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株価指数先物 【週間展望】 ―米国のセンチメントに変化が見られ、2万7000円を再度試す展開へ

配信日時:2022/07/10 17:00 配信元:MINKABU
「米国のセンチメントに変化が見られ、2万7000円を再度試す展開へ」  今週の日経225先物は、2万7000円を再度試す展開が意識されやすいだろう。先週は週末の上場投資信託(ETF)の決算に伴う分配金を確保するための売りが警戒されたが、週半ば以降は先回り的にショートを仕掛けていた向きのカバーが優勢であった。週末には「安倍元首相が撃たれる」との一報が伝わるなかで需給面の混乱が見られたが、ETFに絡んだ需給を吸収したうえで、2万6500円を上回って取引を終えた。結局は週前半の2万6000円~2万6500円から、週後半には2万6500円~2万7000円へのレンジ移行が意識される展開となった。  先週末のランチタイムでは500円近く急落し、ヘッジ売りによって需給が崩れた状況だったが、ナイトセッションではこの急落部分を埋めてきており、需給状況は落ち着いていると見られる。25日移動平均線を回復し、2万6884円辺りに位置している75日線から節目の2万7000円を試す展開に向かいそうだ。6月29日につけた戻り高値2万7220円(ナイトセッションを含む)を捉えてくるようだと、5月13日安値2万5480円と6月20日安値2万5450円との2点底形成を確認するとともに、2万7000円~2万7500円のレンジに切り上がる可能性も高まるため、ショートカバーが強まりそうである。  また、米国市場ではセンチメントに変化が見られてきた。これまで米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めによって米経済がリセッション(景気後退)に陥るリスクを警戒し、経済指標の結果を受けて大きく相場が振れる需給状況が続いてきた。  そのなかで、先週は6月のFOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨が公表された後の米国市場は上昇した。市場は景気後退よりもインフレの悪影響を懸念しており、インフレ抑制を優先するFRBの政策の容認に傾いていると見られる。週末に発表された6月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比37万2000人増と市場予想(25万人増程度)を上回ったほか、平均時給が前年同月比5.1%上昇と市場予想(5.0%程度)を上回った。この結果を受けてFRBは7月のFOMCで0.75%の利上げに動くとの見方があらためて強まったが、米経済のソフトランディング(軟着陸)への期待も浮上するなど、市場はプラス面に期待して反応した。  今週は13日に、6月の米消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。株式市場では波乱に対する警戒が強まると見られるが、8日のVIX指数は24.64に低下し、これまで支持線として意識されていた75日線を明確に下回ってきた。NYダウ、 S&P500は25日線水準での攻防を見せているが、ナスダックは5営業日続伸で25日線を上回ってきた。韓国サムスン電子の予想を上回る決算をきっかけにテクノロジー業界の減速懸念が後退。ハイテク株でリスクを取りに行く動きが見られており、指数インパクトの大きい東京エレクトロン <8035> [東証P]などへの支援材料になるとともに、日経平均型を押し上げよう。  もっとも、先週末のNT倍率は14.04倍に低下した。トレンドは下向きではあるものの、ランチタイム以降の波乱による影響が大きかったと見られる。上述した米ハイテク株を巡る変化に加え、国内のETFに絡んだ需給が一巡したことにより、リバランスの動きが意識されやすい。そのため、いったんは、NTロング(日経225先物買い、TOPIX先物売り)に向かう可能性があると見ておきたい。参院選が通過し、政策期待なども高まりやすくなると考えられ、これに伴う海外勢によるインデックスに絡んだ資金流入も呼び込みそうだ。  6月第5週(6月27日-7月1日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続で売り越しており、売り越し額は2682億円(前週は3237億円の売り越し)だった。なお、現物は3673億円の売り越し(同1656億円の売り越し)と3週連続の売り越しであり、先物は990億円の買い越し(同1581億円の売り越し)と3週ぶりに買い越している。個人は現物と先物の合算で1757億円の買い越しで、2週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で1587億円の買い越しとなり、3週連続の買い越しだった。  経済スケジュールでは、11日に5月機械受注、12日に6月国内企業物価指数、13日に中国6月貿易収支、米国6月消費者物価指数(CPI)、米国地区連銀経済報告(ベージュブック)、14日に5月鉱工業生産(確報値)、米国6月卸売物価指数(PPI)、15日に中国4-6月期 GDP、米国6月小売売上高、米国7月ミシガン大学消費者態度指数速報値などが予定されている。また、米国では、14日にJPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、15日にシティグループ、ブラックロックなど金融企業の決算発表が予定されており、投資家の関心は次第に企業業績に向かうことになろう。