インフレ見通し悪化を懸念、大幅利上げを決定=FOMC議事要旨
[ワシントン 6日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が6日に公表した6月14─15日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、インフレ状況の悪化やFRBの対応能力への信頼喪失を懸念し、大幅利上げに踏み切ったことが明らかになった。
この会合でFRBはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を75ベーシスポイント(bp)引き上げ、1.50─1.75%とした。一度に75bpの大幅利上げを決定するのは1994年以来だった。
議事要旨によると、会合前の数日間に発表されたデータに基づき、「参加者は短期的なインフレ見通しが5月会合時よりも悪化したことに同意した」ことから、75bpの利上げと「制限的」な金融政策への移行が正当化されることになった。
食料品やガソリン価格の上昇で家計が圧迫される一方、これまでのFRBの措置でインフレ急伸に歯止めがかかりつつあるという証拠は見られず、「多くの参加者は、(FOMCの)必要に応じて政策調整を行うという決意に国民が疑問を持ち始めた場合、高インフレが定着するという大きなリスクがあると判断した」という。
このFOMCでは「タカ派」と「ハト派」の間の階層を消し去るような意見の一致を見せ、FRBがインフレとの戦いにおける勝利に「強くコミット」していることに疑問の余地を持たせないような広報活動を展開する必要性に言及した。
また、「多くの参加者」が「長期的なインフレ上昇観測が出始めている可能性がある」と懸念していたことも分かった。
議事要旨では景気後退のリスクには触れておらず、むしろ米国の国内総生産(GDP)が「今四半期は拡大している」ことを示すデータがあり、雇用市場も依然として引き締まっているとした。
ただ、リスクは下向きであり、特にFRBの政策が予想以上に大きな影響を与える可能性があることも認めた。
議事要旨は「参加者は、制限的な政策スタンスへの移行が正当化されることに同意し、インフレが高止まりする場合は、さらに制限的なスタンスが適切である可能性を認識した」としている。