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ウェーブロックHD Research Memo(11):農業・建設向け地中熱ビジネスなどの成長に注目(2)
配信日時:2022/06/20 15:11
配信元:FISCO
■ウェーブロックホールディングス<7940>の今後の見通し
(2) アドバンストテクノロジー事業
アドバンストテクノロジー事業の2024年3月期業績目標は、売上高で59億円、営業利益で5.0億円を掲げている。2022年3月期は当初計画を上回り、2023年3月期も利益ベースでは当初目標を上回る見通しとなるなど順調に推移している。中期経営計画では、デコレーション&ディスプレー分野において技術的競合優位性を構築し、顧客サービスの向上に注力することで、電装化と環境対応への取り組みが進む自動車内外装部品の市場成長を取り込んでいく戦略だ。付加価値の高いデコレーション&ディスプレー分野の売上成長により、2024年3月期の営業利益率も8.5%と過去最高水準(2019年3月期は8.6%)まで回復する見通しとなっている。
同社は技術的競合優位性を確保するため、開発投資を継続しながら多様な顧客ニーズに対する提案力を強化していくと同時に、小ロット多品種生産でも収益力を維持・向上していくための、設備投資・人材投資を推進していく。また、2022年内に自動車業界の国際的な品質管理基準となる「IATF16949」の認定を取得することで、製品開発から販売までの強固な品質管理システムを構築し、欧米を中心に新規顧客の拡大を図る。販売戦略としては、北米、欧州の販売拠点体制を強化するほか、中国では現地パートナーと連携しながら営業・技術サポート体制の構築を図り、売上規模の拡大を目指す。一方、日本では塗装の代替となりうる新規構成フィルムの開発や、FCV向け燃料電池用途等、将来の飛躍を担う技術開発に注力する方針だ。生産体制としては、現状はすべて国内生産であるものの、金属調加飾フィルムは欧米での売上拡大が見込めることから、現地生産拠点の開設または生産委託先の探索などを進めていくことにしている。
金属調加飾フィルムの需要拡大が期待できる要因としては、電波透過性並びに光透過性、意匠性の高さに加えて、環境にも優しいという点が挙げられる。自動車業界ではCO2排出規制や環境規制などを背景に、EV車の普及だけでなく環境負荷の高いメッキ加工品の代替として金属調加飾フィルムの採用が徐々に広がっている。フロントグリルのエンブレムやドアハンドル、スキッドプレートなどの外装品のほか、内装品でも採用事例が増えてきている。EV車では、内装や外装デザインのトレンドも大きく変化してきており、同社にとっては受注拡大の好機となっている。
高透明二層シートについても、自動車用での売上拡大が見込まれる。CIDの大面積化が今後も進む見通しとなっており、ディスプレーの大面積化によって、歪みが少なく高い強度を持つ同社製品の優位性が一段と増すためだ。また、HUDの普及による防塵シールド用途での需要拡大も期待される。
自動車向けに関しては2年先までの採用モデルや生産数量がすべて確定しているわけではないが、現在見込み案件数が増加していることを考慮すれば高成長が続く可能性が高いと弊社では見ている。金属調加飾フィルムについては、欧州市場はAkzo Nobelが強いものの、北米市場では同社がシェアを拡大している状況にある。サービスや電波透過率等の品質面において一定の優位性があることが要因と見られる。また開拓が遅れている欧州市場についても、「IATF16949」の認証を取得することで採用が進む可能性があり、今後の動向に注目したい。一方、高透明二層シートについては、現地子会社を拠点として機能性も含めた提案力を強化することで売上を拡大していく戦略だ。
(3) 新規事業分野の探索
その他、既存分野における深化と強みを生かした新規分野・新規事業については、「樹脂の加工」にこだわらず探索していく方針としている。新規分野への参入については、自前主義にこだわらず外部連携やM&Aなど柔軟に進めていくことを考えている。具体的には、ICTを活用した新規プラットフォーム事業や環境関連製品事業での展開を想定しており、今後3年間でM&Aも含めて30~35億円程度の投資を行い、将来の成長に向けた足掛かりを構築していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2) アドバンストテクノロジー事業
