ランチタイムコメント
日経平均は大幅続伸、米株高受け幅広い銘柄に物色向かう
配信日時:2022/06/27 12:12
配信元:FISCO
日経平均は大幅続伸。276.80円高の26768.77円(出来高概算5億6717万株)で前場の取引を終えている。
24日の米株式市場ではNYダウが823.32ドル高と大幅続伸。連邦準備制度理事会(FRB)のストレステストの結果を受けて金融セクターに買戻しが広がり、相場の上昇をけん引した。また、6月ミシガン大消費者信頼感指数確定値の長期期待インフレ率が14年ぶり高水準から下方修正され、インフレがピークに達した兆候が示されたため投資家心理が一段と改善。大幅な利上げが回避されるとの期待も買い材料となり、引けにかけて上げ幅を拡大した。ナスダック総合指数も+3.34%と大幅続伸となった。米株高を引き継いで日経平均は前週末比249.83円高からスタート。アジア市況の上昇を追い風に買いが続き、前引け直前に26840.66円(348.69円高)まで上昇した。
個別では、信越化<4063>、ファナック<6954>、三菱重工業<7011>が大幅高。郵船<9101>、商船三井<9104>や川崎汽船<9107>の海運、レーザーテック<6920>や東エレク<8035>のハイテク株も大きく上昇。エムスリー<2413>、リクルートHD<6098>、SHIFT<3697>
などグロース(成長)株も全般強い動き。電力需給逼迫に伴うスポット価格上昇期待で東京電力HD<9501>や関西電力<9503>などの電力株も大幅に上昇。高水準の自社株買いによる需給改善期待の動きが優勢となった第一工業製薬<4461>が急伸。ほか、2024年末に国内で燃料電池の基幹部品をつくる新工場を建設すると報じられた日清紡HD
<3105>、26日朝のTBSテレビ系情報番組に取り上げられた第一稀元素化学工業<4082>が大きく上昇。
一方、NTT<9432>、KDDI<9433>など通信株が軟調。ホンダ<7267>、マツダ<7261>など自動車関連も冴えない動きとなっている。24日に急伸したレノバ<9519>は利食い売り優勢から大きく下落。先週末に22年5月期の決算を発表した日本オラクル<4716>は実績値・ガイダンスともにサプライズ限定的で下落したほか、日東電工<6988>はレーティング格下げで売られた。
セクターでは海運、鉱業、パルプ・紙が上昇率上位となった一方、不動産、ゴム製品、陸運が下落率上位となった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の63%、対して値下がり銘柄は32%となっている。
本日の日経平均株価は、上昇してスタートした後前場中ごろに上げ幅をやや縮小した。ただ、前場中ごろにかけて再度買いが集まり上げ幅を拡げる展開となった。米国株の強い上昇に加えてインフレや利上げに対する過度な懸念はやや緩和していることが、国内の個人投資家心理にもポジティブに働いているようだ。日足チャートでは、75日移動平均線に迫る勢いとなっている。
一転して新興市場はもみ合い展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は、前週末24日の大引け時点で東証グロース市場Core指数は8.19%高、東証マザーズ指数は5.68%高となっており、直近では一番の上げ幅となった。パウエル議長の会見及び米長期金利が低下したことで投資家心理が改善、バリュエーション面での割高感が意識されやすく直近手掛けにくかった新興株に物色の矛先が向いていた。両指数とも25日移動平均線を上回った。
ただ、本日は米長期金利が再度上昇したことが重しとなっているほか、買い一巡感が台頭しているもよう。また、東証プライム市場の主力株物色が中心となっており、新興市場はやや蚊帳の外状態でもある。ただ、戻り売りが優勢とならず前週末高値付近でのもみ合い展開となっていることはポジティブに捉えられよう。
直近IPO銘柄の動きも好調。本日上場のイーディーピー<7794>の初値は公開価格を64.0%上回る8200円、サンウェルズ<9229>初値は18.6%上回る2300円となった。24日に上場したマイクロ波化学<9227>は初値が公開価格を下回ったものの一転して買い優勢の展開となっている。直近IPO銘柄は指数にはまだ組み入れられていないため、指数のパフォーマンスには寄与しない点には留意したいが、個別に材料が出た銘柄や直近IPO銘柄にまずまずの物色が向かっており、個人投資家の物色意欲は後退していないことが窺える。
さて、ミシガン大学消費者マインド指数確報値では短期・長期の期待インフレ率が揃って速報値から下方修正された。6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75ptの利上げに至った理由の一つであっただけに、過度なインフレ懸念が緩和し、先週末の米株高を演出した。ただ、インフレピークアウト期待が剥落したままという大前提を踏まえれば、リバウンドは短期的なものにとどまる可能性があることは頭に入れておきたい。インフレ懸念とリセッション懸念の間を揺れ動く不安定な相場となり、物色動向も定まりにくいため、このまま買い戻しが続いていくことは想定しにくい。
後場の日経平均は上値の重い展開か。75日移動平均線を上抜けられるかに注目したいが、時間外取引のNYダウ先物やナスダック100先物を横目に推移していくだろう。引き続き東証プライム市場中心に投資家の目線が向かいそうで、新興市場を中心とする中小型株への物色は限定的となりそうだ。
