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株価指数先物 【週間展望】 ―ボラティリティ高い展開、週後半は日本株の底堅さを見極めつつ、押し目狙いのロングスタンス

配信日時:2022/06/12 17:00 配信元:MINKABU
「ボラティリティ高い展開、週後半は日本株の底堅さを見極めつつ、押し目狙いのロングスタンス」  今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀の金融政策決定会合の開催が予定されており、日経225先物は日米の金融政策を睨みながらボラティリティの高い相場展開になるだろう。  先週は6月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えるなか、9月限では限月交代に伴うロールオーバー中心の商いながら、6日の2万7460円を安値に機械的なヘッジ対応の買いによって、9日の日中取引終了後のナイトセッションでは2万8350円まで買われ、3月30日につけた戻り高値(2万8350円)に達した。しかし、いったんは達成感が意識されやすい水準でもあり、米消費者物価指数(CPI)へのヘッジ対応から米国市場の下落影響を受ける格好で、10日は一時2万7740円まで売られる場面があった。  そのなかで、注目された5月の米CPIは前年同月比8.6%に上昇が加速した。米国ではヘッジ対応の売りも強まっていたためアク抜けも期待されたが、CPIの結果を受けて米金融当局による利上げ加速が警戒されて、10日の米国市場は大幅に下落。これを受けて日経225先物はナイトセッションで一時2万7250円まで売られ、日中比510円安の2万7340円で終えた。  週明けの東京市場は、この流れを引き継いでギャップダウンから始まると見られる。日経225先物は25日移動平均線が位置する2万7000円辺りを目先的なターゲットとしてショートが強まりそうだ。SQ通過で需給が軽くなっているところでもあり、積極的にショートを仕掛けてくる動きには警戒しておきたい。  また、米国では15-16日のFOMCを前に、14日に5月生産者物価指数(PPI)の発表が予定されている。週半ばまでは米国市場の動向に振られやすく、ナイトセッションで値幅が出やすくなる。そのため、傾向としては日中はギャップスタート後にこう着感が強まる一方で、ナイトセッションにおいて短期筋の仕掛け的な売買が膨らむ可能性が高まりそうだ。  なお、FOMCでは6月、7月に連続で0.5%の利上げを実施する方針であり、市場の関心は9月の金融政策の行方に向かう。6月のFOMCでは、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見や声明に加えて、四半期に一度のメンバーの経済・金利見通しが公表される。9月会合での利上げ予想が強まるようだと、一段安につながる可能性もあろう。VIX指数は27.75に上昇し75日線突破から25日線を上回る場面も見られた。終値で30.00を超えてくる局面ではリスク回避の動きが強まると見られるため、注意が必要だ。  一方で、FOMCを通過すると、目先の市場の関心は日銀の金融政策決定会合に移る。緩和的な政策を据え置くとみられ、改めて日米金融政策の違いに着目した円売りが強まりそうだ。為替市場では1ドル=135円に迫る円安基調が継続するなか、円安のプラス面を手掛かりとした物色によって相対的に日本株の底堅さが意識されやすい。日経225先物は25日線辺りでの底堅さが見られるようだと、押し目狙いのタイミングとなり、週半ば以降はショートカバーが優勢になる可能性もある。そのため、日本株の底堅さを見極めつつ、押し目狙いのロングスタンスに向かわせよう。  また、週初の下落からオプション権利行使価格の2万7250円辺りで底堅い値動きを見せてくれば、ショートカバーの動きは速まりやすく、FOMC通過を前にアク抜け後を想定したリバウンドに向かう可能性もあろう。  先週末のNT倍率は、先物中心限月で14.34倍だった。75日線を支持線とした14.15倍から、6日に14.42倍まで上昇したこともあり、NTロングの巻き戻しによる動きに。今週は米国市場の下落により、25日線が位置する14.23倍、75日線の14.17倍辺りまでの調整を想定しつつ、週初のNTショートから、週後半に向けてNTロングによるスプレッド狙いに向かいやすいと見ておきたい。  6月第1週(5月30日-6月3日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続で買い越しており、買い越し額は6241億円(前週は2556億円の買い越し)だった。なお、現物は410億円の売り越し(同368億円の売り越し)と2週連続の売り越しであり、先物は6651億円の買い越し(同2924億円の買い越し)と2週連続で買い越している。個人は現物と先物の合算で3538億円の売り越しで、3週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で3369億円の売り越しとなり、2週連続の売り越しだった。この週の日経平均株価は2万7000円を突破し2万7500円に迫るなか、CTAによるショートカバーが強まったようであり、一方で個人はリバウンドが勢いを増すなかで利益確定に動いたと見られる。  