標の2%を上回る2.3%に引き上げたものの、黒田東彦総裁は会見で、持続的・安定的な物価目標の実現には至っていないと指摘し、改めて金融緩和を継続していくと述べた。
英ポンドは0.04%安の1.1964ドル。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは約1%下落し2万2945.68ドル。米電気自動車(EV)大手テスラが保有するビットコインの約75%を売却したとの発表が材料となった。