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株価指数先物 【週間展望】 ―2万7000円の抵抗線突破、メジャーSQ控えヘッジ対応が強まるか

配信日時:2022/05/29 17:00 配信元:MINKABU
「2万7000円の抵抗線突破、メジャーSQ控えヘッジ対応が強まるか」  今週の日経225先物は、ナイトセッションで心理的な抵抗線として意識されていた2万7000円を終値で上回ってきたことで、先物主導でレバレッジ効果を狙った商いが一段と活発化する可能性がありそうだ。27日の米国市場ではNYダウが6営業日続伸で4月22日以降、上値抵抗線として機能していた25日移動平均線を突破してきており、ショートカバーが強まった。また、ナスダックは3日続伸で同様に25日線を突破し、5月6日以来の1万2000ポイントを回復している。  先週の米国では、25日に公表された5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、7月まで0.5%の利上げに動く方針が示されたものの、0.75%への利上げ幅拡大といったタカ派発言はなく、一段の金融引き締め加速を示唆する内容ではなかったと受け止められた。週末には米連邦準備理事会(FRB)がインフレ目標の基準値として重要視している4月の個人消費支出(PCEデフレーター)が発表されたが、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアPCE指数は前年同月比4.9%上昇と予想と一致し、前月の5.2%上昇から伸びが鈍化したことを受けて、引き締めを加速せずに済むとの見方が広がった。  引き続き1つの経済指標や発言によってマーケットは反転する可能性は高いと考えられるが、構造的にショートもしくはフラットであるマーケットにおいては更なるリバウンド加速が期待されるところでもあろう。  5月30日の米国市場はメモリアルデーの祝日で3連休となるため、週明けの東京市場では海外勢のフローは限られるため、短期のヘッジファンドなどによる商いが中心となる。シカゴ日経平均先物(5月27日27140円)にサヤ寄せする格好で買い先行の展開が見込まれ、累積出来高の積み上がっている2万6900円~2万7000円のレンジを突破してくることにより、ショートカバーを誘い込んで、短期的にはロングに向かわせることになろう。  日経225先物は足元で2万7000円水準が上値抵抗線として意識されているものの、5月13日につけた2万5540円(ナイトセッションを含む)を安値に下値を切り上げるチャート形状を形成している。抵抗線突破によるレンジ切り上がりが意識されやすく、戻り売りを警戒しつつも、75日線が位置する2万7700円水準が目先的なターゲットとして意識されてくる可能性がある。特に翌週にはメジャーSQを控えているため、この時点での抵抗線突破によってヘッジ対応の動きも強まりやすい需給状況にあるといえよう。  米国では祝日明けの31日には年金のリバランスに伴う買い需要が見込まれる。先週の強いリバウンドによって金額自体は大きくないだろうが、需給面での押し上げが意識されるなか、日経225先物には先回り的な動きも見られよう。まずは2万7000円を支持線に変える動きを見極めつつ、オプション権利行使価格の2万7000円での商いの積み上がりとともに権利行使価格2万7250円、2万7500円を睨んだ売買に向かわせそうだ。  なお、VIX指数は25.72に低下し、直近のボトム水準まで調整してきており、リスク選好が強まりやすい。25.00を下回ってくると一段とショートカバーが強まると見られ、日経225先物は2万7000円水準でこう着感を強めたとしても、積極的にはショートは仕掛けづらくなった。  また、先週のNT倍率は先物中心限月で14.19倍だった。米国で過度なインフレ警戒が和らぐ中での景気敏感株主導の上昇であるため、NT倍率は低下傾向が意識されやすい。ただし、2万7000円固めからレンジが切り上がる局面においては、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などが指数をけん引する格好となるため、NTロングでのスプレッド狙いから、75日線が位置する14.30倍辺りを狙ったポジションが積み上がることになりそうだ。  今週は5月ISM製造業景況指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)(6月1日)、5月ISM非製造業景況指数、5月雇用統計(3日)などの重要な経済指標の発表を控えている。結果次第ではマーケットのムードが一変する可能性もある一方で、トレンドはイベント通過後に一段と強まりやすい。なお、雇用統計については、非農業部門雇用者数は4月実績を多少下回る見込みだ。FRBの利上げペースに対する懸念が和らぐ可能性を想定し、弱含む局面では押し目狙いのロングスタンスと見ておきたい。  5月第3週(5月16日-20日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続で売り越しており、売り越し額は2050億円(前週は7530億円の売り越し)だった。なお、現物は336億円の買い越し(同3534億円の売り越し)と2週ぶりの買い越しであり、先物は2387億円の売り越し(同3996億円の売り越し)と2週連続で売り越している。個人は現物と先物の合算で1194億円の売り越しで、2週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で531億円の買い越しとなり、4週連続の買い越しだった。この週は決算も落ち着き、手掛かり材料に欠けるなか、レンジ推移の域を出ずに商いにつながりにくい状況。そのため、中国の経済指標の影響や米国のウォルマートの決算を受けてショートに傾くといった動きだった。  