アドバンストテクノロジー事業の2024年3月期業績目標は、売上高で59億円、営業利益で5.0億円を掲げている。2022年3月期は当初計画を上回り、2023年3月期も利益ベースでは当初目標を上回る見通しとなるなど順調に推移している。中期経営計画では、デコレーション&ディスプレー分野において技術的競合優位性を構築し、顧客サービスの向上に注力することで、電装化と環境対応への取り組みが進む自動車内外装部品の市場成長を取り込んでいく戦略だ。付加価値の高いデコレーション&ディスプレー分野の売上成長により、2024年3月期の営業利益率も8.5%と過去最高水準(2019年3月期は8.6%)まで回復する見通しとなっている。
同社は技術的競合優位性を確保するため、開発投資を継続しながら多様な顧客ニーズに対する提案力を強化していくと同時に、小ロット多品種生産でも収益力を維持・向上していくための、設備投資・人材投資を推進していく。また、2022年内に自動車業界の国際的な品質管理基準となる「IATF16949」の認定を取得することで、製品開発から販売までの強固な品質管理システムを構築し、欧米を中心に新規顧客の拡大を図る。販売戦略としては、北米、欧州の販売拠点体制を強化するほか、中国では現地パートナーと連携しながら営業・技術サポート体制の構築を図り、売上規模の拡大を目指す。一方、日本では塗装の代替となりうる新規構成フィルムの開発や、FCV向け燃料電池用途等、将来の飛躍を担う技術開発に注力する方針だ。生産体制としては、現状はすべて国内生産であるものの、金属調加飾フィルムは欧米での売上拡大が見込めることから、現地生産拠点の開設または生産委託先の探索などを進めていくことにしている。
金属調加飾フィルムの需要拡大が期待できる要因としては、電波透過性並びに光透過性、意匠性の高さに加えて、環境にも優しいという点が挙げられる。自動車業界ではCO2排出規制や環境規制などを背景に、EV車の普及だけでなく環境負荷の高いメッキ加工品の代替として金属調加飾フィルムの採用が徐々に広がっている。フロントグリルのエンブレムやドアハンドル、スキッドプレートなどの外装品のほか、内装品でも採用事例が増えてきている。EV車では、内装や外装デザインのトレンドも大きく変化してきており、同社にとっては受注拡大の好機となっている。
高透明二層シートについても、自動車用での売上拡大が見込まれる。CIDの大面積化が今後も進む見通しとなっており、ディスプレーの大面積化によって、歪みが少なく高い強度を持つ同社製品の優位性が一段と増すためだ。また、HUDの普及による防塵シールド用途での需要拡大も期待される。
自動車向けに関しては2年先までの採用モデルや生産数量がすべて確定しているわけではないが、現在見込み案件数が増加していることを考慮すれば高成長が続く可能性が高いと弊社では見ている。金属調加飾フィルムについては、欧州市場はAkzo Nobelが強いものの、北米市場では同社がシェアを拡大している状況にある。サービスや電波透過率等の品質面において一定の優位性があることが要因と見られる。また開拓が遅れている欧州市場についても、「IATF16949」の認証を取得することで採用が進む可能性があり、今後の動向に注目したい。一方、高透明二層シートについては、現地子会社を拠点として機能性も含めた提案力を強化することで売上を拡大していく戦略だ。
(3) 新規事業分野の探索
その他、既存分野における深化と強みを生かした新規分野・新規事業については、「樹脂の加工」にこだわらず探索していく方針としている。新規分野への参入については、自前主義にこだわらず外部連携やM&Aなど柔軟に進めていくことを考えている。具体的には、ICTを活用した新規プラットフォーム事業や環境関連製品事業での展開を想定しており、今後3年間でM&Aも含めて30~35億円程度の投資を行い、将来の成長に向けた足掛かりを構築していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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