注目トピックス 日本株
グローブライド Research Memo(5):アウトドアスポーツ・レジャー市況が堅調ななか、過去最高業績を更新
配信日時:2022/06/24 15:05
配信元:FISCO
■業績動向
1. 2022年3月期業績の概要
グローブライド<7990>の2022年3月期業績は、売上高120,684百万円(前期比20.3%増)、営業利益12,349百万円(同66.7%増)、経常利益12,997百万円(同81.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9,567百万円(同99.4%増)と大幅な増収増益となった。同社が属するアウトドアスポーツ・レジャー用品等の業界は、コロナ禍を機にライフスタイルの多様化が加速するなど時代にマッチしたアクティビティとして支持されたことにより、主力のフィッシング事業を中心に世界4ブロック(地域)とも業績は好調に推移した。
(1) 地域別動向
a) 日本
日本地域の売上高は82,544百万円(前期比14.5%増)、セグメント利益は8,812百万円(同48.2%増)となった。コロナ禍が続くなか市況は依然堅調に推移した。製品の供給面では生産遅延や物流の混乱で遅れが生じたものの、生産計画の見直し等により影響を抑制した。また、多様な市場ニーズに対応した製品を投入したこと等により、2ケタ増収及び大幅な増益を達成した。
b) 米州
米州地域の売上高は10,129百万円(前期比26.3%増)、セグメント利益は194百万円(同15.5%増)となった。コロナ禍による規制の緩和を受け、個人消費が回復した。そのなかで、現地のニーズに合った新製品が好調に推移し増収につながった。一方利益面では、国際的な物流の逼迫や費用の高騰が利益を圧縮したが、増収効果でマイナス面を吸収し、増益を達成した。
c) 欧州
欧州地域の売上高は13,553百万円(前期比28.0%増)、セグメント利益は1,071百万円(同81.1%増)となった。コロナ禍による規制解除が進み、経済が回復するなかで、各地域のニーズに合った新製品が好評を博したこと等により、2ケタ増収及び大幅な増益を達成した。
d) アジア・オセアニア
アジア・オセアニア地域の売上高は42,770百万円(前期比36.7%増)、セグメント利益は5,003百万円(同83.2%増)となった。コロナ禍の感染状況により各国ごとの市況にばらつきがあるものの、総じて市況は堅調に推移した。そのなかで、新製品の投入や積極的な販促活用により大幅な増収増益を達成した。海外市場のなかでも同地域の業績拡大は顕著であり、存在感を増している。
(2) 財務状況
2022年3月期末の資産合計は、売上の拡大に伴う棚卸資産の増加や設備投資による有形固定資産の増加等により、前期末比12,952百万円増加し90,682百万円となった。負債は、仕入債務が増加したこと等により同3,052百万円増加し53,204百万円となった。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により同9,900百万円増加し37,478百万円となった。自己資本比率は41.1%(前期末は35.3%)であり、健全な財務体質を維持している。
2. 2023年3月期業績の見通し
2023年3月期の連結業績予想については、売上高129,000百万円(前期比6.9%増)、営業利益11,900百万円(同3.6%減)、経常利益11,900百万円(同8.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8,500百万円(同11.2%減)としている。同社では、コロナ禍や国際情勢による景気後退懸念など市場環境に不透明な点はあるものの、堅調な販売状況を予想している。一方で、世界的な原材料価格の高騰や円安の状況が続いており、仕入れコストの増加が見込まれることから、若干減益となる予想だ。
国内・海外ともにコロナ禍に加え、ロシア・ウクライナ情勢による資源・食料価格の高騰など、景気後退が懸念される状況となっている。同社が属するアウトドアスポーツ・レジャー業界の市場環境も、先行き不透明な状況が続くものと予測される。フィッシング事業では、これからの時代にマッチしたアクティビティとして支持され、市場は好調を維持している。同社によると、釣りブームが起こった1990年代にフィッシングを好んだ顧客層が、コロナ禍を契機に再び始めたことに加え、ファミリー層や女性層といったビギナーも増えているようだ。また、参加者の増加が一段落した後は、アウトドアスポーツ・レジャー用品のステップアップ需要が見込めるため、客単価の増加も期待できる。ゴルフ市場も「3密」を避けたアウトドアスポーツ・レジャーとして支持されており、「ONOFF」「FOURTEEN」ともにさらなる成長が期待できる。コロナ禍を契機に、消費者の価値観が自然やアウトドアを好む方向に変化し、製品需要が拡大するなか、同社は定評のある製品開発力やマーケティング力で優位性を築いており、市場成長を超えた販売が可能と考えている。一方で、世界的な原材料価格の高騰や円安が続いており、仕入れコストの増加が見込まれる。フィッシング事業では日本や英国、タイ、中国、ベトナムなどの複数国で生産を行っているが、国によっては影響が出はじめているようだ。また、サイクルスポーツ事業でも、パーツ不足が顕在化している。為替(円安)に関しては、国内製造分もあるため影響が緩和される面はあるが、1円の円安で40百万円程度の営業減益につながることもあり、注視する必要がある。
2023年3月期上期の業績予想は売上高71,000百万円、営業利益8,400百万円、下期は売上高58,000百万円、営業利益3,500百万円を見込んでいることから、例年どおり上期偏重となる予想だ。進行期の業績予想は、2022年3月期下期の事業環境が継続することをベースとし、例年の季節性に従うという前提で立案される。弊社では、外部環境の大きな混乱がなければ、合理的な事業計画であり十分達成可能であると考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<YM>
