5月ロイター企業調査:中国のコロナ政策は悪影響、7割超が代替策なし
[東京 19日 ロイター] - 5月のロイター企業調査で中国が続ける「ゼロコロナ政策」について聞いたところ、63%の企業が事業にマイナス影響を受けていると回答した。物流の停滞や中国内の工場での生産停止などが生じている。すでに自動車メーカーは生産計画の下方修正に追い込まれているが、75%の企業は代替策を取れておらず、企業活動への影響は大きくなりそうだ。
調査期間は4月26日から5月13日。発送社数は499、回答社数は230だった。
中国は上海市をロックダウン(都市封鎖)するなど厳格なコロナ対策を継続。事業への影響を聞いたところ、「大きくマイナス」が10%、「ややマイナス」が53%で計63%がマイナスと回答した。「現地法人の活動制限につながっている」(機械)、「中国グループ企業での事業活動の停止」(その他製造)など、事業の停滞は広がっている。輸送用機器はマイナス回答が100%となり、影響の大きさをうかがわせる結果となった。
代替策は「模索中」(化学)など現時点で手当てできていないとの回答が75%に上った。予想外に長期化しているとの指摘もあり「自動車生産台数の減少など、影響は今後顕在化し、かなり大きなものとなる」(機械)との懸念も聞かれた。
<設備投資意欲、一部で活発化>
今年度の設備投資計画は、前年比「横ばい」が47%と最も多かったものの、「小幅増額」が24%、「大幅増額」も15%だった。「IT関連や新規の海外生産拠点に向けた投資で昨年度比50%増を計画している」(電機)と大きく積みます意向や、「コロナ終息に向けて、投資を活発化する予定」(食品)と声が聞かれた。
ロシアによるウクライナ侵攻、原材料高、円安といった外部環境の不透明感から、設備投資を「小幅減額」、「大幅減額」がそれぞれ7%と、投資抑制に動く向きも計14%となった。「半導体、コロナ感染影響による減産で抑制」(輸送用機器)、「業績の回復が鈍い中で設備投資は必要最低限に絞っている」(卸売)という。
(清水律子 グラフィック作成:照井裕子)