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NY市場サマリー(22日)主要株価3指数1%安、利回り上昇 ドル小幅安

配信日時:2022/02/23 07:44 配信元:REUTERS

[22日 ロイター] - <為替> ドルが小幅安。ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア地域の独立を承認し軍派遣を命じたことでウクライナ情勢が緊迫化する中、不安定な値動きとなった。

ジョンソン英首相は22日、ロシアの5銀行とプーチン大統領に近い富豪ら3人に経済制裁を科すと発表。ドイツのショルツ首相も同日、ロシアからの天然ガス輸送パイプライン、ノルドストリーム2のプロジェクト承認停止を明らかにした。

また、バイデン米大統領も22日、ロシアがウクライナ東部の親ロシア地域の独立を承認し軍派遣を命じたことについて「ロシアによるウクライナ侵攻の始まり」とし、「対ロシア制裁の第1弾」を発動すると表明。これを受けドルがやや弱含んだ。

ユーロ/ドルは序盤に14日以来の安値を付けた後、上昇に転じた。独IFO経済研究所が22日に発表した2月の業況指数は98.9で上方改定された1月の96.0から上昇したことが支援した。

ドル指数は0.1%安。ユーロ/ドルは0.2%高の1.1333ドル。ドルはこの日、0.1%高─0.35%安で揺れ動いた。

FXストリート・ドットコムのシニアアナリスト、ジョゼフ・トレビサーニ氏は、市場は緊張が激化し制裁によって少なくとも世界経済の回復が阻害されるとは見ていないと指摘。「市場は状況が大きく変化したとは想定していない」と述べた。

ロシアルーブルは対ドルで2.07%高の78.76ルーブル。一時80.9275ルーブルと2020年11月以来の安値を付けあ。

ポンドは0.06%安の1.359ドル。

ドルは序盤に強含む場面があった。IHSマークイットが22日に発表した2月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が56.0と前月の51.1から上昇したことを受けた。

一方、コンファレンス・ボード(CB)が22日に発表した2月の米消費者信頼感指数は110.5と、1月改定値の111.1から低下し、昨年9月以来5カ月ぶりの低水準となった。

スイスフランや日本円などの安全通貨は序盤に対ドルで上昇。ただその後は下げに転じ、スイスフランは0.6%、円は0.29%それぞれ下落した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.76%高の3万8089.06ドル。イーサは1.94%高の2632.62ドル。

<債券> 国債利回りがやや上昇した。ただ債券市場ではウクライナ情勢よりインフレ動向などの方が大きな注目を集めており、反応は鈍かった。

アクション・エコノミクス(サンフランシスコ)のグローバル債券部門マネジング・ディレクター、キム・ルパート氏は、国債に売りが出たことの背景には「中銀の政策正常化、および中銀の政策の誤りに起因するリセッション(景気後退)への懸念」があったとの見方を示した。

10年債利回りは朝方の取引で一時1.85%を下回る水準に低下したが、終盤の取引では0.4bp(ベーシスポイント)上昇の1.934%。

市場関係者は、当初は国債に安全買いが入り、利回りが低下したものの、その後はインフレ状況や中銀の政策に対する慎重な見方が意識され、利回りは上昇に転じたとの見方を示している。

2年債と10年債の利回り格差は39.1bp。利回り曲線は一段と平坦化した。

財務省が実施した520億ドルの2年債入札は、最高落札利回りが1.553%、応札倍率が2.64倍。

DRWトレーディングの市場ストラテジスト、ルー・ブライエン氏は入札結果は良好だったとしながらも、プライマリーディーラーの落札比率は15.6%と、このところの入札の半分以下にとどまったと指摘した。

<株式> 神経質な展開が続く中、主要株価3指数は軒並み約1%下落した。S&P総合500種は1月3日に付けた終値の最高値から10%超下落し、調整局面に突入した。

バイデン大統領が対ロシア制裁を発表する一方、外交手段がまだあるとの期待を表明したことを受け、この日の安値からは戻して取引を終えた。

バイデン大統領の制裁発表前、ダウ工業株30種とナスダック総合は2%超下落していた。

ロングボー・アセット・マネジメントのジェイク・ダラーハイド最高経営責任者(CEO)は、一連の対ロシア制裁の発表について「ようやく全てのレトリックや戦略、一定の効力が示された」と述べた。

S&Pの主要セクター全てが下落した。一般消費財やエネルギーなどのシクリカル(景気循環)セクターの下げが目立った。

個別銘柄ではホームセンター大手ホームデポが8.9%安。2021年第4・四半期(2022年1月まで)決算は粗利益率が低下した。輸送コストや人件費の拡大が高額商品への底堅い需要や値上げによる恩恵を相殺した。

ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.79対1の比率で上回った。ナスダックでも2.90対1で値下がり銘柄数が多かった。

<金先物> 緊迫化するウクライナ情勢を背景に反発した。4月物の清算値(終値に相 当)は前営業日比7.60ドル(0.40%)高の1オンス=1907.40ドル。 安全資産としての買いが先行し、金相場は一時1918ドル台まで上昇した。しかしその後は利益確定の売りも出て、上げ幅を一部縮小した。

<米原油先物> 3営業日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当)は、前週末比1.28ドル(1.41%)高の1バレル=92.35ドル。4月物は1.70ドル高の91.91ドル。納会日を迎えた3月物は散発的な取引が続く中、急速に上げた反動から、ニューヨーク時間に入ってからはじりじりと上げ幅を削り、終盤にかけては92ドル台前半で小動きとなった。

ドル/円 NY終値 115.08/115.09

始値 115.07

高値 115.23

安値 114.88

ユーロ/ドル NY終値 1.1325/1.1328

始値 1.1345

高値 1.1359

安値 1.1323

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 100*05.50 2.2421%

前営業日終値 100*00.50 2.2490%

10年債(指標銘柄) 17時05分 99*12.00 1.9442%

前営業日終値 99*16.00 1.9300%

5年債(指標銘柄) 17時05分 98*08.75 1.8677%

前営業日終値 98*15.25 1.8240%

2年債(指標銘柄) 17時05分 98*22.25 1.5615%

前営業日終値 98*27.63 1.4720%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 33596.61 -482.57 -1.42

前営業日終値 34079.18

ナスダック総合 13381.52 -166.55 -1.23

前営業日終値 13548.07

S&P総合500種 4304.76 -44.11 -1.01

前営業日終値 4348.87

COMEX金 4月限 1907.4 +7.6

前営業日終値 1899.8

COMEX銀 3月限 2431.1 +31.9

前営業日終値 2399.2

北海ブレント 4月限 96.84 +1.45

前営業日終値 95.39

米WTI先物 4月限 91.91 +1.70

前営業日終値 90.21

CRB商品指数 267.1255 +3.5044

前営業日終値 263.6211

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