1. 2022年3月期業績の概要
グローブライド<7990>の2022年3月期業績は、売上高120,684百万円(前期比20.3%増)、営業利益12,349百万円(同66.7%増)、経常利益12,997百万円(同81.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9,567百万円(同99.4%増)と大幅な増収増益となった。同社が属するアウトドアスポーツ・レジャー用品等の業界は、コロナ禍を機にライフスタイルの多様化が加速するなど時代にマッチしたアクティビティとして支持されたことにより、主力のフィッシング事業を中心に世界4ブロック(地域)とも業績は好調に推移した。
(1) 地域別動向
a) 日本
日本地域の売上高は82,544百万円(前期比14.5%増)、セグメント利益は8,812百万円(同48.2%増)となった。コロナ禍が続くなか市況は依然堅調に推移した。製品の供給面では生産遅延や物流の混乱で遅れが生じたものの、生産計画の見直し等により影響を抑制した。また、多様な市場ニーズに対応した製品を投入したこと等により、2ケタ増収及び大幅な増益を達成した。
b) 米州
米州地域の売上高は10,129百万円(前期比26.3%増)、セグメント利益は194百万円(同15.5%増)となった。コロナ禍による規制の緩和を受け、個人消費が回復した。そのなかで、現地のニーズに合った新製品が好調に推移し増収につながった。一方利益面では、国際的な物流の逼迫や費用の高騰が利益を圧縮したが、増収効果でマイナス面を吸収し、増益を達成した。
c) 欧州
欧州地域の売上高は13,553百万円(前期比28.0%増)、セグメント利益は1,071百万円(同81.1%増)となった。コロナ禍による規制解除が進み、経済が回復するなかで、各地域のニーズに合った新製品が好評を博したこと等により、2ケタ増収及び大幅な増益を達成した。
d) アジア・オセアニア
アジア・オセアニア地域の売上高は42,770百万円(前期比36.7%増)、セグメント利益は5,003百万円(同83.2%増)となった。コロナ禍の感染状況により各国ごとの市況にばらつきがあるものの、総じて市況は堅調に推移した。そのなかで、新製品の投入や積極的な販促活用により大幅な増収増益を達成した。海外市場のなかでも同地域の業績拡大は顕著であり、存在感を増している。
(2) 財務状況
2022年3月期末の資産合計は、売上の拡大に伴う棚卸資産の増加や設備投資による有形固定資産の増加等により、前期末比12,952百万円増加し90,682百万円となった。負債は、仕入債務が増加したこと等により同3,052百万円増加し53,204百万円となった。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により同9,900百万円増加し37,478百万円となった。自己資本比率は41.1%(前期末は35.3%)であり、健全な財務体質を維持している。
2. 2023年3月期業績の見通し
2023年3月期の連結業績予想については、売上高129,000百万円(前期比6.9%増)、営業利益11,900百万円(同3.6%減)、経常利益11,900百万円(同8.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8,500百万円(同11.2%減)としている。同社では、コロナ禍や国際情勢による景気後退懸念など市場環境に不透明な点はあるものの、堅調な販売状況を予想している。一方で、世界的な原材料価格の高騰や円安の状況が続いており、仕入れコストの増加が見込まれることから、若干減益となる予想だ。
国内・海外ともにコロナ禍に加え、ロシア・ウクライナ情勢による資源・食料価格の高騰など、景気後退が懸念される状況となっている。同社が属するアウトドアスポーツ・レジャー業界の市場環境も、先行き不透明な状況が続くものと予測される。フィッシング事業では、これからの時代にマッチしたアクティビティとして支持され、市場は好調を維持している。同社によると、釣りブームが起こった1990年代にフィッシングを好んだ顧客層が、コロナ禍を契機に再び始めたことに加え、ファミリー層や女性層といったビギナーも増えているようだ。また、参加者の増加が一段落した後は、アウトドアスポーツ・レジャー用品のステップアップ需要が見込めるため、客単価の増加も期待できる。ゴルフ市場も「3密」を避けたアウトドアスポーツ・レジャーとして支持されており、「ONOFF」「FOURTEEN」ともにさらなる成長が期待できる。コロナ禍を契機に、消費者の価値観が自然やアウトドアを好む方向に変化し、製品需要が拡大するなか、同社は定評のある製品開発力やマーケティング力で優位性を築いており、市場成長を超えた販売が可能と考えている。一方で、世界的な原材料価格の高騰や円安が続いており、仕入れコストの増加が見込まれる。フィッシング事業では日本や英国、タイ、中国、ベトナムなどの複数国で生産を行っているが、国によっては影響が出はじめているようだ。また、サイクルスポーツ事業でも、パーツ不足が顕在化している。為替(円安)に関しては、国内製造分もあるため影響が緩和される面はあるが、1円の円安で40百万円程度の営業減益につながることもあり、注視する必要がある。
2023年3月期上期の業績予想は売上高71,000百万円、営業利益8,400百万円、下期は売上高58,000百万円、営業利益3,500百万円を見込んでいることから、例年どおり上期偏重となる予想だ。進行期の業績予想は、2022年3月期下期の事業環境が継続することをベースとし、例年の季節性に従うという前提で立案される。弊社では、外部環境の大きな混乱がなければ、合理的な事業計画であり十分達成可能であると考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<YM>
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