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カナダ中銀、100bp利上げ 物価対応に「一段の引き締め必要」

配信日時:2022/07/14 00:22 配信元:REUTERS

[オタワ 13日 ロイター] - カナダ銀行(BOC、中央銀行)は13日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を100ベーシスポイント(bp)引き上げ、2.5%とした。100bpの幅での利上げは1998年以来初めて。中銀はインフレは「一段と高く持続的」になっているとし、さらなる利上げが必要との見解を示した。

中銀は「経済には明らかに需要超過が存在している。インフレ率が高水準にあり裾野が広がっていることに加え、高インフレが長く続くと予想する企業や消費者が増えている。こうしたこと踏まえ、政策決定委員会は利上げを前倒しして進めることを決定した」と表明。「金利はさらに上昇する必要がある」とした。

中銀は6月の会合で50bpの利上げを決定。50bpの幅での利上げは2回連続だった。エコノミストは今回の利上げ幅は75bpと予想していた。

中銀はまた、短期的なインフレ見通しを大幅に引き上げ、今年第2、3・四半期のインフレ率は平均8%程度になるとの予想を示した。2022全体では平均7.2%、23年末には3%近辺に低下し、24年末には目標の2%に戻るとした。

カナダ統計局が先月発表した5月の消費者物価指数(CPI)前年比上昇率は7.7%と、1983年1月以来約40年ぶりの大幅上昇を記録している。

一方、中銀は住宅市場では「急激な減速」が見られているとし、減速は今年から来年にかけて続くと予想。

経済成長率については、22年は3.5%、23年は1.8%になると予想。「高インフレと金融引き締めによる消費と家計支出への影響」が成長鈍化の主な要因になるとした。ただ、中銀の基調的な予測に基づくと、カナダ経済は向こう3年間は景気後退(リセッション)に陥らず、景気のソフトランディング(軟着陸)は可能とした。

マックレム中銀総裁は新型コロナウイルス感染から回復したばかり。今回の政策決定会合にはリモートで参加した。

大幅利上げを受け、カナダドルは対米ドルで0.5%上昇した。

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