午後3時のドルは114円後半で一進一退、ウクライナ関連の報道に左右
[東京 22日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日の東京市場午後5時時点(114.92/94円)に比べてドル安/円高の114.71/73円で推移している。依然としてウクライナ情勢への警戒感が強く、ウクライナ関連の報道に左右される相場となった。ドルは朝方、114.51円まで下落したが、その後は114円後半でもみあう展開が続いた。地政学リスクをにらみ、積極的な取引は手控えられているとの指摘もあった。
ロシアがウクライナ東部の親ロ派支配地域の独立を承認したことを受けて、朝方はリスク回避姿勢が強まった。時間外取引の米長期金利の低下や日経平均大幅下落で、外為市場では円買いが進行した。
市場関係者からは、「(ウクライナ情勢に関する)ヘッドライン相場が続き、それ以外の材料でマーケットが動かない」(トレイダーズ証券の市場部長・井口喜雄氏)との指摘が聞かれる。また、「不透明感が強い現状ではどちらかにポジションを傾けづらく、地政学リスクがもう少し落ち着いてからポジションを構築するという人が多いのではないか」(井口氏)という。
足元のドル/円相場については、円高圧力がかかりやすいと見込む意見も多く聞かれる。SMBC信託銀行のマーケットアナリスト・合澤史登氏は、「次の節目としてはドルが114円を割り込むかどうかが注目される」と話す。
ウクライナ情勢を巡る警戒感は根強いが、日米の金融政策の差が意識されやすい現状では、ドルは113円台で下げ止まるとの予想も示された。合澤氏は「ロシアによるウクライナ侵攻など軍事衝突を回避できれば、ドルは1月の安値である113円半ば付近で下げ止まるのではないか」と指摘した。
ユーロは対ドル、対円で軟調な地合いが続いた。ロシアやウクライナと地理的に近い欧州通貨は売られやすくなっているが、地政学リスクが後退すればユーロの上昇余地はあるとの意見が聞かれた。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 114.71/73 1.1305/09 129.70/74
午前9時現在 114.59/61 1.1307/11 129.60/64
前日午後5時 114.92/94 1.1373/74 130.70/74