経済スケジュールでは、5月31日に4月鉱工業生産、中国5月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国5月シカゴ購買部協会景気指数、米国5月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、6月1日に1-3月期法人企業統計、中国5月財新製造業PMI、米国5月ISM製造業景況指数、ベージュブック、2日に米国5月ADP雇用統計、米国4月製造業新規受注、3日に米国5月雇用統計、米国5月ISM非製造業景況指数などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 01月限 日経225 28266.57  TOPIX  1988.69 02月限 日経225 27835.60  TOPIX  1965.67 03月限 日経225 25457.94  TOPIX  1808.03 04月限 日経225 27122.37  TOPIX  1904.02 05月限 日経225 25951.24  TOPIX  1838.12 ◆日経225先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/06 05月27日  26640  27020  26590  26810  +200 22/06 05月26日  26690  26900  26490  26610  -70 22/06 05月25日  26740  26840  26520  26680  -60 22/06 05月24日  27030  27140  26730  26740  -310 22/06 05月23日  26780  27050  26370  27050  +280 ◇TOPIX先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 22/06 05月27日  1880.0  1905.0  1876.0  1889.0  +11.0 22/06 05月26日  1877.0  1892.5  1863.5  1878.0  +0.5 22/06 05月25日  1878.0  1885.0  1863.0  1877.5  -1.0 22/06 05月24日  1895.5  1904.5  1876.5  1878.5  -20.0 22/06 05月23日  1880.5  1898.5  1859.5  1898.5  +18.0 ●シカゴ日経平均 円建て           清算値  前日比 05月27日(06月限)  27140  +330 05月26日(06月限)  26960  +350 05月25日(06月限)  26790  +110 05月24日(06月限)  26675  -65 05月23日(06月限)  27085  +35 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)         売り   前週末比   買い    前週末比 05月20日    3108億円  +261億円  7078億円  -63億円 05月13日    2847億円  +105億円  7141億円  +161億円 05月06日    2741億円  -107億円  6979億円  -314億円 04月28日    2849億円  +246億円  7294億円  -342億円 04月22日    2603億円  +53億円  7636億円  -332億円 04月15日    2549億円  -298億円  7969億円  -873億円 04月08日    2848億円  -226億円  8842億円  -2056億円 04月01日    3074億円  +560億円 1兆0899億円  -2338億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数)         売り      前日比  買い       前日比 05月25日    8470万株   -247万株  2億6468万株   +449万株 05月24日    8717万株   -157万株  2億6019万株   -250万株 05月23日    8874万株   -265万株  2億6269万株   +237万株 05月20日    9140万株   -666万株  2億6032万株   +151万株 05月19日    9807万株   +1539万株  2億5880万株   -21万株 05月18日    8267万株   +869万株  2億5902万株   +327万株 05月17日    7398万株   -474万株  2億5575万株   -840万株 05月16日    7872万株   -116万株  2億6415万株   -194万株 05月13日    7989万株   -2460万株  2億6609万株   +656万株 05月12日  1億0450万株    -37万株  2億5953万株   -645万株 05月11日  1億0487万株   +305万株  2億6598万株   +336万株 05月10日  1億0182万株   +1370万株  2億6262万株   +256万株 05月09日    8812万株   +824万株  2億6006万株   +463万株 05月06日    7988万株   -375万株  2億5543万株   -130万株 05月02日    8363万株   -191万株  2億5673万株   -949万株 04月28日    8554万株   +1662万株  2億6622万株   +596万株 04月27日    6892万株   -919万株  2億6026万株   -1244万株 04月26日    7811万株    -38万株  2億7271万株   -539万株 04月25日    7850万株   +151万株  2億7810万株   -309万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日  701億円 1月25日  701億円 2月14日  701億円 3月07日  701億円 4月07日  701億円 5月19日  701億円 株探ニュース

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