オープニングコメント

3月期末を意識した配当志向の物色やセキュリティ関連に注目か

配信日時:2022/03/14 08:17 配信元:FISCO
 14日の日本株市場は、売り一巡後はこう着感が強まりやすい相場展開になりそうだ。11日の米国市場ではNYダウが229ドル安だった。ロシアのプーチン大統領がウクライナとの停戦交渉で前向きな動きがあると発言したとの報道を受けて買い先行で始まった。ただし、3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想を下回ったほか、欧州訪問中のハリス副大統領やウクライナ外相は、プーチン大統領が外交手段に前向きな姿勢は見られないと報道を否定したため停戦期待が後退し上げ幅を縮小。バイデン大統領が追加制裁を発表したほか、3月FOMCでの利上げを警戒した売りも強まり、引けにかけて下げに転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比185円安の24905円。円相場は1ドル117円40銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売り先行で始まることになりそうだ。ウクライナ情勢に関しては、ロシアとの次回の停戦協議で一定の進展が見られる可能性が報じられていることから、下値の堅さは意識されてくる可能性はある。一方でロシアはウクライナ侵攻を開始して以来、中国に軍事装備やその他の支援を要請してきたとの報道やロシア軍銃撃でアメリカ人ジャーナリストが死亡したと伝えられるなか、リバウンドの動きも期待しづらいところである。

 11日の東証1部の売買高はメジャーSQにもかかわらず、14億株台にとどまっていた。
積極的にポジションを取ってくる動きは期待しづらく、先物主導による短期的な売買に振らされやすい需給状況は継続しそうである。ただし、短期的な売買が中心であることから、大きく振らされる局面においては、その後の反動を狙った値幅取りに向かいやすいだろう。日経平均は調整トレンドを継続しているが、基本的には25000円を中心とした24500円~25500円辺りでのレンジを想定しておきたい。

 物色についてはディフェンシブ系にシフトしやすいと見られるほか、3月期末を意識した配当志向の物色に向かいやすいだろう。また、テーマ性のある銘柄については、再生エネルギーや防衛関連のほか、デンソー<6902>は、ドイツの現地法人がサイバー攻撃を受けたことを明らかにしたと報じられており、セキュリティ関連などへ短期資金が向かいやすいだろう。
<AK>

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