経済スケジュールでは、13日に4-6月法人企業景気予測調査、14日に4月鉱工業生産(確報値)、15日に4月機械受注、中国5月鉱工業生産、米国5月小売売上高、FOMC政策金利、16日に5月貿易統計、イングランド銀行(BOE)政策金利、17日に日銀政策金利、米国5月景気先行指数の発表などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 01月限 日経225 28266.57  TOPIX  1988.69 02月限 日経225 27835.60  TOPIX  1965.67 03月限 日経225 25457.94  TOPIX  1808.03 04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02 05月限 日経225 25951.24  TOPIX  1838.12 06月限 日経225 28122.81  TOPIX  1955.38 ◆日経225先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/09 06月10日  28230  28350  27740  27850  -380 22/06 06月09日  28200  28400  28100  28300  +110 22/06 06月08日  28040  28250  27880  28190  +180 22/06 06月07日  27940  28120  27860  28010  +100 22/06 06月06日  27730  27990  27510  27910  +120 ◇TOPIX先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/09 06月10日  1967.0  1975.5  1936.0  1942.0  -25.0 22/06 06月09日  1967.5  1979.0  1958.5  1974.0  +7.0 22/06 06月08日  1953.0  1970.5  1941.0  1967.0  +17.5 22/06 06月07日  1937.5  1957.0  1936.5  1949.5  +14.0 22/06 06月06日  1929.5  1941.0  1916.5  1935.5  +2.0 ●シカゴ日経平均 円建て           清算値  前日比 06月10日(09月限)  27325  -525 06月09日(09月限)  27910  -320 06月08日(06月限)  28150  -40 06月07日(06月限)  28210  +200 06月06日(06月限)  28025  +115 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)         売り   前週末比   買い    前週末比 06月03日    2481億円  -736億円 1兆1310億円  +2769億円 05月27日    3217億円  +108億円  8541億円  +1463億円 05月20日    3108億円  +261億円  7078億円  -63億円 05月13日    2847億円  +105億円  7141億円  +161億円 05月06日    2741億円  -107億円  6979億円  -314億円 04月28日    2849億円  +246億円  7294億円  -342億円 04月22日    2603億円  +53億円  7636億円  -332億円 04月15日    2549億円  -298億円  7969億円  -873億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数)         売り      前日比  買い       前日比 06月08日    8035万株   -286万株  3億6102万株   -2229万株 06月07日    8322万株   +1832万株  3億8331万株   +709万株 06月06日    6490万株   +245万株  3億7621万株   -1571万株 06月03日    6244万株   -458万株  3億9192万株   +1563万株 06月02日    6703万株    -93万株  3億7629万株   +564万株 06月01日    6797万株   -1629万株  3億7065万株   +952万株 05月31日    8426万株   +165万株  3億6113万株   +1463万株 05月30日    8261万株   -1485万株  3億4650万株   +3305万株 05月27日    9746万株    +35万株  3億1345万株   +3789万株 05月26日    9710万株   +1240万株  2億7555万株   +1087万株 05月25日    8470万株   -247万株  2億6468万株   +449万株 05月24日    8717万株   -157万株  2億6019万株   -250万株 05月23日    8874万株   -265万株  2億6269万株   +237万株 05月20日    9140万株   -666万株  2億6032万株   +151万株 05月19日    9807万株   +1539万株  2億5880万株   -21万株 05月18日    8267万株   +869万株  2億5902万株   +327万株 05月17日    7398万株   -474万株  2億5575万株   -840万株 05月16日    7872万株   -116万株  2億6415万株   -194万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日  701億円 1月25日  701億円 2月14日  701億円 3月07日  701億円 4月07日  701億円 5月19日  701億円 株探ニュース

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