<AK>
24日の米株式市場ではNYダウが823.32ドル高と大幅続伸。連邦準備制度理事会(FRB)のストレステストの結果を受けて金融セクターに買戻しが広がり、相場の上昇をけん引した。また、6月ミシガン大消費者信頼感指数確定値の長期期待インフレ率が14年ぶり高水準から下方修正され、インフレがピークに達した兆候が示されたため投資家心理が一段と改善。大幅な利上げが回避されるとの期待も買い材料となり、引けにかけて上げ幅を拡大した。ナスダック総合指数も+3.34%と大幅続伸となった。米株高を引き継いで日経平均は前週末比249.83円高からスタート。アジア市況の上昇を追い風に買いが続き、前引け直前に26840.66円(348.69円高)まで上昇した。
個別では、信越化<4063>、ファナック<6954>、三菱重工業<7011>が大幅高。郵船<9101>、商船三井<9104>や川崎汽船<9107>の海運、レーザーテック<6920>や東エレク<8035>のハイテク株も大きく上昇。エムスリー<2413>、リクルートHD<6098>、SHIFT<3697>
などグロース(成長)株も全般強い動き。電力需給逼迫に伴うスポット価格上昇期待で東京電力HD<9501>や関西電力<9503>などの電力株も大幅に上昇。高水準の自社株買いによる需給改善期待の動きが優勢となった第一工業製薬<4461>が急伸。ほか、2024年末に国内で燃料電池の基幹部品をつくる新工場を建設すると報じられた日清紡HD
<3105>、26日朝のTBSテレビ系情報番組に取り上げられた第一稀元素化学工業<4082>が大きく上昇。
一方、NTT<9432>、KDDI<9433>など通信株が軟調。ホンダ<7267>、マツダ<7261>など自動車関連も冴えない動きとなっている。24日に急伸したレノバ<9519>は利食い売り優勢から大きく下落。先週末に22年5月期の決算を発表した日本オラクル<4716>は実績値・ガイダンスともにサプライズ限定的で下落したほか、日東電工<6988>はレーティング格下げで売られた。
セクターでは海運、鉱業、パルプ・紙が上昇率上位となった一方、不動産、ゴム製品、陸運が下落率上位となった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の63%、対して値下がり銘柄は32%となっている。
本日の日経平均株価は、上昇してスタートした後前場中ごろに上げ幅をやや縮小した。ただ、前場中ごろにかけて再度買いが集まり上げ幅を拡げる展開となった。米国株の強い上昇に加えてインフレや利上げに対する過度な懸念はやや緩和していることが、国内の個人投資家心理にもポジティブに働いているようだ。日足チャートでは、75日移動平均線に迫る勢いとなっている。
一転して新興市場はもみ合い展開が続いている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は、前週末24日の大引け時点で東証グロース市場Core指数は8.19%高、東証マザーズ指数は5.68%高となっており、直近では一番の上げ幅となった。パウエル議長の会見及び米長期金利が低下したことで投資家心理が改善、バリュエーション面での割高感が意識されやすく直近手掛けにくかった新興株に物色の矛先が向いていた。両指数とも25日移動平均線を上回った。
ただ、本日は米長期金利が再度上昇したことが重しとなっているほか、買い一巡感が台頭しているもよう。また、東証プライム市場の主力株物色が中心となっており、新興市場はやや蚊帳の外状態でもある。ただ、戻り売りが優勢とならず前週末高値付近でのもみ合い展開となっていることはポジティブに捉えられよう。
直近IPO銘柄の動きも好調。本日上場のイーディーピー<7794>の初値は公開価格を64.0%上回る8200円、サンウェルズ<9229>初値は18.6%上回る2300円となった。24日に上場したマイクロ波化学<9227>は初値が公開価格を下回ったものの一転して買い優勢の展開となっている。直近IPO銘柄は指数にはまだ組み入れられていないため、指数のパフォーマンスには寄与しない点には留意したいが、個別に材料が出た銘柄や直近IPO銘柄にまずまずの物色が向かっており、個人投資家の物色意欲は後退していないことが窺える。
さて、ミシガン大学消費者マインド指数確報値では短期・長期の期待インフレ率が揃って速報値から下方修正された。6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75ptの利上げに至った理由の一つであっただけに、過度なインフレ懸念が緩和し、先週末の米株高を演出した。ただ、インフレピークアウト期待が剥落したままという大前提を踏まえれば、リバウンドは短期的なものにとどまる可能性があることは頭に入れておきたい。インフレ懸念とリセッション懸念の間を揺れ動く不安定な相場となり、物色動向も定まりにくいため、このまま買い戻しが続いていくことは想定しにくい。
後場の日経平均は上値の重い展開か。75日移動平均線を上抜けられるかに注目したいが、時間外取引のNYダウ先物やナスダック100先物を横目に推移していくだろう。引き続き東証プライム市場中心に投資家の目線が向かいそうで、新興市場を中心とする中小型株への物色は限定的となりそうだ。
<AK>
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