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 01月限 日経225 28266.57  TOPIX  1988.69 02月限 日経225 27835.60  TOPIX  1965.67 03月限 日経225 25457.94  TOPIX  1808.03 04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02 05月限 日経225 25951.24  TOPIX  1838.12 06月限 日経225 28122.81  TOPIX  1955.38 07月限 日経225 26659.58  TOPIX  1890.16 ◆日経225先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/09 07月08日  26470  26860  26390  26610  +120 22/09 07月07日  26150  26530  26030  26490  +490 22/09 07月06日  26340  26340  25900  26000  -340 22/09 07月05日  26170  26520  26100  26340  +160 22/09 07月04日  25880  26320  25870  26180  +350 ◇TOPIX先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/09 07月08日  1880.5  1909.0  1879.5  1894.5  +13.5 22/09 07月07日  1859.0  1884.0  1851.5  1881.0  +32.5 22/09 07月06日  1873.5  1875.5  1845.5  1848.5  -25.5 22/09 07月05日  1869.5  1885.0  1865.0  1874.0  +5.5 22/09 07月04日  1839.0  1877.0  1839.0  1868.5  +31.5 ●シカゴ日経平均 円建て           清算値  前日比 07月08日(09月限)  26775 +165 07月07日(09月限)  26650  +160 07月06日(09月限)  26265  +265 07月05日(09月限)  26245  -95 07月04日(09月限)  休場 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)         売り   前週末比   買い    前週末比 07月01日    4768億円 +2043億円  6671億円  -907億円 06月24日    2725億円  +270億円  7579億円  -1360億円 06月17日    2454億円  +319億円  8939億円  -1331億円 06月10日    2135億円  -346億円 1兆0271億円  -1039億円 06月03日    2481億円  -736億円 1兆1310億円  +2769億円 05月27日    3217億円  +108億円  8541億円  +1463億円 05月20日    3108億円  +261億円  7078億円  -63億円 05月13日    2847億円  +105億円  7141億円  +161億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数)         売り      前日比  買い       前日比 07月06日  1億5709万株   +857万株  3億0518万株   +1512万株 07月05日  1億4852万株   -288万株  2億9005万株   +2660万株 07月04日  1億5140万株   -133万株  2億6344万株   +3048万株 07月01日  1億5273万株   +1353万株  2億3295万株   -177万株 06月30日  1億3920万株   +5248万株  2億3473万株   -2395万株 06月29日    8671万株   +586万株  2億5868万株   -865万株 06月28日    8085万株   +569万株  2億6733万株   +1986万株 06月27日    7515万株    -48万株  2億4747万株   -156万株 06月24日    7563万株   -350万株  2億4903万株   -11万株 06月23日    7914万株   +1517万株  2億4892万株   -669万株 06月22日    6397万株    +56万株  2億5561万株   -2201万株 06月21日    6340万株   -720万株  2億7762万株   -641万株 06月20日    7060万株   +381万株  2億8404万株   -2258万株 06月17日    6678万株    -39万株  3億0663万株   -2323万株 06月16日    6717万株   -120万株  3億2986万株   -1483万株 06月15日    6838万株   +254万株  3億4469万株   -640万株 06月14日    6584万株    +13万株  3億5110万株   -859万株 06月13日    6570万株   +1075万株  3億5969万株   +1510万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日  701億円 1月25日  701億円 2月14日  701億円 3月07日  701億円 4月07日  701億円 5月19日  701億円 6月13日  701億円 6月17日  701億円 株探ニュース

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